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一角ネズミ  作者: 晴彦
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ジスリの街

 リンを出て、エノンジの地のジスリの街に二人はやってきた。かつてはマートの中でも勢いのある街だった。今は寂れたものだった。それもそのはず、すでに戦いによって一度滅び、再び再建されるもまた戦いによって大きく破壊された街だからだ。今はこの街が賑わいを再び取り戻す時期ではなく、最盛期の活気を取り戻すにはあと二十年ほどの年月が必要だった。

 ジスリの街でカルエはヨマに旅に適した丈夫な革靴を買ってもらい、さらに良く効く軟膏を足に塗ってもらった。おかげで短時間でカルエの足は痛みが取れ、再び歩けるようになった。

 カルエはそれ以上のことを望まなかった。ヨマは靴を買ってくれたが、この身なりだ。武者修行の旅と聞いた。金銭をさほど持ち歩いているとは思えない。それにあまり情けをかけられてもカルエには彼に恩返しをすることもできないのだから。

 カルエはこれ以上ヨマに迷惑をかけるわけにはいかないと決意した。街をでる直前にカルエはヨマにそう告げた。ヨマは笑みを浮かべた。

「私は自分から首を突っ込んでいる。これも修行の一つだと思っているんだ。頼むからキリのいいところまで付き合わせてくれ」

「一角鼠は滅多にいません。結局見つからないかもしれないんですよ?」

「お母さんを助けたいのだろ? だったら、そんなことは口にしちゃダメだ」

 ヨマは真剣な顔でそう言い、それから何もいわずに馬を歩かせた。どうやら話はここで終わりのようだった。

カルエは気後れしながらも、ヨマが最後まで旅についてきてくれるということに戸惑いつつも喜んでいた。


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