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22話 中級ダンジョン③ 5階層ボス戦

俺達は5階層の階層ボスがいるであろう、砦の前に着いた。

砦は大きく、その周りには塀が砦を囲んでいる。砦の正面から塀門を通り過ぎ、砦の中に進んだ。


砦の扉を開けて中へと入る。中は広い空間が広がっており、壁には松明の火があり、とても明るい。

俺達はそのまま中へと向かった。その時砦の入口扉が閉まり、奥から転移陣が現れた。


そこから出てきたのはかなり大きい魔物だった。

俺は鑑定をかける


・キラータイガー Lv.26

体力 :150/150

力 : 100

速さ : 150

スキル

・爪攻撃 Lv.5

・スピードバイト Lv.5

・上回避 Lv.3 (上級)


・爪攻撃

爪で相手を攻撃する。

爪で攻撃した場合に1.5倍のダメージを与える。常時発動


・スピードバイト

凄まじいスピードで相手に噛み付く。

速さが2倍となる。

1度使うと6秒間使用不可


・上回避

上級スキル。回避不能の攻撃を回避出来るようになる。成功率は2割


俺はまずバリアーを全員にかけた。

その後相手のスキルを説明していると、


キラータイガーが前で牽制していたルビィの横を凄まじいスピードで駆け抜け、リンに噛みつこうとした。


「し、しまった!!」

「え!?」


ルビィが慌てて相手を追うが相手の方が速い。リンはアイスニードルを出そうと唱えていたが、目の前に現れた相手に驚き、詠唱を途中で止めてしまった。


相手が口を開き、リンに噛みつこうとした時、横から凄まじい速さで相手の顔に殴りつけるものがいた。


「これ!リン!油断するでないのじゃ!」

フェンリルは小さい状態で、タイガーを殴りつけていた。


「フェンリル様!あ、ありがとうございます。」


「余所見するでない!ホレ、相手は立ってくるぞ。手加減しておいたからのう。」


フェンリルに吹っ飛ばされたタイガーだが、ゆっくりと立ち上がった。


そこにルビィが双烈風斬を放つ、しかしタイガーはそれを見極め躱した。

かわしたタイガーにリンがフローズンミストを打ち込んた。


しかし、フローズンミストは相手に何も与えず、タイガーは向かってきたルビィに攻撃を仕掛ける。


「え!?うそ!?」

リンはフローズンミストで相手を止められると思っていたようだが、効果がなかったので、驚いていた。


『相手のスキルだ』

俺はリンに声をかけ、リンにアイスニードルを出させる。

上回避の成功率は2割だか、まさかこのタイミングで成功するとは。

俺は最近上がってきてはいるが、リンの運の低さも関係してるのかな、と思いつつ、相手を見る


俺はまだ手を出す予定はないので、指示だけ出そうとルビィを見ると、ルビィは風神雷神スキルを使い、右の剣に風を、左の剣に雷を宿し、タイガーに攻撃仕掛けた。


風を纏った剣は速さと切れ味が増すようで、素晴らしい速さで相手を切り裂いていた。

雷を纏った剣は、相手に当たると追加でダメージを与え、相手の動きを少しの間止める効果があるようだ。


5秒間の猛攻を仕掛け、終わった後にルビィは相手との距離を取る。

相手は全身に切り傷があり、かなりのダメージを受けてるようだ。


『今だ、りん!!』

「はい!!」


リンはアイスニードルを相手に放つ。

リンの頭上から5本の氷柱が相手に飛んでいく。氷柱の大きさも以前より一回り大きくなっている。


相手は目で氷柱を捉えてはいるが、ルビィの攻撃で少し動けなくなっているようだ。


氷柱が相手に突き刺さり、4本が相手に深々と刺さっていた。

この状態でも上回避は発動したようで、1本は相手の後ろで地面にぶつかっていた。


「これで、トドメだー!!」

ルビィは大きく飛び上がり、相手の首を切り落とした。二刀両断だ。


「「ハア、ハア、ハア・・・」」

ルビィとリンは肩で息をしている。


『2人共お疲れさん。』


そう言って俺はバックからタオルを取り出し、2人に渡す。その後に敵の魔石を拾い、2人に声をかける。


『さて、今回の戦闘だが、60点だ。

合格点は与えられないな。どこが悪かったか分かるか?』


俺は2人の顔を見る。

2人共バツが悪そうな顔をして、


「私の牽制がしっかりと出来ていなかった点と相手の攻撃を止める事が出来なかった点かな。」

ルビィはそう答える


「わ、私は驚いて詠唱を止めてしまった事でしょうか?」


『フェンリルはどう思う?』


俺は足で顔をかいているフェンリルにも聞いた。

「ふむ、アラシ殿、答えていいですかのう。

まず、アラシ殿が相手の情報を与えている時に、ルビィは牽制といってもただ相手の前で剣を構えているだけ、これではなんの牽制にもなっておらんのですじゃ。あとは立ち位置、アラシ殿は守らんでも大丈夫じゃし、リンと相手の間に入る事が大切ですじゃ。」


俺はフェンリルが言った事をルビィに伝える。

ルビィはハッとなって考えているようだ。


「次にリン」

「は、はい!フェンリル様」


「お主はアイスニードルを詠唱しておったが、相手が攻撃していた時に詠唱を止めてしまったのう。だがあのタイミングではアイスニードルは唱えたとしても間に合わなかったのじゃ、だから詠唱を止めたのは正解じゃ。しかしその後に動きを止めてしまった事がダメじゃのう。回避も相手のスピードでは無理、魔法も間に合わん、防御も無理じゃろう、なら銀狐拳で攻撃するのが良かったのう。手に付けてるそれは飾りかのう?」


そう言われたリンは自分の手に付けているメリケンサックを見つめた。


「そもそも最初に詠唱している時点でアラシ殿の相手の情報が聞けておらんじゃろ?そもそも何故、アラシ殿の前にでておるのじゃ?」


「ううぅぅ、ごめんなさい。」


「まぁ、良い。これからは相手の情報を聞くまでは、魔法も使わずアラシ殿の少し後ろにいる事じゃのう。ハッキリ言って相手の情報が分かるのは、とても有利になるしのう。その後から作戦を考えても十分間に合うのじゃ。」


「わ、わかりました!今後はそうします。」


「アラシ殿も人が悪いのじゃ、こうなる事が分かっておってやっておるからのう」


「え?」


『なんだ、分かってたのか。ここまでの戦闘でリンは前に出ることが多くなってきたし、油断してたんだろうな、しかしボスは優しいもんじゃない。まぁ、身にもって体験すれば良い教訓になるだろう』


リンはルビィにフェンリルの言った事を伝えていた。


「アラシ、私ももっと考えて戦闘するね。

だけど私は牽制するにしてもどうすれば良いかな?いきなりスキルを打ち込んだ方が良いのかな?」


『そうだな、敵にもカウンタースキル等持っていないとも限らんし、何時でも出せる準備をしながら警戒するのが今はベストだろう。』


俺達は今後の戦闘の為に色々話した。

今回のボス戦は良い教訓になった。

まぁ、狙い通りっちゃあ狙い通りなんだが。


『さて、今後の戦闘について決まった所で先に進むか』


そう言って俺は奥に進む。奥には扉があり、扉を開けて更に奥へ進む。


扉の先は左側に転移陣が、右側には宝箱が中央の通路の先には階段がある。

この辺は初級ダンジョンと一緒のようだ。


俺は宝箱へ進み、鑑定をかける。

罠はないので、宝箱を開ける。


宝箱の中には腕輪が4つ入っていた。


鑑定をかけて腕輪を調べる。


・念話の腕輪 (上級上位)

声に出さずに、伝えたい事が腕輪をしている者同士に伝える事の出来る腕輪。

腕輪をしている全員に同時に伝えられるし、個人を指定して、伝える事も可能。

リーダーを指定し、その者の言語能力が腕にに反映される

伝えられる範囲は半径100メートル


『うおっ!?』

俺は思わず声を出してしまった。


「アラシどうしたの?この腕輪何かあったの?呪われてるの??」


『いや、凄い腕輪だぞ、コレ!』


そう言って俺は腕輪を説明して、みんなに渡す。腕輪は付けるとサイズが変わり、ちょうど良い感じに腕に収まった。

フェンリルも付けている


リーダーを俺に設定し、試しに使ってみる


《みんな、聞こえるか??》


(アラシー、聞こえるよー。)

(ご主人様、聞こえます!何か凄く変な感じがしますね!)

(うむ、聞こえますじゃ、アラシ殿)


(フェンちゃんってそんな喋り方だったんだねー、やっと喋る事が出来たよー。私だけ話が出来なくて寂しかったもん。これでお喋りできるねー。よろしくね、フェンちゃん)


(ルビィさん!フェンリル様をフェンちゃんなんて!?ダメですよ!)


(うむ、ワシは特に気にしておらんのじゃ、好きに呼ぶが良い)


(うわーい、やったー!フェンちゃん、カワイイー!!)


そう言ってルビィはフェンリルを抱き上げ、モフモフする。

フェンリルもモフモフされるのが嫌じゃないらしく、目を瞑って気持ち良さそうにしてる。これは嫌いじゃなくて好きだな。

俺も寝る時に存分にモフってやろうと心に決めた


「な、なら、私もフェ、フェンちゃん様って呼ぼうかな・・・」


おい、リンよ。心の声が普通に声に出とるよ?


素晴らしいアイテムをゲットした俺達は1度転移陣を登録する為に、転移陣で1階層に出た。兵士が寄ってきたがすぐに次の階層に進む事を伝え、再び転移陣で5階層へ。


5階層の階層ボスの扉は閉まっており、開けようとしても開かなかった。まだ時間がかかるようだ。色々と検証したい事もあったのだが、とりあえず下の階に進む事にした。


今回の階層ボス戦では、俺がレベル1つ、ルビィが2つ、リンが3つ上がっていた。






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