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暗殺者3

内容がふわっとなっていたら申し訳ありません。

「うわぁ、お化けとかでそう………」



「暗殺者がお化けなんかにビビってどうする。ほら、さっさと行くぞ!」



 あの後、丘を登って教会に入った。



 中はカーテンが破けて落ちており、壁や椅子には植物が絡まっている。今は外も曇りで明かりもないので、お化け屋敷のような状態だった。



「この教会、ステンドグラスなんてあったんですね」



「結構民衆からの人気も高くてな。炊き出しもよくしていた。他の教会よりは収入もあっただろうよ」



 私たち暗殺者は神を信じている人は少ない。組織内には一人だけ神を信仰している人もいるが。



 私は、昔、この教会で祈りを捧げていたのだろうか。



「ここには何もねぇな!よし、次は孤児院に行くぞ」



「孤児院なんてありましたっけ」



「ここら辺、建物同士がまぁまぁ離れて建てられてるからな。近くにあるぞ」



 ガルドさんを先頭に、教会を出て森の方に向かっていく。すると、森の手前にまたもやボロボロになった孤児院があった。



「ノーティング。お前はよくここで遊んでいた」



「え…………」



「なら、ノーティング先輩の過去がわかるかも!行ってみましょう!」



「うん。そうだね」



 少し、不安だ。



 過去の私を気になると言う気持ちはある。だが、過去を知ってしまって何が起こるのかがわからない。



「そんな暗い顔すんな!大丈夫だ。俺やタリナがいるからな」



「はい………」



 孤児院の中はところどころ汚れているが、教会と違って綺麗だった。近くの棚にあった本をとって、ページをパラパラとめくってみた。



 本の内容は簡単な絵本で、戦争に行った騎士が主人公のハッピーエンドの物語だ。かなり読み込まれているのか、表紙の部分が少しボロボロになっている。他の本も修復した後があったりする。



「じゃあ俺は中の調査をするから、お前らは外の調査をしといてくれ」



「わかりました」



 私はタリナちゃんと一緒に外に出る。孤児院の周りを回ってみると、孤児院の裏側には井戸や畑があり、それ以外は特に何もないようだった。



 井戸の中はもう水が枯れていて、底が見えるくらい浅い。畑も、枯れた小さな苗が植えてある。よく観察してみると、かぼちゃやにんじんの苗だ。



「この孤児院、意外と充実してますね」



「ここら辺は交通が不便なところのはずなんだけど………」



 畑の苗の一つに、少しだけ形の違うものがある。確か、隣国に生息している植物だったはず。近くに隣国があるので、もしかしたら意図せずに入ってきたんだろう。



「あれ………?」



 井戸の中をもう一度覗くと、横に私で丁度な大きさの穴があった。タリナちゃんはまだ気づいていないみたいだ。



「タリナちゃ——



「おい!調べ終わったんならこっち来てくれ!」



「ノーティング先輩!ガルド先輩が呼んでますよ!」



 タリナちゃんは中に入って行った。しょうがない。井戸の穴のことは後で伝えておこう。



 私も孤児院の中に入って、ガルドさんがいる部屋を探す。奥の、他のところより少し暗い部屋の扉を開けたら、ガルドさんとタリナちゃんがいた。



 部屋の中は女の子らしい部屋で、2段ベッドがある。勉強道具などが多く、学校に通っていた子達の部屋だったのだろうか。



「この部屋は?」



「ノーティングとサマーの部屋だよ。お前はいつも2段ベッドの下に寝ていた」



「ここが………」



 本棚にはそれなりの知識が必要な本と、まだ学んだばかりの子が読むような本の、2種類があった。きっと、私がこの孤児院にいたときは学業を学びたてだったんだろう。



「何かあったんですか?」



「それがな、この部屋だけ他の部屋と違って被害が大きいんだ。隣の部屋と比べてみろ」



 ガルドさんからそう言われ、廊下に出て隣の部屋の扉を開けると、明らかに違っていた。こちらの部屋は棚や引き出しを開けられて散らかっている程度だが、私たちの部屋は家具のほとんどが壊されている。



 もしかしたら、この孤児院に攻めてきた人物は、私たち姉妹が目的だったのかもしれない。



「俺が前に来た時はここまでなってなかった。誰か、お前たち姉妹を狙ってきた人物がやったってことだ」



「ガルドさんが前に来たのっていつ頃ですか?」



「暗殺者になって数年後だから、3年ぐらい前だな」



「前に戦争があったのって二十何年ぐらい前ですよね。なんでこんな最近になってノーティング先輩たちを狙ったんでしょう」



「さあな」



 3年前…………。確か、世間に「レヴァンジ」という暗殺者がいると広まった事件があった。それはガルドさんが任務を失敗したとかではなく、暗殺者として目立ちすぎたからだ。



 まさか、ガルドさんが今は騎士を辞めているとわかって………?いや、レヴァンジがガルドさんだと知っている人は私たち3人しかいない。それはありえないか。



「そういえば、井戸に———



「暗殺者レヴァンジ!ここは包囲されている!大人しく出てこい!」



「「「!?」」」



 孤児院の外から騎士団の声が聞こえた。ガルドさんを捕まえに来たみたいで、私とタリナちゃんには気づいていないみたいだ。



 だが、なぜガルドさんがここにいるとわかった?それも、なぜ私たち二人のことは気づいていない?



 疑問は色々あるが、まずはここから脱出しなくては。



「どういうことですか先輩!」



「俺にもわかんねぇって!なんで俺だけなんだよ!」



「まずは脱出しましょう。ガルドさん、孤児院に隠し通路などはありませんか?」



「あるっちゃあるが、俺とサマーで万が一で作った簡単なものだ。もう埋まっている可能性もある」



 とりあえず、それに賭けるしかない。埋まっていても、なんとか外に出て、あの井戸の穴に逃げ込めばいい。あの穴もどこに繋がっているかは不明だが。



「ガルドさん。外の井戸に穴があったんですか、何か知ってますか?」



「………………心当たりはある。お、埋まってないな」



 2段ベッドの下にそれなりの穴がある。奥は暗くて見えないが、十分な大きさだろう。



「レヴァンジ!出てこないなら突撃する!」



「急げ!この通路、多分外の奴らの下通るから、静かに通れよ」



 私、タリナちゃん、ガルドさんの順番で穴に入って、入り口を塞ぐ。それと同時に騎士団が孤児院に入ってきた。



 私たち3人とも焦っているが、一応暗殺者として数年間も働いてきたから、落ち着いて通路を進む。上を騎士団の人が走っていく振動がする。



 すると、上から男性の声が聞こえた。



『誰もいない………。隠し通路でも通ったか。ガルドもいるなら、●●●●もいるはずだ』



 え………………?



 




 ———なぜガルドさんの本名を知っているのか、もう一人の名前は——


 ——私の本名だろうか。

〜小ネタ〜

この世界では騎士団と衛兵団、警備隊で分かれています。騎士団は貴族などの護衛、衛兵団は個人に雇われたりなどが多く、暗殺者のように依頼を受けたらその人の護衛をします。警備隊は街の警備が主な仕事です。現代でいう警察。

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