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勇者召喚、ヤバいのが混じってた。 ~近代兵器と戦い抜いた男は、異世界で慈愛を振るう~  作者: 風水
第四幕・第五章 第四部:【上位個体:竜の加護】

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第百五十四話:【サキモリの変容】

第百五十四話:【サキモリの変容】


三人の進化を見届けるようにして、最後にその男が目を開けた。


サキモリの「一〇%しか受け入れられなかった人間としての器」は、竜の因子という究極の触媒によって徹底的に補強されていた。


これまで彼を縛り付けていた肉体的な脆弱さは、もはや存在しない。


彼がゆっくりと立ち上がると、周囲の空気が物理的な質量を伴って凝縮した。


これまで彼を覆っていた、いつ壊れてもおかしくない「危うさ」は完全に消え失せている。


そこに在るのは、ただ静かに、しかし圧倒的な威圧感を放つ「静の最強」の姿だった。


「――出力、一〇〇%」


サキモリが静かに呟くと、かつてのような「黒い霧」は発生しなかった。


一〇〇%という、人間にとっては存在を賭した捨て身の「死の切り札」。


それが今、竜の加護による強靭な基盤を得たことで、肉体を破壊することなく常用可能な「ユニークスキル」として完全に手中に収められた。


血管は断裂せず、神経は焼き切れず、ただ純粋な力が無尽蔵に溢れ出す。


人間でも神でもない、その中間点に位置する覚醒した勇者――「半神半人デミゴッド」としての新生。


サキモリは、勇者というシステムの新たなコアとなり、人類戦力の最強の一角を担う存在へと変貌を遂げた。


サキモリは己の拳を握り、その確かな感触を確かめる。


かつての自分が「欠陥品」であったことを過去へと追いやり、今、大陸の天秤を一人で支え得るだけの質量がその肉体に宿っていた。


「……これが、勇者という私の本来の力なのですか」


その声に、もはや迷いはない。


ただ静かなる力のみが、聖域の白銀を圧倒していた。


(第百五十五話へ続く)

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