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スキルのちょっとした解説

結局スキルは何も買えなかったな。

結構高いし、中々に購入というのも一苦労だ。


「だがしかし、ただの剣術とかそう言うのが

 まさか1000ゴールドってのは高すぎる気がするな」

「まぁ、そう言う初期スキルは出来れば自力で覚えて欲しいという

 願いもありますので、あの値段なんですよ」

「ちょっと鍛えたら手に入るのか? あれ」

「まぁそうですね、あまり苦労すること無く取得できます。

 基本スキルというのは大体ね」

「じゃあ、ユニークスキルは?」

「ユニークスキルはその名の通り、本来独特なスキルです。

 唯一性、種族性、才覚性、職業性等の4つに分類できますね。

 唯一性というのは、唯一無二、その人間だけが使えるスキル。

 種族性はその名の通り、その種族しか扱えないスキル。

 才覚性は才能で使える使えないが決るスキルですかね。

 職業性はその職業をこなしていると取得できる事があるスキルです。

 ユニークスキルの中で最もユニークでは無いスキルと言えましょう。

 職業スキルと分けても良い気がしますが、面倒なのでユニークで統一してます。

 リミットブレイクはこの中では唯一性に分類されます。

 本来は1人の人間のみが使える特異スキルとなっています」

「それを僅か1万ゴールドで購入って…」

「安いでしょ? あぁ、そうそう、あなたが持って居るという設定の

 購買スキルも当然、唯一性の物です、私はこの世界に私だけですので」

「ふーん…じゃあ、種族性は?」

「えっとですね、まだピックアップに出しては居ませんが

 ワービーストというスキルが、ワーウルフの種族性のユニークスキルです」

「ワービースト? なんだそれ」


と言うか、それなら種族全体をワービーストという名称にすれば良いのに

ワーウルフとワービーストって、何か紛らわしいと思う。

しかし、何だか何処かで聞いたような気がする…何処だったっけ。

うぅ、色々と驚愕的な事が多くあったせいで思い出せない…

でもま、思い出せないって事は案外重要でも無い事か。


「ワーウルフの中で才覚ある極一部のワーウルフが取得できるスキルです。

 非常に大きな力を発揮できますが、反動も大きく多用は出来ません」

「ふーん、どんな感じなんだ?」

「最後の切り札的な感じなので、寿命も削れますし

 発動後、1日は間違いなく動けなくなる代物です」

「反動でかすぎる!」

「その代わり、効果は化け物なので丁度良いかと。

 とは言え10万ゴールドですから、細かい説明は購入時に」


しかしながら、何だか超格好いいスキルじゃ無いか!

身を犠牲にして爆発的な力を得る捨て身の攻撃とか超格好いい!

だがしかし、反動も大きいと言うし、それを自分がするというのは

何だかかなり恐い感覚の方が強い気がするが。

いやだってさ、見る分には良いよ、そう言う捨て身の技。

何か身を挺して仲間を救おうとする感じで格好いいし

反動とか気にも留めないで当たり前の様に発動する様は

実に素晴らしく、憧れさえ抱く状況でもある。

だがしかし、実際に捨て身の技を自らが使うとなると

どうも勇気というか、何かを天秤に掛けてしまう。

そう言う過程無しで、一切の躊躇いも無く捨て身の技を発動できるのは

きっと、生まれ持っての勇者位なんじゃ無いかな。

後、アニメの世界だし、格好いい自己犠牲の精神を強調したり。

それに、やはりアニメの世界だとその後を書かないことが多いから

反動? 知らんなぁ、みたいな感じになるしな。

結構ある反動の1例に寿命があるけど、その寿命が

実際どれ程削れ、その後の生活にどんな支障があるかは不明だし

主人公がどれだけ生きる事が出来たかも不明だったり。

大体主人公とか敵対組織多いだろうし、どっちにしても

天寿全うできない気もするし、反動の関係があまりなさげ。

しかし、リアルな生活をする自分であれば話は別で

自己犠牲の後に必ず大きな対価を払わないといけないわけで。

仮にそんなスキルを手に入れたとしても、使えないだろうなぁ。


「……いや待て!」


冷静に考えるのだ俺! 俺はそもそも何の為にここにいるのかを!

うん、女神に連れられ、借金を返済するためにこの場にいるのだ!

借金を返済してしまえば、この世界ともこの身体ともおさらば!

この身体が元の身体に戻ると言う事は、仮に反動が寿命だったとしても

実際の俺には一切関係ないのでは!?

それならば! 気分的な高揚感やTRPGみたく

実際にRPGの主人公になった気分で使えるのでは!

ふふ、それならば買わねばなるまい!

でも、その前にリミットブレイクを買わないといけないか。

最後の切り札みたいな感じで使いたいしな。


「色々と何かを考えるのもいいですが、そんな軽いノリでいいのですか?」

「ん? あ、これも聞えてたの? まぁいいや、やましいことでも無いし」

「まぁ、あなたの予想通りワービーストの反動は寿命もあります」

「やっぱり寿命だろうな…ん? もってどう言うこと? 他にもあるの?」

「ありますよ、発動するタイミングでもその反動を味わえます。

 でも、そう言うのはやはり購入時に話をしましょう」

「むー、気になるな…」

「説明を聞きたければ買えば良いのですよ、時間は掛るでしょうがね。

 ただ買わずに自力でその才能を開花させる方法もありますよ」

「どう言うことだ? 買わないで手に入るの?」

「えぇ、ワービーストは種族性であり、才覚性のユニークスキルです。

 ワーウルフの極一部が取得可能なスキルで

 ワーウルフ全体が使えるわけではありません。

 と言うか、ワーウルフ全体が使えるスキルであればですよ。

 この世界でワーウルフに敵う種族は居ないと断言しましょう」

「え? そんなに強いの?」

「えぇ、強いです、そこら辺も購入時に解説しますのでお預けですが」

「ケチー!」

「楽しみというのは最後までとっておく物ですよ」

「分かるけどさ、じゃあせめて、なんで取得できる前提なのかを」

「えぇ、それは良いですよ、はっきり言うとあなた達一家は

 その才能があるのですよ」


そう言う設定だと言う事か、やっぱり俺は一応主人公的なあれみたいだし

その一家にその才能があっても不思議は無いと言う事なのか。


「へぇ、凄く単純な回答だな」

「この世界に単純では無い回答は殆どありません。

 複雑な回答というのは、回答では無く質問に近いのです。

 回答というのはいつも至極単純な物なのですよ」

「いやいや、哲学とか天文学とか、そう言うのでは複雑だぜ?」

「それは答えが無いから複雑にしはぐらかすことしか出来ないだけです」


そうなのだろうか、一言で表わすことが出来ないのでは?

と思ったが、そうかそうか、本当に全部知っているというなら

その本質を言うだけで良いのか。

全部分かってないから難しく複雑な回答になってしまうと。


「例えばこの世界は何かと問われたら

 私の場合はリョナ系エロRPGの世界と答えました。

 これと同じ質問をこの世界の学者に伝えた場合は

 きっと難しく複雑な回答を用意するでしょう、もしくは答えられない。

 私は世界の創造主だから分かりますが、知らない人は知らない。

 哲学も天文学も同じ事です、本質なんて、案外どうでも良いものなんですよ」


だから、複雑な回答はそいつ自身も本質を知らないからと言う事か。

難しい事を言うな、この女神…いや、女神だからかな。


「まぁ、最初にその質問をしたのは俺なんだけど

 正直、難しくてよく分からなかった」

「まぁ、神としての常識を人に伝えても分かりにくいかもですね」

「あぁ…しかしながら、まさかあんな軽い質問が

 唐突にここまでクソ深い回答に繋がるとは思わなかったよ」

「話の飛躍というのは凄まじいですからね」

「いや女神様、あなたが勝手に飛躍させただけだ」

「まぁ、常識外れの存在から常識的な回答が帰ってくるはずありませんよ」


それでもいきなりあの規模に話が展開するのはおかしいと思う。


「お、お姉…ちゃん…!」

「おっと、これは不味い」


マリスの辛そうな声が聞えてきて、ルアは姿を蝶に戻した。


「どうしたんだ? 随分と辛そうだけど」


少々遠い場所で、マリスがフラフラと歩いているのが見えた。


「お、重いの…た、助けて…」

「重いって」


少し呆れながら扉を開け、マリスの姿が見えた場所へ移動する。


「ず、随分と沢山買ったな…」

「きょ、今日はお祝いしようかなって…か、買いすぎた…よ」

「はいはい、持ってあげるから、てか良くここまで帰ってこれたな」

「さ、坂道の前まではいけたんだけど…そこからキツくて」

「坂道はカートか何かに乗せてきたのか?」

「うん」


まぁ、そう言うのあるよねスーパーとかでも、あまり行かないけどさ。

とりあえず、俺はマリスが持つ大きな買い物袋を代わりに持った。

ちょっと重たいけど、さほど重いとは思えない。

これが格闘(特大)の恩恵なのだろう。


「やっぱりお姉ちゃん力持ちだね」

「ふふん、もっとお兄ちゃんに頼るがいいぞ」

「…? お兄ちゃん?」

「いや、お姉ちゃんだ!」

「あはは! 喋り方男の子っぽいもんね!

 もしかしてお姉ちゃん、生えてるの?」

「…!」


そうかも! 生えてるのかも知れない! だから、急いでトイレで確認だ!


(生えてませんから)

(いやでも! 急いでおトイレで確認せねばなるまい!)

(…確認したいの、そこでは無く入り口でしょう?)

(違うな、出口だ! この身体の入り口兼出口だ!)

(はっきり言いますけど、私、監視してるんですよ?)

(く!)


やはり、やはり女神の監視というのは非常に驚異的!

こ、このままでは! この身体に変化したメリットが無い!

俺の濃厚性活が!


(私が監視していないとしても、あなたの家には妹さんも居ます。

 部屋はいくつかありますが、寝室は共同ですし

 リビングも共同、キッチンからリビングを見る事も出来ます。

 そんな妹さんがいつ見ているか分からない環境で

 あなたはそんな事をするのですか? 

 はっきり言いますけど、妹さんも部屋をノックしませんよ。

 あなたもしないでしょうし、そりゃあ、全て共同ですしね)

(まさか、監視の目は2つも!)

(そうなります)


く…な、なんて事だ! だが! 2箇所ほど安置がある!

それはトイレと風呂だ! トイレは鍵を掛ければ密室空間!

風呂は1人で入ってる間は自由に行動出来るのだ!


(注意しておきますが、お風呂は一緒に入ってますよ? あなたと妹さん)

(な、何!?)

(妹さんは甘えん坊さんですよ?)

(くは!)


馬鹿な! つまり、マリスと裸のお付きだとぅ!

な、なんて言う理想郷! ヘブンだ! でも、い、妹だし。


「どうしたの? お姉ちゃん」


え、笑顔が眩しい…何かマリスは邪な気持ちで見ては駄目な気がする。


「いや、何でも無いんだ…ふ、可愛いな、我が妹よ」

「へ!? あ、あ、え、あ、その…あ、ありがとう…

 でも、お姉ちゃんのほうが可愛いよ、格好いいし」

「く!」


は、鼻血がでそうになった…なんて可愛い天使だ。

見れない、もう俺にはマリスを邪な気持ちで見られない!


(妹さん効果は抜群みたいですね、まだ2日目なのに)

(いやだって可愛いもん…ん? もうこっちに来て2日目?)

(はい、そうなりますね)

(待て、俺はまだトイレにすら行ってないが…風呂も)

(あまり排泄は必要無いのでしょう、お風呂はすぐに寝たからですね)

「…トイレ行きたい!」

「え!? いきなりどうしたの!?」

「い、急いでトイレ行ってくる! 何かもう漏れそう!」

「え!? お姉ちゃん! 待ってぇ!」


何か自覚したら一気にトイレに行きたくなった! 漏れるぅ!


「と、とりあえず買い物袋をそっと置いて…トイレ!」


よし、トイレについて、小便を…!? そうだ! 今は女!

あ、危うくいつもの感覚で立ちションするところだった!

な、何とか土壇場で気付いて良かったぜ…


「はふぅ……」

「自覚したら一気にって奴ですね」

「滅茶苦茶でるぅ……」

「2日分ですしね」

「……所で、女は小便した後拭くんだっけ」

「はい、そうです、大きい方をした時と同じ感じで

 と言っても、強さは優しくです、デリケートな所なので」

「股間でいいじゃん、デリケートゾーンとかいいから股間でいいじゃん。

 野郎のCMだと、夏は股間が痒くなる~、だろう?

 何で女の場合はデリケートゾーンなの? 股間でいいじゃん」

「いきなりぶっ飛んだことを言いますね、まぁほら、はっきり言います

 CMの解説をしている人が女の人だからです、女の人がCMで

 股間とか言ってたら可哀想でしょうが!」

「なんで怒るの!?」

「気分的に」


そう言うあなたは平然と股間と言ってるんですが…とか思った。

…これ、聞かれてるんだろうか、悪口判定なんだろうか。


「まぁ、とにかく仕方ないのですよ、うん」


…聞えてなかったようだ、とりあえずこっちに来ての

最初のトイレは何とかなった…あ、むふふ、柔らかい。


「興奮するな!」

「痛ぁ!」

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