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厄介ごと

ふふん、食事はまぁまぁ美味しかった。

しかし、所詮まぁまぁなのだ! 10万ゴールドの割に

結構しょうもないんだな、我が妹の料理の方が何十倍も美味!

我が妹の料理にある、確かな愛情、それを想像するだけで

涎が止まらねぇぜ…あっと、マジで涎が出て来そうに。

不味い不味い、ひとまずは冷静になろう、姉として。

…兄の方が良いけど、姉としてだろう。

はっはっは! 俺はマリスのお姉ちゃんなのだ! ふふふ、幸せ。


「お、お姉ちゃん? さっきっから表情が七変化してるよ?」

「あ、ご、ごめん」

「私、このホテルの料理、美味しいもんね。

 でも、私も同じくらい美味しいもの作るから期待しててね♪」


可愛い! 純粋なあの笑みは、実に可愛らしいものだ。

さながら、太陽の如き笑顔、いや、太陽とは違うな。

太陽以上だ、もっと的確な比喩表現とか無いんだろうか。

草原に広がる色とりどりの花の様に清楚で煌びやかで

のどかで、風に揺れ多種多様な姿を見せてくれる。

色々な笑みはあるが、その笑み全てが美しい!


(興奮しすぎです、何処まで妹さんが好きなんですか)

(可愛い! 純粋! 全てを取っても我が妹ほどに可愛い生き物は存在しない!)

(それなら、あなたは格好いい担当になってくださいよ、見た目結構似てるんですよ?)

(なんで俺が格好いい事をしなくてはならないんだ? 妹を愛でるのに必要無いだろ)

(妹を守る為に、もう少し精神的に鍛えやがれといってるんですよ、このロリコン)

(は! 違うね! 俺は決してロリコンでは無い! 俺はマリコンだ!)

(……咄嗟に訳の分からない造語を使わないでください、変態ロリシスコン野郎)

(馬鹿め、それではロリのシスコンになるぜ!)

(馬鹿はお前だ、お前はロリのシスコンだ)

(がは! そうだった! 見た目はロリだった!)


やられた…容赦なく撃沈された、揚げ足を取ろうとしたらかかと落としを食らった…

あ、そうなると、揚げ足、では無く上げ足になるのかな、なんて。


(変な事を考えてたら、心臓を抉りますよ? 手だけ出して)

(止めろ恐ろしい! と言うか、お前は今どこに居る!)

(っは、愚問ですね、晴夜さんの胸の谷間です)

(お前も相当ロリコンじゃ無いか! と言うか! この身体に谷間は無い!)

(いえ、少しだけあるんですよ、お陰で止まりやすいのです。

 あ、蝶々らしく、山の頂にある花から蜜でも吸いましょうかねぇ~)

(…? 山の頂? 蜜? 何の比喩で……っは! ま、まさか貴様!

 それは止めろ! でないから! 蜜とか出ないから! 妊娠してないから!)

(何を馬鹿な、妊娠していなくても開発していけば何か出てくるのがエロゲの世界です)

(開発しようとするなぁ! そこは俺でも触れてはいけない禁断のエリアだぞ! 

 そこに触れて良いのはマリスだけだ! ……キリ!)

(やっぱりここで排除しましょうか?)

(止めてくださいお願いします!)


うぅ、まさか服の中に貞操の危機を飼っているとは…意外と変態じゃ無いかぁ…

いやでも、俺の服の中に基本入ってる地点で、やっぱり変態なのでは?

そう言えば、イリアさんが来て基本ずっと服の中だし…


(変態では)

(あー、でもやっぱ気になるのって…汗臭くない? そこ)

(え?)

(いやだって、この格好で派手に運動するときはするし。

 あまり風呂入ってねーし、汗かくだろ? 少し暑いから。

 汗臭くない? 体臭とか気になんねーの?)

(いえ、良い匂いですよ)

(その発言…さらっと危なくね?)

(まぁ、そんなに汗かいてませんしね、臭くは無いですよ)


そうか、あまり汗をかいていなかったのか、それは安心だ。

……しかし、やっぱり服の中に変態女神を飼ってるのは少々辛い。


「お姉ちゃん?」

「ん? あぁ、マリス聞いてるよ、安心してくれ、マリス。

 お前の料理は既に! この食事よりも美味しいのだから!」

「本当? ありがとう! でも、私の料理は少し味付けが偏ってるの。

 あのね、もう少し塩を入れて、濃いめにした方が良いなって今回思たの!

 私の料理は少し味が薄いから、もう少し濃い味の料理を作るよ!

 後ね、食材の切り方がね、私の料理は少し整ってないみたいでね!

 何とか野菜の大きさを均一にきれるようにして、火加減も調整してね!

 後は後は!」


ま、マリスのお料理講座が始まった、きっと考えたことを共有したいのだ。

ふ、しかし…俺は料理が出来ない! マリスが怪我をしたときとか

昨日の夜営とか、自分で少し作ったことはあるけど、マリスには届かない。

完全に独学で、マリスの真似をしただけでは美味しい料理は作れないのだろう。

やっぱりマリスに教わらねば、料理は上達しないんだろうな。


「マリスさんはお料理が大好きですね」

「うん! 笑顔で食べてくれるお姉ちゃんを見ると幸せな気持ちになるの!」

「ありがとうマリス! ふふふ、美味しく食べる! どんな料理でも食べる!

 マリスの料理ならばどんな料理でも箸を止めること無く食べる!」

「毒入りでも?」

「マリスの料理ならば食べる!」

「媚薬入りでも?」

「勿論食べる! で! サキュバス! さらっと俺の演説にチャチャを入れるな!」

「ごめんなさいね、でも、媚薬入りのお料理をマリスちゃんが食べさせたって事は

 つまりそう言う事よね、ハッピーエンド!」

「確かに!」

「いや、それは無いでしょ…どこまでマリスさんの事が好きなんですか…」

「…媚薬って何? 調味料?」

「えぇ! 媚薬というのは、愛の薬で!」

「変な事を教えるな!」

「因みに媚薬は品揃えの中にあるわよ~、使う?」

「なんでそんな物を品揃えに入れてるんですかあんたぁ!」

「需要、結構あるのよ? マンネリ状態の夫婦とか

 お互いに勇気を出せないカップルとか」

「わぉ…現実的な理由……」


た、確かにそう言う使い方はありそうだけど…


「あ、じゃあ、使って」

「駄目! それは駄目! 調味料じゃ無いからね? 薬だから」

「そ、そうなの? じゃあ、止めておこう…何かあったら恐いし」

「それもそうね」


実際、そんな物を使ったら何かあるし、使わないのは大正解である。


「いやぁ、それにしてもあなた達とお話ししてると楽しいわ~

 出会ったのはお昼なのに、今はもう夜だからね~」

「私も凄く楽しいわね~、長旅だし賑やかなのは大好きよ♪」

「少しにてますよね、あの2人の口調」

「お姉さんキャラって、大体あんな口調だと思うが」


そう言えば、レベッカも分類的にはお姉さんキャラなのでは?

と思ったが、高校生くらいだしお姉さんキャラでは無いか。

俺達からして見ればお姉さんキャラではあるが

お姉さんキャラはイメージとして20歳超えてるし…超えてないキャラ多いけど。


「さ、それじゃぁ次はお風呂ね」

「そう言えば、入ってなかったな」

「うん、お姉ちゃん! 一緒に入ろうよ」

「いや、俺はまだ」

「全員で入っちゃう?」

「それは嫌です!」

「もぅ、恥ずかしがらないで、あなた達の年齢なら

 まだお母さんとお風呂に入っててもおかしくない年齢よ?

 さぁ、お姉さんに甘えて~?」

「いやです! お、俺はお風呂嫌い!」

「もぅ! 子供ね♪ だーめ、お風呂にはちゃんと入りましょう♪」


確かに子供みたいだが! 子供じゃ無いからお風呂に入るのがいやなんだ!

まぁ、爆乳お姉さん達の裸を拝めるというのであれば、勿論いくと言いたいが

ピンクキャットと入ったときのトラウマが俺をお風呂から遠ざける!

そして! お風呂に入る度に感じるあの罪悪感はなれないんだ!

ロリ美少女の服を自分で脱がして裸にするなど、俺には無理だ!

例えそれが俺自身の身体だったとしても! それは無理だ!

罪悪感で胸が押しつぶされる感覚に陥るうぅう!


「え、えっと、流石に同時は無理だし…この間、私が先にお風呂貰っちゃっていいですか?」

「どうぞお先に! あ! マリスもお風呂入れてあげて!」

「え? 私はお姉ちゃんとお風呂…」

「待ちなさ~い」

「俺と一緒に犠牲になることは無い! レベッカとなら安全だからぁ!」

「あら、私、危険人物扱い~?」

「全力で逃げてる俺を全力で追ってる地点で危険ですよぉお!」

「もぅ、失礼しちゃうわ~、でも、追いかけるけど♪」

「私も後から入るわ~」

「ひぃいい!」


結局最終的に俺は2人に捕まり、お風呂場へ連行されてしまった。

お風呂はもうすでにレベッカとマリスが入った後で犠牲は俺1人で済んだ。


「あぁ、俺の人生もここまでか…」

「お風呂に入るだけで深刻ね~」

「きっと裸にされて湯船に入れられ、調教されてしまうんだぁ!」

「し、しないわよ、そんな事」

「私はしたいけど♡」

「ひぃい!」


うぅ、抵抗虚しく服のボタンが1つ、また1つと外されていく。

あ、これは終わった…もう駄目だ、さらばマリス。

お前のお姉さんは、お前が着ては行け無い禁断の地へ…


「え!? 何!?」


大きな警告音!? ハイテク! じゃなくて! 何で警告音が!?


(これはまた…)

(何だよこの警告音!? と言うか、なんで警告音!?

 この世界、そこまで発展してるイメージ無いのに! この部屋は別格だけど!)

(いやまぁ、世界観をごちゃごちゃに作ってまして、多少のハイテクノロジーはあります

 ほら、電気とかあったでしょ? でも大丈夫、全部魔法という事にすればそれで)

(今はそんな解説よりも! この状況! 何だよこの警告音!)

(強盗か…あるいは襲撃ですね、夜間の襲撃)


もう嫌な予感しかしない!


「くぅ! と、とにかくこっち! 急いでマリス達と合流を!」

「わ、分かったわ、あ、魔法の鞄は持って~」

「それが大事なのは分かりますけど、もう少し焦ってください…」


俺達は急いでお風呂場から飛び出した。


「どうなった!?」

「アンデッドの襲撃です!」

「上層だし下の状況が全部見れるのか、よし、急いで下に!」

「え? 待ってください、何かこっちに!」

「え? うぁ!」


宿の窓が激しく割られ、そこから俺達と大差ない程の小さな女の子が入ってきた。


「なん…」

「ようやく見付けた、今度は逃がさない」

「今度は…? く、よ、よく分からないがヤバい! マリス! レベッカ!

 イリアさんを! あ、ついでにサキュバスも」

「私はついで!?」

「護衛対象じゃ無いし…」

「酷いわぁ!」

「事実だって! いきなり出て来ただけじゃん!」

「何よ~! 私とあなた達の仲じゃ無いのぉ~!」

「知らん! と言うか、お前もモンスターだろ?

 別に狙われないだろ?」

「狙われるわよぉ~!」

「と言うか、モンスターなら戦えるんじゃね?」

「無理~、私は戦闘不向きなの~」

「……あの、もう良い? 話を続けて?」


あの少女の声が聞え、彼女の方を見てみると

キョトンとし、困惑している様子だった。

汗みたいな物まででて、かなり困惑してるのが分かる。


「え? あ、ごめん待たせて、あ、でも、出来れば待って。

 えっと、俺達が逃げた後で」

「逃がすわけ無いでしょうが!」

「で、ですよねぇ…」

「ち、そこの犬!」

「ん? あ、俺?」

「そう、お前殺す」

「お、お姉ちゃんは殺させない! わ、私が!」

「……いや、俺が狙いならいいぜ、好都合…なら、仲間は逃がしていいかい?」

「…面白い、吸血鬼の私相手に1人…いい度胸、構わないよ」

「嘘じゃ無いよな?」

「ん、吸血鬼は嘘を付かない、まぁ、後から殺すけど」


今、この場で逃がすことは承諾してくれるが後から殺すと。

は、吸血鬼相手なら、これが最善になるのかな。

吸血鬼が相手、見た感じ知識はあるし、吸血鬼は早い。

マリス達がいても、後衛は最初に潰されかねない。

流石にマリス達への攻撃を全部防ぐのは困難だろう。

ここで俺が1人で足止めというのが最善の手だろう。


「何言ってるの!? お姉ちゃん!」

「逃げる準備、頼むよ、イリアさんの護衛頼むぜ?」

「なんでそんな!」

「護衛対象を守るのが仕事だ、1番大事なのはそれだろう?

 急いで外に逃げて、ギルドの連中と協力してアンデッドを退けてくれ。

 こいつは多分、結構ヤバいから足止めしないと」

「駄目だよ! 勝てっこないよ! お姉ちゃんが強くても! 吸血鬼って!」

「……マリスさん!」

「あ! 何するのレベッカ! 離して! 離してよ!」

「セイナさんは私達の事を思って」

「知らないもん! わ、私は! 私は私よりもお姉ちゃんの方が大事なんだから!

 に、逃げるなら私を置いていって! 私はお姉ちゃんを!」

「きっとセイナさんも…マリスさんの事が自分より大事ですよ」

「……あ…ぅ……で、でも! お、お姉ちゃーん!」


さーて、部屋の扉の扉を閉めてっと。


「さぁ、やろうぜ吸血鬼」

「ん…でもその前に、ボタン、止めたら?」

「ん? あ、こりゃ失礼」


し、締まらないなぁ、まぁいいや、その方が俺っぽいし。

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