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038 新型の補給艦について

【ダケタ王国 王宮 国王執務室】


 ロアは挨拶が終わった後、早速本題へ「陛下にお願いがあります。 今度の敵との戦いにおいて、敵勢力宙域への強行偵察の許可を頂きたいのです。」

 「そうだな・・・ 場合によっては許可しても良いが、目的は何だ?」

 「第21艦隊の戦場跡に行って、少しでも不明者の捜索をしたいのです。 あそこは、敵の制宙権となったため、十分な捜索が出来ませんでした。 


 今ならまだ、脱出ポットのコールドスリープが作動しているはずです。 1人でも2人でも生きているのなら助けたいのです。」


 「ふむ・・・ それならば許可を出すが、大丈夫か? 過去の事例だと、敵の宙域に入ると何処からとなく敵艦隊が集まって来て、圧倒的な数を前に逃げ帰ってしまっているが。」 陛下が心配するが、

 「大丈夫です。 敵と正面からやり合うつもりはありません。 優速を活かしてかわしますし、無理そうなら直ぐに引き返します。 全力で逃げれは追いつかれる事は無いでしょう。」

 「そうか、無理をしないようにの」


 その後、少し雑談をするとロアは国王の前から退出して行った。



【コスカ海軍基地 合同司令部 会議室】


 そこでは、新型の補給艦(宇宙対応型)について話し合われていた。


「それでは、新型の試作型高性能救難艦をベースとして制御システムのバージョンアップ、胴体部分の延長と推進機関の増設、搭載している『作業型オプション艦』を新開発の『工作型オプション艦』に変更する案を最終決定として、試作補給艦の建造を行います。」


 新型艦についての話し合いが終わって、ふと誰かが・・・

 「しかし、こうなると完全に宇宙船ですな。 海軍の船とは言い難いような・・・」

 「「「!?」」」

 決まったばかりの新型補給艦だが、一から考え直す事に・・・


 最終案として、先程の案に一部修正(モスボール状態の駆潜艇を宇宙船化して中枢ブロックにはめ込む)を加える事で決着した。


 小休止を挿んでロアが、「約4日後に第1特務艦隊の出撃が決まった。 またしばらく留守にするので、後はよろしく頼む。」

 「そうですか・・・ 宇宙軍に合流して、指揮下に入るのですかな?」 幕僚長が聞いてくるので、主戦場には行かずに迂回して、敵支配宙域の強行偵察を行う事をつたえる。 その時、可能であれば第21艦隊の戦場跡に行く事も伝え、会議は終了となった。



【海運都市コスカ 救難艦運用研究所 所長執務室】


 アリスティア王女とロアは、通常業務をこなしていた。


 暫らくして仕事がひと段落ついた所で、「所長、試作救難艦『試-2A~C』ですが、次の第1特務艦隊の出撃は危険なものとなります。 望まれるなら、臨時編成を解いて研究所に戻しますが・・・ いかがいたしましょうか?」


 「危険ですか? ロア様、詳しくお話をお聞かせください。」

 「第1特務艦隊は次の敵艦隊が攻めて来た時を見計らって、戦場を迂回して第21艦隊の戦場跡を含めた敵の制宙域の強行偵察を行います。 基本的には優速を活かして敵を躱すので、それほど危険ではないかもしれませんが・・・」


 アリスティア王女は考えながら、「直接戦闘をする訳でもないし、動き回るなら推進装置の良い耐久試験になりそうですね・・・  試作艦はそのままロア様にお任せしますね。」

 「わかりました。 そのままこちらで運用してデータを取ります。」


 「ところで、今回の出撃に私も同行させて頂けないでしょうか?」

 「 ・・・殿下、無理だって分かっていますよね。 連れて何ていけませんよ!」


 むくれる殿下をなだめる為、色々な交換条件を出されるロアであった・・・


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