発明家の叔父、来たる
翌日、我が家の前に豪華な馬車が止まった。
「やぁやぁ、元気そうだね」
「叔父様、お久しぶりです」
「義兄上、お元気そうでなによりです」
「お兄様、スコーンを用意しておりますわ」
家族揃って玄関でお出迎えしたのはお母様のお兄様のアーネスト・コーディアル侯爵。
そう、実はお母様、侯爵家の出なのだ。
しかも、お父様とは貴族には珍しい家柄とか関係無い恋愛結婚。
男爵家と侯爵家、格差があるんだけど両家とも仲が良い、これも貴族の中では珍しい。
まぁ、両家とも権力とか興味無いのが共通点だ。
「相変わらず仲が良いね。あぁメリーナ、守護獣が充てられたそうだね、おめでとう」
「ありがとうございます」
私はスカートをちょいと摘みカーテシーをした。
「それでメリーナにプレゼントを持ってきたんだ」
そう言ってアーネスト様は大きな袋を渡した。
「義兄上、もしかして新作の魔道具ですか?」
「その通り! メリーナの守護獣がモグラと聞いてね、特注で作ったんだよ」
アーネスト様は魔道具作りの天才で宮廷魔道具士の資格を持っている。
一般的に使える魔道具は勿論、個性的な物も作るのだが、これが意外と評判が良い。
私は早速袋を開けてみた。
「これは……手袋? でも爪がついてますね」
「そう! モグラを参考にして作成したなんでも掘る事が出来る、名付けて『モグラグローブ』! オマケに武器としても使えるから1つで2度おいしいお得感!」
令嬢としてはどうか、と思うけど私としては良いアイテムを手に入れた。
「ていうか、お兄様、メリーナの守護獣をどこで知ったんですか?」
「知り合いの神官から聞き出したんだよ」
……守護獣の情報は保護情報の筈なんですが。




