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消えた治癒士への執着は棄てて下さい  作者: みん


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34/45

34 それぞれのその後

セオドリク様は廃太子となり、オードリック様が立太子する事になった。




「“聖女ナナカが力を失って、体も病弱になってしまったようで、弟に継承権を譲って、聖女の療養に付き添う事にした”んだそうだ」

「美談だね……」


2人のその後の報告をしてくれたのは、ルベール=メンフィールス公爵。その報告内容に、少し呆れた顔をしているのが、獣王国第三王子のラドルファス=バズラス様。


国民は信じているから、すんなり受け入れられ、特に混乱は起こっていないようだ。

ただ、ごく一部の貴族の間では、あの日の出来事を知られているようで、これから先どうなるかは微妙なんだとか。


「“精霊を怒らせた”事は、国の一大事だからね。ジルダが優しい人で良かったよね?」

「そもそも、ジルダ様は騎士達の間では人気がありましたからね……騎士達からすれば、許し難いところはありますよ」


ラドルファス様の言葉に、アーニーさんが同調する。私が人気があったかどうかは知らないけど、優しくはないと思う。ナナカが世界を救ってくれて感謝していると言いながら、私はナナカの苦痛を完全には消さなかったから。私が本当に優しい人なら、あの苦痛を残す事はなかっただろう。


私が味わった苦痛を、ナナカも味わえばいい──と思ってしまったのだから、悪女なのかもしれない。


「俺なら、あの場で助ける事もせず、あのまま放っておいただろうな。あの場で感情に流されず対応したお前は偉かったと思う」

「メンフィールス様……」


あのメンフィールス様に褒められる日がくるとは……明日は雨霰でも降るかな?


「皆さん、そろそろティータイムにしませんか?」

「ミツ、ありがとう」

「あれ?ミツさん、まだこの世界に居て大丈夫なの?」


と、ミツが居る事に少し驚いた様子のアーニーさんだけど、何となく嬉しそうな顔をしている。


「私、このままリヴィ様と一緒に居させてもらう事になったんです」


本当なら、ミツは元の世界に戻る予定だったけど、私の元に留まって、今までと同じように私のお手伝いをしてくれる事になった。


「リヴィ様の薬草の知識を勉強する為なのと、リヴィ様に、妖力の扱いを指導する為なんです」

「ようりょく?」


そう。私は、主様から“妖力”を付与してもらったのだ。残念ながら、失ってしまった水属性の魔力を取り戻す事はできなかった。そして、一度失ってしまったら、女神から新たに魔力を授かる事はない。のだけど、今回は色んな複雑な事情もある為、異世界の力ならギリギリセーフで付与できるという事で、私は妖力を付与される事になった。


妖力と魔力は“似て非なるもの”で、扱い方が全く違った。感覚レベルの違いだから、なかなかに難しい。でも、扱い方さえ分かれば、治癒の魔法に転化できるそうで、今は妖力の扱いの訓練を毎日頑張っている。

見た目幼いミツだけど、両親がかなりの実力者で、ミツもその血を濃く引き継いでいて、妖の世界の中でもそれなりの実力者なんだそうだ。それに、指導も分かりやすい。

とにかく、これからもミツが居てくれるのは嬉しい。


「ところで、ラドルファス様はいつまでノーザンディアに居るんですか?」


もともと、ジルダ(わたし)を探す為に残っていたと言っていたけど、私が見付かったから、ここに居る必要はなくなったし、第三とは言え王子様だから、こんなにも長く放浪するのも問題なのでは?


「それなんだけどね、“この国がどうなるのか様子をみろ”とお達しがあってね。だから、もう暫くはここに滞在する事になったんだ」

「ソウナンデスカ」


これも仕方ない。精霊を怒らせた国が近隣にあれば、何かあった時に影響があるかもしれないから。でも、それなら辺境地じゃなくて、王都に滞在すればいいのに!なんて思ってない。


「メンフィールス様も、そろそろ王都に戻られた方が良いのでは?」


メンフィールス様は、公爵でもあり魔道士団の団長でもあるから、少し混乱しているであろう王城に戻らないといけないよね?放ったらかしは職務怠慢になるよね?


「保留にされているが、団長職の退職願を出してきた」

「ソウナンデ──はいぃ!?」


“団長職は”という事は、魔道士は続けるけど、団長という肩書きを辞めると言う事なんだろうけど、一体、誰が大陸一の魔道士の上に立てると言うのか。私なら絶対に立てない。


「いや、それ、かなりの大問題では?」

「魔道士として残ると、かなり譲歩した方だ。城付きの魔道士も辞めるつもりだったからな」

「何故……」


魔道士が天職のような人で、メンフィールス様本人も魔道士としての矜持があったはずなのに。


「まあ、王家に色々思うところがあるのもあるが、ただ単に俺が辺境地に居たいからと言うのが一番の理由だな」

「そう……なんですか?そんなにもここが気に入ったんですか?」


まぁ、確かに、色々と煩い王都よりは静かで穏やかに過ごせるのは確かだ。貴族云々の煩わしさもない。


「メンフィールス様以上の団長なんて居ないと思いますけど……」

「ジルダが俺の補佐に付いてくれるなら、団長を続けても良いけど?」



ちょっと──かなり意味が分かりません。





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