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お買い物

少しシリアスな場面は結構簡単に転化した。

シリアスな場面と言うよりは、シリアスな気持ちだけどな。

確かに昔話のことは衝撃的だったし

ラキが意外とフレンドリーだったのも驚いた。

だがまぁ、今回はそう言うの無しで、素直に楽しみたいと思う!


「お買い物~! お買い物~! お姉ちゃんと2人でお買い物~!」

「いやぁ、今回はのんびり回るぜ! マリスと2人で!」

「…えっと、私達も居るよ?」

「可愛いくらい浮かれてる…やっぱり見た目相応だと安心しました」

「あの発言、なんでセイナ? 私とお買い物って喜んで欲しい」

「いや無理でしょ、半分くらいあの2人は自分の世界よ。

 ほらあれ、手も繋いじゃって…マリスが強く掴んでる感じだけど」


ふはは! いやぁ、妹と一緒にお買い物というのはやはり良いな!

村に居たときはマリス1人で買い物行く場面が多かったけど。

やっぱり2人で買い物という方が良いと確信した!


いやぁ、マリスの小さくて温かい手が俺の手をガッシリ掴んでいる。

ふふふ、ふはは! これこそ姉妹! やはり姉妹はこうで無くては!

ふ、姉は妹を守り、妹は姉に至極の時間を与えてくれる。ふはは! 最高では無いか!


(あなた、本当に妹さんの事大好きですね)

(勿論さ! マリスは俺の宝物なのだ!)

(寝取られエンドに向わないように注意してくださいよ?)

(なにぃぃ! そんなルートには向わせぬ! 向わせないぞぉ!)

(いやまぁ、ほぼあり得ないという感じですけどね。

 と言うか、確実にマリスさんの方が姉を寝取られるルートが多いわけで)

(馬鹿め! 俺は寝取られない! 常にマリス一筋なのだ!)


ずっと寝取られないというルートを考えていた時期が私にもありました。

吸血鬼に噛み噛みされて、結局魅了されてしまい妹の元から離れたのです。

私は彼女に包まれ、彼女の元で尽くすことにしました。

もっと気持ちいいことをして貰いたいという一心で、ごめんね…マリス

お姉ちゃんはもう、あなたの元には戻れない…


(変な嘘ナレーションを流すんじゃー無い! 何かそれっぽく聞えるから!

 お前がやるとそれっぽく聞えるから! 声真似がスゲー似てるから!)

(私は女神、それっぽく色々と演出することは造作ないのですよ!

 脳内に直接そう言う情報を流してあげても良いのですよ?

 バットエンドルートの1つを疑似体験させてあげましょうか?)

(嫌だね! 俺は自分の道を進むのだ! パラレルワールドなど不要!)


全くルアの奴め、女神という点を最大限に利用しやがって。

たまにこういうことをするから変な女神だと感じるんだ!

変じゃない要素の方が少ない女神とか何だよ、カオスかよ!


(神の考えは人間には分からないのですよ)

(お前の場合は、ただ楽しんでるだけだろうが)

(えぇ、晴夜さんをからかうのは好きですよ?)

(お前のからかうは容赦ないから止めて欲しい)


こんな感じでも女神だからな、からかうのスケールが違うだろ。

何で別世界の可能性まで経験させられそうにならないと駄目なんだよ。


「おねーちゃん!」

「お、おぅ!」

「えへへ! 呼んだだけ-!」

「可愛い!」(そうか、呼んだだけか)

(本音と建て前…逆になってますよ? ギャグキャラみたいですねあなた。

 と言うか、本当にそんな事をする人が居るとは思いませんでした)

(く! つい気持ちが!)


危うく鼻血が出そうになる位に可愛かった、さ、流石我が妹、恐ろしや。


「セイナさん…普段と戦闘時では全く違うわね…雰囲気とか全般」

「そうだね、でも多分こっちが本当のセイナなんだと思うよ。

 マリスと一緒に遊んだりして…これが本来のセイナなんだよ」

「私もマリスとあんな風にイチャイチャしたい! イチャイチャさせろ!

 イチャイチャさせろセイナ! そこをどけるんだ!」

「馬鹿が! 誰がどけるかあんぽんたん! ここは俺の場所だぁ!」

「退けろぉ!」

「退くかぁ!」

「……い、一応国の英雄扱なんだから、そんなにはしゃがないでって」

「ぱっとみ、クロちゃんとセイナちゃんがイチャイチャしてるように見えるわね

 お互いに抱き合ってる形になっちゃってるんだから」

「ぐにゅぅうう! わ、私はマリスとイチャイチャするんだぁ!」

「お前には荷が重い! マリスとイチャイチャすると言う指名は俺が全うする!」

「退けぇ!」

「退かねぇってのぉ!」

「…セイナも本気じゃ無いしね、あれ」

「本気を出せば一瞬だろうしね、あの子前衛だし」


実際、こう言うやり取りを楽しんでいるのもある。

ふふふ、愚かなクロよ、俺が本気を出せばお前を高い高いする事も出来るのだ。


「そりゃ!」

「ひゃわぁあ!」

「ふふふ、高い高いしてやるよほらほら」

「わぁあああ! お、降ろせ!」

「ほれほれ、ちょっと高い視点はどう見える? にひひ」

「止めて! 降ろして! 降ろしてくださいお願いしますぅぅ!」

「ふふん、貴様程度のパワーで俺に勝てるはずが無いのだ、ほれ」

「にゃぁああ! 投げたぁあ!」

「っと…目で合図してたけど、失敗したらどうするつもりだったのよ」

「いやまぁ…多分大丈夫かなって、頭から落ちても…」

「大丈夫なわけ無いと思うけど…?」

「いや、俺は叩き付けられても割と平気だったんで

 ワーウルフって全員そうなのかなって。

 一応、自分よりもかなり高い場所から落ちても平気だったわけですし

 後は壁をぶち破るくらいの勢いで吹き飛ばされても無事でしたしね!」

「あなたが異常なだけよ…」


む、やはり俺は異常に頑丈だったようだ、やはりそうなのかも知れない。

ふむふむ、なる程、これが主人公補正という奴なのだろうか。

壁というか、地面にクソデカい亀裂を入れる鬼の一撃にも耐えてたからな。

我ながら、かなりの頑丈さだぜ、俺の才能が恐いね。

…不幸体質過ぎる気がするけど。


「セイナは異常な程に頑丈だからね…正確には頑丈になるしか無かったのかも?」


結構戦闘を行なっていたからな、頑丈にならなくちゃやってられないぜ。


「前衛だからな、ドンドン頑丈になっていかないと」

「この異常者! モンスター! 化け物!」

「クロよ、お前も結構な物だと思うぞ?」

「褒められているのか分からないけどお前に言われるのは嫌だ」

「酷いな!」

「私を投げた奴が言うな! ファイヤー!」

「ちょま! 街中で使う、あっつぅ!」


し、尻尾に! 尻尾に火が付いた! 熱い熱い!


「し、尻尾が焦げる! 導火線みたいに焦げる!

 根元まで行ったら爆発する!」

「クロ! 何やってんのよ! 街中で!」

「あちゃちゃちゃぁあ! 燃えるぅ!」

「ふふふ、私を投げた罰」

「もう、しょうが無いわね! バケツを、あ!」


イリアさんが鞄から水の入ったバケツを取り出して、落とした。


「……」


そのお陰で尻尾の火は消えた…消えたんだけどさ。


「あの…イリアさん」

「だ、大丈夫!?」

「えっと、はい、大丈夫です」

「ごめんなさい! 焦ってて!」

「……」

「セイナ」

「何だよ」

「おっぱい見えてる」

「……」


あ、本当だ、水が思いっきり掛ったせいで服が透けてる。

いやまぁ、これは非常に不味い状態なのかも知れないけど

まぁ、俺の見た目は幼女だからな、別に死活問題では無い。

とは言え、この状態で歩き回るのは流石に抵抗が。


「ご、ごめんなさい! はい、コート!」

「な、何でも入ってますね、くしゅん!」

「さ、寒いから…」

「お姉ちゃん大丈夫? 風邪引いちゃうんじゃ…」

「大丈夫だ、俺は鍛えてるから」

「ん、馬鹿は風邪引かないから」

「誰のせいでこんな全身ビシャビシャになってると思うよ!」

「イリア」

「お前だよ馬鹿! 普通街中で魔法使うかよ!」

「ファイヤーなら大丈夫だと思った、後悔も反省もしてない

 むしろ、セイナが酷い目に遭って清々しい気分」

「お前の精神状態おかしいよ! せめて反省しろやぁ!」

「元々はセイナが私を投げたのが問題なの!」

「ちゃんと安全な方に投げただろ!?」

「私だってちゃんと加減してた! 尻尾に火が付くとは思って無かった!」

「加減をしていたとしても街中で火遊びするなぁ!」

「ま、待ってよ2人とも! け、喧嘩しないで!」

「分かった!」

「切り替え早い!」

「ふ、マリスに免じてこの件は許してやろう」

「元は!」

「……」

「わ、分かった」

「さて、じゃあ買い物にくしゅん!」

「その前に服…着替えましょうか」

「あい…」


ひとまず人目が無い所で服を着替えた。

イリアさんの鞄に入っている着替えで何とか。

しかし、女の子の服だなこれ…は、恥ずかしいぜ…

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