表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/163

特訓2


 姉妹の中で争いはあったが、何だかんだで特訓は進んでいた。


「1、2

 1、2

 1、2‥」


「右、左

 右、左

 右、左‥」


「ちょっとストップ!!」


 いい感じに進んでいると正くんが急に止まってしまう。


「急にどうした?」

 足でも痛めたか?」


 怪我でもしたのではと、紅羽が心配そうに声をかける。


「いや、怪我とかじゃなくて‥

 その‥出来ればだけど、掛け声を統一してくれない?

 左右から違う言葉を言われると、混乱するというか‥」


 正くんが変なことを言いだす。


「え?

 統一も何も1、2、1、2だよね?」


 私が至極真っ当な事を口にすると紅羽が驚いたように声をあげる。


「はぁ?

 右、左、右、左だろ?

 普通はこっちだよ!」


 紅羽が普通などと口にする。


「何が普通よ!

 1、2、1、2が全国共通なの!

 右、左、右、左って

 赤ちゃんじゃないんだから、いちいち指示しなくても。」


 私は少し笑ってみせる。


「いや、別に赤ちゃんじゃないし。

 右、左、右、左のがわかりやすいだろ!

 いいからこっちに合わせろよ!」


 紅羽が声を荒げる。


「何を意地になってるの?

 だったら正くんに決めてもらおうよ。

 ねぇ、正くんは1、2、1、2だよね?

 まさか右、左、右、左じゃないよね?」


 紅羽に負けたくないので、正くんに圧をかける。これで負けることはないだろう。


「正なら、右、左、右、左を選んでくれるよな?」


 紅羽は正くんにさらに接近する。


「いや、俺はどっちでも‥」


 私たちに言い寄られ、正くんが困った顔になる。

 クッ、ここで正くんの優柔不断が出るとは‥。

 では、仕方がない。

 私は近くにいた運動部の人を捕まえ、掛け声のことを聞いてみる。


「うーん、普通は1、2、1、2だと思うけど‥」


「ですよねー。

 ありがとうございます。」


 その後も何人かに尋ねてみたが、全員が1、2、1、2を選んでくれた。

 よし、完全勝利!!


 結果を2人に説明して、掛け声を1、2、1、2にする事が決まる。

 紅羽はかなり悔しそうな顔をしていた。


◇◆◇◆


 特訓を再開して数分後、それは起きた。


「あっ!」


 紅羽がバランスを崩したのか、正くんに倒れ込むように倒れる。


「危ない!」


 正くんは倒れてきた紅羽を身体で受け止める。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


 私も心配になって声をかける。


「大丈夫、大丈夫。」


 紅羽は何事もないと返事した瞬間、ニヤリと笑う。

 ほんの一瞬だったが、紅羽は笑ってみせた。

 あっ、コイツやってんなー。

 わざと転んで正くんに抱きついてみせやがった。


プツッ


 紅羽の邪悪な笑みをみて、私の中で何かが切れたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ