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ポツダム宣言に盛り込まれた再軍備不可能条項。国家としての大日本帝国は、無条件降伏していなかった。
1945年(昭和20年)7月26日、米国は、英国及び中華民国と共に大日本帝国に向けて降伏の条件を突きつけてきた。
それが所謂、ポツダム宣言である。
この降伏条件には、日本軍の武装解除と日本国の再軍備不可能条項(再軍備可能となる軍事産業自体を国内に持つことを禁止)が盛り込まれていたのであった。
米国首脳は、この宣言の内容を”再軍備不可能”=二度と逆らえない家畜化と捉えていたし、彼もそのように説明していた。
しかし、其れでなくとも疲弊し少なくなった国力を軍事産業に割かれていたのでは、日本国の再興が遅れてしまう。再興を早期に軌道に乗せるためには、国力を平和産業一本に集中できるようにする必要性が高い。
彼は、そう判断してポツダム宣言にこの条項を盛り込んだのであった。
また、日本軍は無条件降伏したが、国家としての大日本帝国は、このポツダム宣言に沿って降伏し、その内容である降伏条件を受諾したのであって、無条件で降伏したわけではない。
ただ、一見すると無条件の方がまだマシだ、と思える茨の道を日本国は進まされることとなったのであった。




