第四十二話、突然の敵?
「さて、聞かせてもらおうかしら」
冷たい声でアリアは、鎖に捕えられたドミニクに問う。
「クッ!......ワタシを殺すデス」
「そうは、行かないわよ」
ドミニクは殺せと言ってくるが当然殺す訳にはいかないと質問攻めするが情報を吐かない。
「これはもう......拷問するしかないわね…」
そしてアリアがいつから持っていたか気付かなかったが懐からナイフを取り出し、ドミニクの手に向かう。
「さよなら、デス...」
「...毒を飲んだのかしら?無駄だわ!」
ドミニクが意味ありげなことを言ったのでアリアはすぐに、回復属性魔法を掛けようとする....が
「体には毒が無い。ハッタリかしら?」
「...我ガ命は帝王の為ニ...」
パタッq
アリアは首を傾げ、疑問に思った。すると鎖に捕えられているドミニクはそう言い残し、頭を下げた。
「って....死んでる......?...うそ...」
アリアはドミニクの首に手を当て、死んでることを確認する。
「毒でもこんなに早く死ぬのは異常すぎる...呪いの類かしらね...」
アリアは考え込んで死亡した理由を口にする。
「死んでしまいましたね...」
「帝王.....帝国が関係あるのか?....とりあえずミアルに聞いてみないと分からないな。」
「そうわね。」
「もろ、頭から落下したけど大丈夫っちゃろうか...?」
一同が放置され寝っ転がっていたミアルを見る。
「スヤァ....」
「...幸せそうに寝ているっちゃけど」
「寝ているわね...」
「寝てますね…」
「寝てるな...」
一同揃えて、ミアルの寝顔を見てそう言ったのだった。
「それでこれからどうすっと?」
「そうだな...。俺はこっちの騎士団に話をつけてくるから、そっちはミアルを連れ、宿に戻って店主に話をつけてくれ。窓代はこちらが払う。」
「分かったわ。」
「了解」
「うん」
そう言ってグリードは走り去っていった。
「では、やはりここはこの中では力がある私がミアルさんを運ぶべきでしょう。」
「ジトー....」
グリードが立ち去った後、セレシスが名乗りを上げたがアリアがジト目でセレシスを見る。
「なんですか...!?その目は...」
「性犯罪者を見る目よ」
アリアは即答しセレシスを睨み続ける。
「そんな事しませんよ!?法の神ですよ!?」
「性の神じゃなくて?」
「だから違いますよ!私は萌の神ですよ!?」
セレシスは疑惑をかけられて必死に弁明する。
「さっきのセレシスの言葉。変なルビなか?」
「き、気のせいですよ…?」
突然、チカが変な事をいい、セレシスが焦る。
「てかなんでルビが変とか分かるのよ!?とりあえずここは私が運ぶわね」
「うん」
「ふぁい...」
そしてアリアはミアルを背負って宿に戻ったそうだ。
そしてその背負う時のセレシスの声はとてもとても残念そうな声だったそうな...。
「とりあえず、セレシスは店主に窓代はグリードから後で払われるって言っておく事と、ミシェルとクラウスにも話伝えといて」
「了解です」
「じゃ、チカちゃんは氷をこの皮袋の中に作って」
「うん」
チカ達は自分の部屋に行き、アリアが寝るはずだったベットに寝っ転がせ、アリアはセレシスとチカに指示を送った。
「さて、私は怪我してないか見るわ」
そしてアリアはミアルの頭を手で持ち上げ観察したり撫でる。
「やっぱり、ちょっとたんこぶ出来てるわね。チカちゃん。氷出来た?」
「出来とるよ?」
「ありがと...」
ミアルの頭には少したんこぶが出来ており、チカが作った氷の入った皮袋をそこに乗せる。
「これで大丈夫わね...」
「たんこぶだけやったけん、大丈夫やね!」
「まあそうね...」
ミアルは軽傷で済み、すぐに回復するだろう。問題は他にあり、ミアルが何者だろうか、という事だ。
「ミアルって何者ちゃろうか?」
「命は帝王の為にとか言ってたし、王が欲しがる程の人かしら?」
ドミニクは死ぬ前、我が命は帝王の為に。と言っていたので国側の人間に間違い無いだろう。
「じゃあ、帝王の娘っちゃなか?」
「まあ、有りえるんじゃないかしら...」
「有りうると?」
「まあ、そこは本人に聞いてみるしかない…」
「そうやね…ふぁ~.....」
ミアルの話しは後々聞くとして、もう夜中なので眠気が出てきた。
「よいしょ...」
そしてチカは、ミアルが今寝ている、アリアが本来寝るはずだったベットに入っていく。
「チカちゃん何やってるの?」
「...モフ...モフ」
「こんな時にもか...」
アリアが気付いた時にはミアルは抱き枕状態になっており、チカがミアルをモフモフしていたのだった。
「アリアさん、話しは終わりm...私も混ざりtグフォッ!!」
「諦めなさい」
空いていたドアから出てきたセレシスはベットに突っ込もうとするがアリアにより蹴られ追い出されたのだった。
どこを修正すればいいか分からぬ。もう嫌だ




