【メタバース】へDIVE
2039年人類は死滅の危機を迎えている
世界の富豪達は来たるべき未来に向けて動き出していた
火星に移住する計画をする者
月への移住を目指す者
仮想空間の開発を目指す者
数式の魔術師ラマヌジャンの血をひく【唯人】はクライアントからの依頼で【メタバース】を創り上げた
今夜、1人の少女が人類の期待を背負い【メタバース】へDIVEする
西暦2039年日本
私は閉鎖された東京タワーに居た
私の名は【唯人・ラマヌジャン】
今から約150年前にインドで生まれ「数学の魔術師」と呼ばれた天才を祖先に持つハーフだ
母は日本人でありインド工科大学に留学中に父と出会い、この国で私を産み育て…死んでいる
血は争えないのか、私も母と同じ大学を卒業
そして日本のIT企業に就職した
その会社で様々なプログラムを開発し、その功績が認められ開発部総主任となって長い年月が過ぎ、年齢は68歳になっていた
「マスター、今日も御機嫌麗しく御健康でなによりです」
この硬っ苦しい話し方をする秘書は「EVE」
彼女は私の最高傑作だ
見た目は生身の人間と区別はつかない
何気ない動作も人間の動作パターンを、数千通りインストールしたので、知らない者は彼女を人間と見てしまうだろう
「EVEよ、お前にこんな質問をしてすまないが…私が今開発しているプログラム
あれは本当に人類の為に良い物だろうか?」
「マスターが言われているのは、【MOON SHOT DIVE】の事ですね?
我々AIが考える良い未来と、マスター達人間の考える良い未来とは差異がありますので、私からは断言しかねます」
立場が違えば考え方も変わる
人間の私から見る良い未来の地球と、EVE達AIから見る物では違うのだろう
私はEVEに人類抹殺は絶対否定するプログラムをインストールしてある為、彼女が暴走する可能性は低いと信じている
あくまで私の予測する範囲内での話になるが…
彼女には10年前に【ディープ ラーニング】をインストールしてある
つまりは情報蓄積機能だ
星の数程の選択肢を持ち得れば、人類とAIが良い関係になれると信じて与えた
もしかすると、私の予想外の反乱を起こす危険性も有るのだが…
今のところは私の最高のパートナーである
「マスター来客です
【心理の目】代表のシヴァ様です、お通ししますか?」
「通してくれ」
私が所属する会社はここ東京タワーにある訳ではない
私はある研究の為に、閉鎖された東京タワーを借りているのだ
わざわざ、そんな所にまで来訪してくる男
「シヴァ」は私個人のクライアントだ
まもなく展望台の真上にある私の研究室に、シヴァは入ってきた
「久しぶりだなMr.唯人
例のプログラムは完成しそうか?」
40代半ばのインド人シヴァは、来日するなり早々に例の話を始めた
「あぁ、99.9%完成している
後はデバッグと試運転を済ませれば完成と言えるだろう」
「流石は【ラマヌジャンの再来】と言われる唯人博士、1つのコンピュータ内にメタバースを作り上げるなんて、まさに天才だ!
まさに数式の魔術師だ!」
デバッグはEVEがしてくれている
とは言え、創り上げた【メタバース】は北海道の面積に匹敵している為、莫大なdata量だ
私の最高傑作の彼女でも、デバッグと再構築に長い月日を掛けている
「さて唯人博士、今日はその試運転
メタバースへのDIVEが出来るのだろう?」
「そうだ!私とEVEがdiverをサポートする
もしかして、その娘が被験者なのか?」
身長190cmのシヴァの背後に隠れる様に立っている少女が居る
おそらく、その娘もインド人だろう
「初めまして、パールヴァティーです
今日は、よろしくお願いします」
身長140cm程の少女は会釈をした
やや緊張しているようだ、無理も無い
地球の全人類を仮想空間に住まわせるプログラムへの、人類初のdiverになるのだから
「かなり日本語が上手いな
MOON SHOT DIVEの説明は終わっているのか?」
「勿論だよ唯人博士、彼女はこの3年間、その為だけの学習を積ませ、キミとのコミニュケーションの為だけに日本語を教えていたんだ」
「そうか、EVE…DIVEの準備を始めてくれ」
「了解です、マスター」
EVEはメインコンピュータを起動させた
私はパールヴァティーを個室型シュミレーターへ案内した
服を脱がせてからシートに座らせ、可視化ゴーグルを装着した
シートは着席者を認識し、個人データを読み取り【メタバース】内に彼女を再構築する働きをする
個室型なのはdiverを半コールドスリープ状態にして、仮死状態を維持する為だ
DIVEが始まると個室内には、被験者の生命維持に必要な水分と栄養を含んだミネラルミストが充満する
ソレを肌から浸透させる為に、diverは全裸でDIVEする必要がある
「マスター、DIVE開始のカウントダウンを始めます。強制中止はカウントが10を刻むまでがリミットです。60…59…58…57…56…」
シヴァは唯人の反対側のガラス面からパールヴァティーに声を掛けた
「娘よ、お前は人類の進化の始まりを刻むのだ。その栄誉は父の誇りだ…良い旅を!」
「Bis dann, Dad.」
(行ってきます、パパ)
パールヴァティーは新しい人類の新天地を切り開く為、【メタバース ガイア】へとDIVEして行った
【ようこそ、幼い嫁候補たち】
では、微エロハーレムファンタジーを連載中です
こちらの作品では方向性をガラッと変えて、近未来SFファンタジーをお送りします
更新頻度は週一くらいになるかと思います
総合評価が高いなら、こちらの優先度をあげるかも知れません
どうか、宜しくお願いします
次回は12月11日19時予約済みです




