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十二話 『調合』してみた

「とりあえず報告、報告っと」


 セフトの街に着いた俺は早速横にたっているトーマスに話しかけた。勿論、達成したメインクエストの報告のためだ。


「おお! こんなに倒してくれるとは! 街の者を代表して感謝しよう」


 深々とお辞儀をして感謝の意を示すトーマス。すると、俺の耳にとある音が聞こえた。


 ぐぅぅぅ……


 なんだ? この音は……


 と、俺が疑問に思っていると頭を上げたトーマスが顔を紅潮させている。


「恥ずかしい所をお見せしてしまいました。そろそろお腹が空く時間でして……」


 とトーマスはお腹に手をあてた。どうやら、彼のお腹の音だったようだ。


「気にしないで下さいね! ともかく、ありがとうございました」


 再度頭を下げるトーマス。と、会話はここで終了してしまった。何か頼まれた訳でもない。俺は不思議に思ってクエスト終了したかをメニュー画面を開いて確認すると、メインクエストが切り替わっていた。メインクエストの内容は『トーマスに『から揚げ』を差し入れしろ』とある。


 なんだ、『から揚げ』? そんなのどうやって手に入れるんだ? 雑貨屋では見かけなかったし……あ、もしかしたら……調合か?


『Lunatic brave online』の時でも似たような食べ物関係の回復薬は存在した。あまり、回復効果は高くないお遊びのようなアイテムだ。で、そういうのは調合屋で作ることが出来た。当然素材は必要だが……


 調合屋で作ることが出来るなら、俺も作ることが出来るかもしれない。なんせDEX極だからな! 『Lunatic brave online』の時は、調合屋鍛冶屋で出来ることは、メニュー画面の『生産』から行うことが出来た。確か、成功率は店でやると固定だった。ステータス次第では自分でやった方が成功率は上がる。それになんと言っても無料だ! 確認してみる価値はある!


 と、俺はメニュー画面から『生産』を選択し、その後に『調合』を選ぶ。


『回復薬』『強化薬』等、ずらずらっとジャンルが表示された中に『食べ物』というジャンルがあった! どうやらビンゴっぽいね!

 そしてその『食べ物』を選択すると中に『から揚げ』の表記が! ちなみに必要な素材は……『柔らかい肉……一個』とある。やはり素材が必要なようだ。


 ふむ。『柔らかい肉』とやらはどうやって手に入れるんだろう……何か手がかりは……お、どうやら素材の詳細を調べるとドロップするモンスターが表示されるみたい……どれどれ、って『ラビィ』かよ! ってそうか。メインクエストで『ラビィ』を狩って、その『ラビィ』から手に入る素材で調合を経験させる流れか。チュートリアルの流れだな。『Lunatic brave online』の時も同じような序盤の流れはあったなぁ。はるか昔の話だから朧気でしかないけど。


 で、その『柔らかい肉』とやらは持ってるのか……? お、二スタック弱ある! 『ラビィ』を狩ってる間にだいぶ溜まったみたいだな。 素材も充分にあるなら早速『から揚げ』を作ってみるか……


 そう思った俺は『生産』『調合』『食べ物』『から揚げ』と選択すると成功率は百%と表示されている。さすがDEX極だな! ってチュートリアルで作らされるようなアイテムじゃ、調合屋でも恐らく百%なんだろうけど……

 まあ絶対に成功するんだし、最後に『作成』をタップ。


 そして特に何事もなく『から揚げ』が完成した。俺の初調合は無事に成功だ。

 これを差し入れすればいいのか。簡単なクエストだな。とりあえず、今の素材で『調合』出来るのは『から揚げ』だけみたい。他は選ぶことが出来ず、詳細も確認することは出来ない。必要素材を手に入れるとか、解放条件があるのかもしれない。


「あとはこれを渡してクエスト終了か……あ、そうだ!」


 クエスト達成条件を満たした俺はふと、とあることを一つ思い立ったのだった。

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軟弱王子は前世の力を隠したい~実は世界で唯一の魔法を操り、大軍すらも蹴散らす力を持つが、今世はのんびりと生きたいので喜んで軟弱王子を演じます。でも、なんでこんなに厄介ごとばっかりやってくるんですか?~」という作品の投稿を開始しました。宜しければブックマークと評価をお願い致します。 またこの作品も宜しければブックマークと評価をお願い致します。
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