VOL.45 カエリウス
真央界の中央部、西にパラティヌス、東にカピトリヌス、その間にある炎樹の宮廷国です。
首都はマーチ、グラディウス宮殿を中枢にしています。
守護神は戦の神マルス。
勇ましい神を戴いていることもあって、カエリウスは神代から軍事国家です。
街という街には城壁が張り巡らされ、昼夜問わず番兵が哨戒し、各地に大きな軍事基地があるなど他の国とは一線を画します。
成人した20歳の成年男子は徴兵義務があり、心身に異常が認められるとかでもない限りは例外なしです。
物々しい国ですが、炎樹の森という広大な落葉広葉樹林帯を擁しており、豊かな恵みは国民の自慢の種になっています。
ご存じの通り、ナラ枯れの深刻な被害など、因果界での環境修復作業が必要なほどになっていますが、表面的にはまだ問題化はしていません。
因果界での遅効性を狙った処置の結果を待って真央界で発表される、という段階を経ています。
世界の大変革を挟んだので、発表はその後にしているかもしれませんね。
軍事国家とは言っても、国民の大半は農業をしています。
米・小麦・大麦・雑穀・茶・そば、野菜はオールOK。果物はりんご・みかん・ぶどう・桃・くるみ・梨・レモン・栗……木の実は豊富ですね。
あとは綿花や藍の産地でもあります。
染色産業が盛んだと思います。材料には事欠きませんし。
食料自給率は100%。
自国で賄えるくらいの収穫量は確保しています。
ただ、カエリウスは貿易力があまりないんですよ。
他所から買って潤っていこうという開かれた国ではなくて、内に内に篭っていく国なんですね。
だから、流行ものにはまったく縁がなかったりして、独自路線を歩んでいたりします。
――観光すると言ったって、歓迎される雰囲気じゃないじゃないですか?
エスクリヌスの国民辺りには不人気ですが。パラティヌスの国民には実直さが慕われています。
それを反映して、パラティヌス産の物はカエリウスでよく見かけるようです。




