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閑話集(王子、国王、タマモ)

 


 最果ての地




 貴族達は八咫烏達の移動速度に付いてこれず、一旦護衛の兵士を雇ってから最果ての地へと進んでいた。

 その馬車の中、数人の者達が話している。


「王子、思いがけぬ幸運でしたな」

「全くだ。

 まさか奴等がドラゴンを討伐して最果ての地を開拓するとは思いも寄らなかった。

 お陰で丸儲けだ」

「ええ、そうですね。

 ミスリルやオリハルコンは貴重ですから一体いくらになるのか、今から笑いが止まりません」

「それに奴等が憎き獣人共から領地を奪い取ってくれる。

 獣共もドラゴンを倒せる奴等には苦戦するだろうよ」

「共倒れになってくれたらありがいたいですな」

「何を言っている。

 転戦してもらって使えるだけ使ってやるに決まっているだろう」

「流石は王子様ですな」

「ふふふ、主もな」


 二人がそんな話をしていると護衛の兵士が慌ててやって来た。


「大変ですっ!!」

「どうした?」

「と、都市がありません!!」

「なんだと!?」

「馬鹿な事を申すな!」

「あちらをご覧下さい!」


 2人は外に出て丘を駆け上る。

 丘の上から遥か先を見ると、潜り込ませた密偵が報告した場所が目に入った。

 そこにはあるはずの物がなく、巨大な湖が出来ていた。

 アルカディアは川の一部を取り込むように作られている為、本体が浮上した後に出来たクレーターに大量の水が流れ込んだのだ。


「なっ、ななななな、なんだこれはっ!!」

「都市はどうした都市は!!」

「どこにもありません……」

「あの湖の中は!」


 丘を駆け下りて湖に近づこうとする2人を急いで兵士が止めようとする。


「危険であります!」

「五月蝿いっ、どけっ!!」


 2人が無視して近づいていくと水中から巨大なアリゲーターのようなモンスターが飛び出して2人に襲いかかる。

 太陽神と守護神であるレンが土地の力を整理し、アルカディアを中心にして循環するようにしていた。

 その為、川から流れ込んで住むようになった生物は土地の力で巨大化し、凶悪な強さになっているのだ。


「ひっ!?」

「き、貴様っ!?

 私は王子だぞ!

 貴様なんぞっ――」


 大口を開けて食らいつこうとした時、湖の中から新たな巨大な影が現れてアリゲーターに噛み付く。

 直ぐにボリボリとおい粗食音が響いてくる。

 その巨大な存在は蛇のような姿をしたドラゴン。

 東洋の龍だ。


「あれ、やっと来たんだ~」


 湖から現れた龍の討伐には一人の幼い少女が座っていた。

 その少女は傭兵団に所属している事を表す制服を着ていた。


「貴様っ、八咫烏の者かっ!」

「そうだよ~。

 貴方達がこれからここを収める人達かな~?」

「そうだ!

 都市と城はどうした!!」

「アレ?

 アレは……っと、忘れないうちに渡しておかないと。

 はい、これ」


 少女はポケットから筒状の物を取り出して王子に渡した。


「なんだこれは……」

「土地の権利書みたいなもの?

 それを渡す為に私達はここで待ちぼうけだったんだよ。

 待ってる間にいっぱい狩ったけどねー」


 龍が主人の言葉に唸る。

 彼女達は流石に引き継ぎくらいはしてやるか、というレンの思惑で潜り込んでいた密偵達と一緒に残されていたのだ。

 もっとも、密偵の者達は報告しようとして逃げ出した。

 それから、彼らの下を訪れていない事からモンスターに美味しく頂かれたのだろう。

 レンは彼らも守らせるつもりだったが、残されたこの子達にしてみればどっか行ったら知らないというスタンスを貫いていた。

 そもそも、残ったのは龍を育てるというのがメインなのだ。


「確かに受け取った!

 それで城はどうしたのだ!

 他の部隊は!」

「アルカディアに乗って皆、レアレスカ国の土地をぶん取りに行ったよー」

「乗って?」

「うん。

 アレって空を飛べるんだよねー。

 流石に驚いちゃったけど」


 ケラケラと笑う少女に王子と取り巻きの男。

 更には兵士達も唖然とする。

 嘘だと言いたいが、実際に都市は存在しないのだ。


「お、お前!

 俺に仕えろ!

 妾にしてやるぞ!」

「嫌だよ。

 私はもう団長の女だしね」

「なんだと!

 俺は王子だぞ!」

「い~や。

 団長の方が素敵で強いし。

 少なくともドラゴンを一人で倒してから言ってよね」

「なっ!?」

「無礼者めっ、手打ちにしてくれる!!」


 王子に対する態度に我慢できなかった取り巻きが指示を出して兵士をけしかける。

 兵士達は嫌々ながら剣に手をかけようとする。


「あれ、やるの?

 やるの?

 やっちゃう?

 殺っちゃっていいんだよね?」


 龍の頭部から背中に魔力で作り出した竜の翼を使って空中に浮かび上がる少女。

 同時に水中からも龍が空へと浮かび上がってその巨体を顕にする。

 その姿を見た瞬間、全員が腰を抜かした。

 それを見て、少女は落胆した。


「つまんなーい。

 これならドラゴンを相手にしたり、ダンジョンで遊んでた方がいいや。

 お仕事も終わったし合流しに行こっと。

 おーい、皆、いっくよー」


 早々に見切りを付けて少女が竜の吐息の要領で叫ぶとその声は最果ての地へと響いていく。

 その声に応えるように数十匹のドラゴンや龍の子供が数人の少女を乗せて集まって来る。

 それらを率いて少女は飛び立っていく。


「あっ、早く逃げた方がいいよ~。

 私達がいなくなったらここもドラゴン達が押し寄せてくるからー」


 それだけ言って龍の頭部に座った少女はレアレスカを向けて出発する。

 みるみるうちに遠ざかっていく彼女達に兵士は直ぐに再起動して号令を出す。


「にっ、逃げろぉおおおおおおおぉぉぉぉっ!!」

「まっ、待てっ、置いていくな!」

「腰が抜けて動けないんだっ!

 起こせぇぇぇっ!!」


 兵士達は彼らを無視して逃げる。

 何故なら、それは直ぐ近くに来ていたからだ。

 領域の支配者がいなくなり、今まで支配者に怯えていた者達が一斉に動き出したのだ。

 ホーリードラゴン達はそれを見ながら収穫の時期を待っている。









 ミクトラン王国王都







 玉座の間を重苦しい雰囲気が包んでいる。

 それは今、行われている報告のせいだ。


「い、以上が報告になります……」

「アイツの行方は」

「不明であります」

「そうか。

 戻ってきた兵士は処理しておけ」

「はっ、はいっ!」


 王は伝令が出て行ってから、改めて周りをみる。

 主だった面々は頭が痛そうにしていた。

 既に産出されるミスリルとオリハルコンの代金を計算して色々と政策に手を打っていたのだ。


「ミスリルとオリハルコンは得られるなくなった。

 奴等が切り取って戻って来るまでは少なくともな」

「戻ってきますかね?」

「さあな。

 少なくとも確率は低いだろう。

 何せ……」

「贋金ですな」


 玉座の間に置かれた円卓。

 その上に置かれたのはレンが作った金貨だ。


「それで、その贋金はどうだ?」

「金が含まれている量などは本物と変わりません。

 鑑定の結果、製作者の名前がでなければこれが偽物とすら判明しませんでした」

「物価の変動を利用した他国による経済攻撃かと考えましたが……」

「意趣返しか。

 やってくれるな」


 数千枚を超えるほど大量に散蒔かれた金貨によって、価格崩壊が起こりそうになった。

 そこで調査した結果、贋金だと判明した。

 事前に警戒して市場を観察していなければわからなかった事だ。


「使われている金の量が同じなら潰してインゴットに変えて損失を埋めろ」

「御意」

「彼らの処遇はどうしますか?」

「指名手配をかけるべきではありませんか?」

「下策だな。

 このまま放置する。

 レアレスカへと向かったのならどちらにしろ動きはあるだろう。

 監視しておけ」

「御意。

 では、次の議題へ……」


 次の議題へと話は移り、軍の強化について話し合って行く。

 レン達に対して王としては正面から当たる気がないのだ。

 そもそも――


(ちっ、こいつらも使えないか。

 相手の実力がわかっていない。

 まあ、神々の戦いに只人が入るのが間違っているのだが。

 他国の事もあるし、アフロディーテー様やアイシアの為に時間稼ぎはしてやるか)

(それでいいわ。

 彼らに任せておきなさい)

(仰せのままに)


 ――王もアフロディーテーの協力者なのだから。

 彼の中では既に王位を譲る相手は決まっている。

 よって、王子がどうなろうがはっきりいってどうでもいいのだ。










 レアレスカ王国は列島諸国と大陸の一部地域による連合国だ。

 列島の中に妖狐族のヤマト、猫族のビャクヤ、鳥族のムツが存在し、大陸に獅子族のライオンズミレニアムが存在する。

 遥か昔には狼族など他の種族も居たのだが、ライオンズミレニアムに滅ぼされたり、疫病で滅んだりしている。

 兎族に関してはエロいという理由で製作者であるアテナが作っていなかった。

 ともあれ、現状は列島も獅子族のライオンズミレニアムによって支配されており、傘下にビャクヤとムツ、ヤマトがいれられている。

 ちなみにビャクヤは既に滅んだ扱いでライオンズミレニアムに接収されている。






 ヤマト国首都、ヤマト情天守閣






 天守閣にある寝室では20歳から25歳くらいの女性が複数の獅子族の男性と共に居た。

 その部屋に居る男女は全員が裸で汗まみれになっていた。

 一人を除いて男性は眠っており、起きている男性が女性と畳の上に引かれた布団の上に共に居る。

 女性の頭部には狐耳があり、尻尾の数は4本。

 綺麗な金色の髪の毛や身体は汚れており、今尚汚されている。

 少しして、その男性も力尽きたのか眠ってしまう。


「おやすみや」


 そう呟いた女性は男性を横に転がして立ち上がる。

 ドロドロとした液体を鬱陶しそうに見た彼女は着替えを持って風呂へと向かう。

 風呂と言っても滝があるだけなのだが、そこに入って身体を一気に洗い流す。


「タマモ様」


 そんなタマモの近くに一人の黒尽くめの女性が現れた。

 レン達転生者が見ればくノ一と答る姿をしていた。


「なんや、報告かえ?」

「はっ。

 カナデ姫がヤマトの地の近くにお戻りになられたようです」

「知っとるよ。

 偉い大物を連れてきはったようや。

 人間どもに大金で売り払った甲斐があったで」


 カナデが人間に捕まった理由は、彼女がカナデの情報を売ったからだ。

 その資金を元手に彼女は獅子族と手を組んでクーデターを起こした。


「よろしかったのですか?

 姫様は……」

「構わへん。

 このまま行けばどうせ獅子族に吸収されて待っているのは全滅や。

 それにうちの占いは外れんし、千里眼で監視はしておった。

 見れへん奴等がおったから、神様に関係してる奴等とは思ってたんやけど……」


 タマモは千里眼によって情報収集の傍ら、常にカナデの事を見ていた。

 自身の占いによって分かっていた事だが、しっかりと見ていたのだ。

 彼女はそもそも1000歳を超えて強力な神通力を得て神格化した狐、天狐になってからも数百年の時を生きている。

 その為、未来予知に近い占いや千里眼といった特殊な力すら手に入れている。


「聖人や聖女とは違ったのですか?」

「ほんまもんの大元を連れてきなすったで、あの娘」

「それはまた……」

「しかもや、しかもやで!」


 無茶苦茶嬉しそうに尻尾をブンブンと振って笑顔になるタマモ。


「お隠れになった我らの主神様やで!」

「っ!?

 それは誠でありますか!」

「数百年の時を超え、ようやく顕現なされたんや!」

「これで積年の怨みが晴らせますね」

「全くや。

 やけど、今回の戦争に出るんはうちだけやで」

「しかし、それは……」

「今は数が足らんし、せっかく主だった面々をうちの仙術で隠して、志願者のみで頑張って貰ったんや。

 これ以上、うちらの無駄な犠牲はいりまへん。

 いるんは、エロ餓鬼どものクソ犬とうちだけや」


 滝から出て用意されていた十二単を身に纏って扇子を持つタマモ。


「やはり姫様と協力なされば……」

「馬鹿いいなはれ。

 小娘のカナデには国を導き支えるだけの神通力が全然あらへん」

「お若いですから……」

「若かろうが、神通力が一定レベルに到達せん限りヤマトの王とは認められへん。

 なら、うちがやるしかないやろ。

 全力で暴れて若いもんに後を任せるだけやさかい、問題あらしまへん」

「試練ですか」

「せや。

 小娘を強制的に叩き上げてヤマトの国首に相応しい実力にしてやるんや。

 その為の生贄はたっぷりと用意して場も整えてやったんや。

 しっかりとうちらの後継者として成長してもらいますで、カナデちゃん」


 妖艶に笑いながらパチンと扇子を閉じるタマモ。


「おんしらも皆に連絡して準備しときなはれ。

 それと窮屈な思いさせてすまんと言っておいてや」

「はっ」


 女性が掻き消えた後、一人で誰も居ない城主の間に移動するタマモ。

 昔ならここに無数の巫女達が控えていたが、城には若い女性や巫女達は居ない。

 居るのは獅子族と年老いた少ない数の女性達のみだ。


「さて、繋げるとしますか」


 城主の席に座り、扇子を宙で振るう。

 直ぐに空間が歪んで向こう側が写り出す。

 そこにはライオンの頭部を持ち、鎧を着た大きな男が座っていた。

 その男こそ、レアレスカ王国の現トップにしてライオンズミレニアムの軍神アレスだ。


『貴様か。

 何用だ』

「何用もくそもあらしまへん。

 こっちに外部からミクトラン王国の別働隊が向かってきております」

『海を超えたというのか、ありえん』

「ありえへん事こそあらしまへん。

 それにあんさんは知ってはるはずやで。

 あるやろ、クラーケンの生息する海を通らずにこっちに来れる方法が」

『空か。

 しかし、それこそ大量に輸送せねば意味が……待て。

 まさか……』

「数百年前の時代。

 数千年前の遺物を持ち出した者がおったやろ。

 あれと一緒や」

『貴様なら見えているだろう。

 なんだ』


 数百年来の付き合いで千里眼のことを知っているアレスは詰問する。


「遥か彼方より伝えられし天空神の空駆ける古代都市。

 かの有名な鍛冶神キュクロープスの作った雷霆ケラウノス

 それが古代都市の正体や。

 万全やあらへんようやけど、こっちに居る戦力じゃ全然足りまへんな」


 天空神の分霊であるゼウスが作り出した天空城、雷霆ケラウノス

 それこそがベアトリーチェ達が錬金術、鍛冶、製鉄、魔導、魔法技術を神級にした時に得た知識を元に作成されたアルカディアの正体。

 正真正銘の神器であり、同じ最高神であるアマテラスだからこそ扱える一級品となっている。

 流石に人の身で作られた為に多少は劣化しているが、これから研鑽し、改造されればわからない。

 どちらにしろ、驚異にしかならないアーティファクトだ。


『ちっ、よりによってあれか。

 しかし、どういうつもりだ。

 なぜもっと早くに知らせなかった』

「そら、うちも含めて餓鬼共に犯されとったさかい。

 お陰で千里眼で見る暇もあらへんし、何よりサポートの巫女達も孕まされたら動けまへんわ。

 孕んどるからまともに戦えるんはうちくらいやで?」

『あの馬鹿共め……いいだろう。

 ムツの連中と急ぎ援軍を送る。

 俺も本隊を準備する』


 流石のやばさにアレス自身も現在の戦線を放棄してこちらに来ようとする。


「それは要りまへん。

 兵力さえあればうちならどうにかできます」

『何?

 あれが動いているなら主神クラスの神が居るはずだぞ』

「あんさん、うちを舐めてますん?

 魑魅魍魎の主たるうちを……?

 ましてや大昔とは違い、自力で神格を得たうちをそこらの聖人や聖女ごときと一緒にしとるんなら、呪殺すんぞゴラァっ」


 髪の毛が浮き上がり、突風が吹き荒れ、置かれた物が破裂していく。

 解放された神力は凄まじく、遥か遠方でもわかる程だ。

 そもそもこのタマモは天狐であるが、既に神通力を自在に操れる3000年近い時を生きた大神狐、空狐に近い存在だ。

 それを証明するように力の解放と同時に尻尾が減って1本だけになっている。

 そもそもこの国をアマテラスがやられてからの数百年間、当主の裏で密かに守り通して来たのはタマモだ。

 彼女が居なければ等に国は吸収され、領地はなくなり消滅していただろう。


『わかったから落ち着け。

 無駄にお前とやり合う気はない。

 戦力さえ居ればいいんだな』

「せや。

 万単位で貸してくれはる?

 うちも全力で滅ぼしにかかるさかい。

 あんなもん出されたらやるしかないで」

『いいだろう。

 特務師団と近衛師団で編成した軍を送る。

 合わせて6万5千だ』

「おおきに。

 ムツにも要請を出しますで」

『許可する。

 空戦がメインになるだろうしな』

「馬鹿言っちゃいけませんで。

 あんなイカレタ遺物相手に空戦を挑むとか無防な事はしまへん。

 まず、あのデカ物には地上に這いつくばって貰います。

 うちの前で頭が高いんや」


 雷霆ケラウノス相手に空戦を挑む事は鳥がドラゴンに挑む事に等しい。

 少なくとも猛威を振るった時、ワイバーンなどで構成されたドラゴンライダーの軍団を文字通り薙ぎ払った。

 地上に向けても多数の雷撃を地上に居る敵味方関係なく放って倒していた。

 当時は苦労して戦いながら研究されて落とされたので攻略法も判明している。

 それすらかなり難しいのだが。


『好きにしろ。

 勝てれば構わん。

 では、俺は戦場に出る。

 前線からも多少は引き抜くのだ。

 この期に攻めてくるかもしれんからな』

「了解や。

 ほな、あとは任せとき。

 封印も解くさかい、うちが勝つ」

『期待している』


 通信が切れ、荒らされたような部屋の中で上座に座っているタマモはニヤニヤと笑いながら掌を突き出す。


「そうや、うちが勝つんや。

 うちの一人勝ちや。

 どいつもこいつもうちらの手の掌で踊って貰うで」

 なあ、アステル様」


 開いていた掌を握り締め、堂々と立ち上がる。

 対戦の準備を行う為に移動するのだ。


「さあ、行くで皆の者。

 若い世代の見極めや。

 存分に暴れてええで。

 久しぶりの百鬼夜行や」


 タマモが歩くとその背後にいつの間にか付き従う存在が居た。

 その数は12人。

 そのどれもが聖人や聖女クラスの闘気を放っている。

 奇しくも、タマモはアイシアと似ていた。

 そう、式神や使役した妖怪を使った一人による軍隊だ。

 妖狐の数さえいれば、獅子族にここまで押される事はなかったし、一人でも有象無象などどうとでもできた。

 だが、タマモより強い軍神アレスとその聖人、聖女を相手にするには数も戦力も圧倒的に足りなかった。


「さあ、血で大地を真っ赤に染める楽しい戦いをはじめしょか。

 全ては我が神と我が子らの為に」


 待ちに待った時が訪れた事にタマモは笑いが止まらなかった。

 神々の大戦から数百年の研鑽を詰んだタマモの時は微かな時間、再び動き出した。







タマモさんが堕姫だと思った?

残念、結構いい人でしたー(ぐべらぁっ

大真面目にこれは予定通りです。


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