葛藤
クッ!
どうすればいいの?
教師としては注意しなければならないけど配信者としては、こんな面白い状況を止めるわけがいかない。
あ〜迷う。
「先生!ちゃんと仕事して下さい!
校長先生に報告しますよ!」
学級委員長ちゃんが机を叩いて私の注意を引くと、まさかの脅しをかけてくる。
クッ!
さすがに校長に報告されるのはマズイ‥。
ここは涙をのんで注意するか‥。
私、叶京香は渋々騒ぎのもとに歩きだす。
あ〜あ〜、せっかくの配信ネタなのに‥。
グチを口にしながら‥
* * * *
私が騒ぎの元に辿り着くと岩田渚ちゃんが正くんの頬にキスをしていた。
あ〜ここからが面白くなるのに‥。
この騒ぎを止める為、元凶である正くんに近づく。
ピコン!
いきなり面白い事を閃く。
ここで私が参戦したら、もっと面白くない?
せっかく目の前に正くんがいるんだし、彼女達の反応も見ものだ。
私は神経を集中させ、正くんに近づくとキスを仕掛ける。
もちろん頬ではなく、唇だ。
せっかくだし、口のが面白そうだ。
まさか私がキスをしてくるとは思ってなかったようで、完全に隙だらけだ。
いける!
私は確信すると唇を重ね‥
ガシッ
あと数センチで唇が触れ合う瞬間、何者かに頭を鷲掴みにされる。
ギリギリギリギリ
鷲掴みした頭を締め上げる。
「痛い痛い痛い!」
信じられないような痛みに悲鳴をあげる。
さらにその人物は、鷲掴みした状態から私を持ち上げると一言発する。
「殺すよ。」
それはまるで悪魔に呪詛でも口にされたかのような恐ろしい声色だった。
「ごめんなさい。
ほんの出来心でして‥」
声の主にすぐに謝る。
「謝って済む問題じゃない。
お前、放課後顔を貸せや。」
声の主に放課後呼び出される。
無論、断ってやりますよ。
「はい。
わかりました‥。」
呼び出しに応じるのであった。
結局その後にチャイムが鳴って、騒ぎは一応おさまるのであった。




