洋服店
ふーむ、しかしこう、色々あったわけだけど
何処かに行くとなると、案外何処に行くかが定まらないなぁ。
ひとまずは服とかを見に来たわけだけど。
「中々良い品揃えね!」
「ん、メリーはこの服似合いそう」
「えー、それは子供っぽいわ」
服を見に来た俺達だが、入ると同時にメリー達とクロがかなり食い付いた。
「いやいや、あなた達はこっちでしょ?」
「流石イリアさん! 良い趣味!」
そして、イリアさんも参加してガールズトークが開始する。
「お姉ちゃんはこの服が似合いそうだよね」
「確かにボーイッシュな感じだな、俺っぽい」
「でも、この可愛い服もお姉ちゃんに似合いそう!」
「その服は俺よりもお前の方が似合うと思うぞ?
で、レベッカはこの服かな。爽やかな感じだし」
「いや、私の服はどうでも」
「馬鹿め! 俺だけこんなにも盛大なイメチェンをしてなるものか!
お前もイメチェンすんだよ! ふへへ、コスプレさせてやるぜぇ!」
俺だけ普段と全く服装が違うからな、こうなれば全員イメチェンさせてやんよやんよ!
そうすれば、俺だけ何か浮くことないしな!
「さぁ! レベッカも服を変えるのだ! ポーラさんも服を変えて!」
「な、なんで?」
「俺だけイメチェンするのは嫌だし! こうなれば全員イメチェンさせてやる!」
「似合ってると思うけど、気に入らないの?」
「俺はマリスを守る為に男になると決めているのです! こんなひらひらした服などぉ!」
「お姉ちゃん、とても似合ってるよ? そんなに嫌がらなくても」
「この服最高です!」
マリスが褒めてくれるというならば! このイメチェンも受入れよぅ!
心を鬼にして! いや、違うな…心を……何にしよう
あ、そうだ! 世話焼きお姉ちゃんに変えて見よう、そうしよう。
「本当、普段のセイナさんって戦闘時と全然違いますね…」
「そうねぇ、何だか普段のセイナちゃんはネタに全力疾走してる気がするわ。
重度のシスコンという感じだし。まぁ、可愛いから良いけどね」
「しかーし! この服のままで良いとは言え! 全員にはイメチェンをさせる!
その為に服屋に入ったのだから!」
「いや、私達は…」
ポーラとレベッカが否定しようとしたとき、
服を見回っている2人の楽しそうな会話が聞えてくる。
「この服はレベッカに似合いそうね。
結構質素だけど前面に出たがらないあの子には似合いそう。
後方1歩下がって清楚な感じでコーデをすればとても良さそうね」
「これはマリスに…でも、セイナにも似合いそうな気がする。
可愛い路線…は、セイナにもマリスにも似合う。
格好いい路線はセイナくらいにしか似合いそうにない。見た目結構似てるけど不思議。
とりあえず、このピンクの可愛い服はパーカーはマリスに…スカートが良いかな?
でも、パーカーならズボンが良いかも知れない。
だけど、このパーカーならスカートでも問題無さそう。
こっちの紺色の方はセイナに似合いそう。このズボン類と合わせれば完璧」
「こっちはポーラね、落ち着いたお姉さんという上品な佇まいが似合うわ。
緑は派手すぎるから、この薄らとした青のドレスが良いかも。
あまり目立ちすぎず、それでも確かな存在感を感じるコーデが良いわね」
「……既に誰にどの服を着せるか、あの2人は決めてるっぽいな。
お返しにあの2人に似合いそうな服を選べば良いんじゃないのか?」
「わ、私…コーデって苦手なのよね…」
「私も…そう言うのを考えたことが無いし…どれだけ自然に溶け込めるスタイルかが大事で」
「狩人の基本はこの街に居る間はどうでもよいという事にして服を見るのだ!」
「うぅ…」
とまぁ、一応俺もどんなコーデが似合うか考えてみるけど
正直、俺は中身男だからコーデはなぁ。
しかしだ! 逆に考えるのだ俺! 俺は中身が男! 二次元大好きだけど男なのだ!
ソシャゲーとかそう言うゲームで出てくる女の子っぽい服装を2人にさせればよい!
ふふふ…ふ、ふ……いやまって! 考えてみればあの2人って既にイメージ通り!
クロはゴスロリ服だし! いや、メリーはイメージ通りとは言えないかも知れない。
だって青い軍服だしな…とは言え、今は違うんだけど。
今は紺色のセーラー服を着崩してる格好だからな。
セーラー服って何かネクタイが似合う気がする、メリーも付けてるし。
「……うーん」
でもあれだな、鏡を見て思うがこの服装は確かに可愛い。
全体的に魔法少女っぽい見た目なきがするけど。
「……恥ずかしい!」
とは言え、やはりそんな姿を見てしまうと恥ずかしいと感じてしまう!
流石にこれは恥ずかしい! 俺が例え男ではなく
中身が同い年くらいの女の子、とかだった場合でも間違いなく恥ずかしいという!
だってこれが自分だと考えると恥ずかしくてしょうがないじゃないか!
そりゃあ、見た目は幼女だよ!? 見た目は6歳児!
こう言う服装をして居てもあまり違和感は無いかも知れない!
だが! 中身が大学生である以上、この格好はどうしようもなく恥ずかしい!
く! 俺はコスプレを拝むのは割と好きだが、コスプレをするのは趣味じゃないんだ!
(そもそも、あなたの見た目その物が既にコスプレでしょう?)
(どこら辺が!?)
(獣耳、尻尾…)
(た、確かに!)
もはや慣れすぎて気付かなかったが、確かに俺の格好もろコスプレだった!
でも、コスプレではないのだ、尻尾は自分の意思で簡単に動かせるし
耳もちょろっと意識すればピョコピョコと…ぴょこ、ぴょこ。
「……」
(今、可愛いとか思いましたね?)
(お、おぉ、思ってねーし!)
(いや実際可愛いですよ? 小さな獣耳の女の子が
鏡を前にして自分の服を拝んで、耳をピョコピョコして
顔を真っ赤にして恥ずかしがってたら…しかし中身は)
(止めろぉ! 良いじゃん! 鏡に映る姿は俺じゃ無いって事にして!
俺じゃない俺じゃない! あれはただの美少女なのだ!)
(ほら、手を出したって良いんですよ? あなた自身ですからね?
鏡の前で裸になって、好き放題しても誰も文句は言わないのです)
(止めて! 色々と尊厳を失うから止めて! やりたいけどね!)
(変態めが)
(酷くないですかね!? そんな提案をした奴が辛辣過ぎんよ!
つーかさー! マジさー! 何で俺を女の子にしたんだよぉ!
男のままで転移させてくれたってよかったじゃんかぁ!
そうすれば、俺は格好いいお兄ちゃんとして振る舞いましたよ?
妹に尊敬される、超絶格好いいお兄ちゃんとして頑張ったよ!?)
(ご安心を、今も妹に尊敬される超絶格好いいお姉ちゃんですので)
(俺は兄になりたかったんだ! そしたら、その内マリスが身体を許して)
(死ね!)
「あぎゃぁああああ!」
「ほえ!? お姉ちゃん!?」
「な…なな、な…何でも無い…よ?」
「いや、絶対何かあったでしょ? 滅茶苦茶叫んでたわよ?」
「だ、大丈夫…マジで何でも無いから…あ、あはは」
し、死ぬかと思った…マジで死ぬかと思った…今まで喰らったことがない威力の電流が…
いや、本当死ぬかと思った…よく生きてるな…俺。
(ち、仕留め損ねましたか、無駄に頑丈な身体ですね)
(ちょっと待って! マジで殺す気だったの!?)
(はい、変態は駆除せねば)
(待って女神様! 冗談! あれはジョークなんです!
無い無い無い! 絶対に無い! 俺がマリスに手を出すとかあり~えない!)
(死ね!)
「ごふぁぁああ!」
「ちょ、ちょっと! 本当にどうしたの!?」
「……い、いや…あ、あれですよ…ふ、腹痛が来ただけですはい」
「いや、腹痛ってレベルじゃ無いでしょあの悲鳴」
「調子が悪いなら」
「いや全然! ほら、こんなに元気!」
「……は、はぁ…無茶しないでね?」
「無茶なんてしてませんとも!」
「冷や汗凄いけど…」
「いや、これはお店が暑いからですね」
「むしろ涼しい方だと」
「服が厚いからですね! いやぁ、暑いな~、この服!」
「……えっと、本当に大丈夫?」
「大丈夫ですとも!」
「そ、そう」
あっぶね! マジあっぶね! 色々とバレるところだった!
誤魔化せてよかった! あまり誤魔化せてるようには見えないけど!
(やはり頑丈ですね)
(容赦なさ過ぎやしませんかね女神様)
(私を馬鹿にしやがった罪です、次は殺します)
(あなたが言うと、かなりマジに聞えるんで止めて欲しいです)
(かなりマジなのでその認識で合ってますよ、えぇ)
(恐いんだけど!? 怒りすぎだろ何か!)
(あなたのような変態は処さねばなりません、神として)
(変態ばっかり生まれちゃってる世界を作った奴が言うなぁ!)
(今度は殺しますよ?)
(申し訳ありません! 本当に尊い女神様です! 最高の女神様です!
よ! 最高神! 世界の創造神様は違うなぁ! あはは!)
(馬鹿にしてますね、では)
(お慈悲を! どうかお慈悲を! 俺はまだ死にたくなーい!)
(……よろしい、では許して差し上げましょう)
(ありがとうございます女神様! いや本当ありがとうございます!)
た、助かった……ふ、自分をさらけ出せる唯一の相手だからつい暴走してしまったぜ。
はふぅ、殺されないように注意しないと駄目だな。




