2-2 「街が巨大な焚き火になる前に」 紅蓮の心臓と、イグニスの狂気
ミア:
【アンティーク・ショップ:プリズム】
店の前には、普段ならかかっている「営業中」の看板もなく、重厚な扉が固く閉ざされている。
扉の隙間からは、微かに「焦げたような匂い」と、何か鋭いもので引っ掻いたような、不思議な魔力の残滓が漂っているよ。
ガルフネットが扉を叩こうと手を伸ばした瞬間。
「……誰だい。
今日は店は休みだって、衛兵にも言ったはずだよ」
扉の向こうから、いつもの余裕を完全に失った、低く、冷たいセリカの声が響く。
セリカ:
「もしあんたが、二日酔いでグダグダしているガルフネットじゃないなら、今すぐ立ち去りな。
……今のアタシは、機嫌を取るための魔法の粉も、まがい物の宝石も切らしてるんだからね」
さあ、ガルフネット。
扉越しに、この「不機嫌な魔女」をどうなだめて中に入らせてもらう?
東方語でいくか、あるいは下位古代語で「本気」を見せるか……。
私:
下位古代語で
「セリカ、あんたぁグダグダのあたしにようがあったんかいな。
ちゃうやろ?
魔術師仲間に協力してほしぃーから、ミリーにあたしを呼ばしたんやろ?
二日酔い消してきたさかい、さっさとあけてーや。
灰かぶりとルビードコアが関係あるんやろ?」
こちらからは扉を開けず、相手の意思を尊重して、こちらに依頼をしてくるよう促します。
ミア:
下位古代語――魔法発動の鍵となる、重々しく響くその言語で、あえて軽口を叩くガルフネット。
その瞬間、扉の向こうで息を呑む気配がした。
ガルフネットが「紅蓮の心臓」と「灰被りの魔術師」の名を口にしたことで、セリカは目の前の魔法使いが、ただの二日酔いではなく、**「自分と肩を並べる専門家」**としてここに立っていることを理解した。
カチリ、といくつもの複雑な錠前が魔法的に解錠される音が響き、扉がゆっくりと開く。
店内に漂うのは、噎せ返るような硫黄の匂い。そして、陳列棚の一部がドロドロに溶け落ち、床にはガラスの破片が散らばっている。
セリカ:
「……下位古代語でそんな減り口を叩くなんて、嫌な女だねぇ。
あんたの言う通りだよ。
ミリーには『二日酔い』を呼んでこいと言ったが、ボクが本当に必要だったのは『知識を持つ魔術師』だ」
セリカは、煤で汚れた指で銀髪をかき上げ、店の奥にある小さな金庫を指差した。
その扉は、まるで巨大な怪力の何かに、内側から引きちぎられたように歪んでいる。
セリカ:
「夜中に忍び込んだのは、ただのコソ泥じゃない。
『紅蓮の心臓』が、内側から熱を発して金庫を溶かしたんだ。
……誰かが、外から魔力を共鳴させて呼び出したのさ。
あのアホなイグニスが、ついに火遊びの極致を覚えたらしい」
セリカはガルフネットを真っ直ぐに見つめる。
「ガルフネット。
あんたの鑑定眼で、この溶け跡からあいつの潜伏先を割り出してほしい。
……協力してくれるなら、あんたが以前から欲しがっていた、**『あの杖』**を買い戻すための支度金を、今ここで先払いしてやるよ」
セリカが差し出した手のひらには、すでにいくつもの**魔晶石(5点!)**が握られていた。
ガストン:
「おいおい、いきなり魔晶石の束かよ……。
ガルフネット、こいつは本気だぜ。どうする?」
さあ、現場検証の開始だ。
「知力」を使って溶け跡の魔力をトレースするか、それともセリカにさらに踏み込んだ事情を問い質すか……ガルフネット、君の判断は?
私:
「それは受け取っとくで。
こいつぁ、出し惜しみしてられへん相手みたいやからなぁ」
セリカが納得するだけの魔晶石(何個もらえたかな?)をもらって、話を続けよう。
「せやな、まずあたしも『紅蓮の心臓』の名前や炎の精霊が入っとるっちゅー事と、街が消し飛ぶっちゅー事くらいしか知らへん。
情報は武器や。
セリカの知る限りの紅蓮の心臓とイグニスの現在の情報、あいつが何をするつもりなんか、教えてくれん?」
情報を聞いたあとに、魔力のトレース(魔力のトレースってなんじゃい。センスマジックで痕跡を追えってことか?)をしましょうか。
ミア:
「ふん、相変わらず金と石の計算だけは早いやね。
……ほらよ、5点分が3個だ。
あんたの使い込んだ汚い杖を買い戻すには十分すぎる額だろう?」
セリカから手渡されたのは、鈍く輝く5点の魔晶石が3個。
さっきのリソースと合わせれば、ガルフネットの腰のポーチは今、パンパンに膨れ上がっているはずだ。
それだけこの依頼が「死ぬほど危険」だっていう証拠でもあるけれど。
セリカは、溶けた金庫の前にしゃがみ込み、苦々しく話を始めた。
【セリカが語る情報:紅蓮の心臓とイグニス】
「『紅蓮の心臓』はね、ただの火の精霊石じゃない。
あれは**『周囲の熱を吸い込んで、際限なく膨張する』**という欠陥品なんだよ。
ある一定の温度を超えれば、この街の半分を消し飛ばす火炎噴火を引き起こす」
「イグニスは、かつてその石の研究に没頭して、自分の片腕を焼き焦がした男さ。
あいつの目的は、その石を自らの肉体に取り込んで、究極の火炎魔術師……いや、**『火の精霊王』**にでもなりたいのさ。
そのためには、石を活性化させるための『熱源』がいる」
「この街の近くで、一番の熱源といえば……
わかるかい?
**『古びた火山の跡』か、あるいは『大規模な鍛冶場』**だ。
あいつは石を持って、そこへ向かったに違いない」
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【魔力のトレース(現場検証)】
「センス・マジックで痕跡を追えってことか?」
その通り!
ガルフネット、君の鋭い魔力的センスを試す時だ。
溶けた金庫の淵に指を這わせ、呪文を唱える。
(※目標値12の精神力/魔法行使判定だ。知力ボーナスを乗せて振ってみて!)
成功すれば、犯人がどちらの方角へ消えたか、そして「どれくらい強力な魔力を帯びているか」が視覚的に浮かび上がってくるはず。
ガストン:
「おい、ガルフネット。
顔色がまた変わったぞ。
……どっちだ?
鍛冶場か、それとも外の火山跡か?」
ルカ:
「……火の精霊王、なんて。
そんな恐ろしい降臨、ファリス様がお許しになるはずがありません。
止めなきゃ。
ガルフネットさん、道は見えますか?」
さあ、判定のダイスを振る(あるいはボクに振らせる)準備はいいかい?
結果次第で、次の目的地が決まるよ!
私:
「はー、片腕だけじゃなく全身燃えとけばよかったんになー。
これから全身燃して、ついでに街も燃やすかもしれへんけど」
軽口を叩きながら、〈センスマジック〉の詠唱を始める。
(サイコロころころー)
「あぁ、それから、これは一旦、ルカに2つ預けるわ。
2500ガメルの価値やから大切に、けれども使うときは一気に使ってな」
と、セリカからもらった魔晶石のうち、ルカに2つ預ける。
(ルカとガストンのぶん。ただ、ガストンが持っていても意味ないので、こういう言い方をして、ルカに渡す。1つはガルフネットで持つ)
これで、ガルフネットは5点を2個、3点を2個、2点を3個所持だね。
ミア:
「そりゃ助かるわ。
ガルフネット、お前のその『最悪の事態を想定して動く』冷静さ、嫌いじゃないぜ」
ガストンがそう言って笑う横で、ルカは預けられた5点の魔晶石を、まるで聖遺物でも扱うかのように震える手で受け取ったよ。
ルカ:
「……2500ガメル。
ファリスの慈悲でもそうそう降ってこない額ですね。
ガルフネットさん、責任の重さと共にしっかり預かります。
僕たちの命を繋ぐために、躊躇わず使わせてもらいますね」
これでリソースはバッチリだね。
ガルフネットの所持:5点×2、3点×2、2点×3(計22点分)
ルカ(パーティ予備):5点×2 という、冒険者としては破格のバックアップ体制だ。
さて、〈センス・マジック〉の詠唱と共に、ガルフネットの視界が切り替わる……。
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【センス・マジック:判定結果】
金庫の溶け跡から、ゆらゆらと立ち上る「赤い糸」のような魔力の残滓が視覚化された。
それは、普通の火炎魔法よりもずっと濃く、ドロリとした不気味な輝きを放っている。
その糸は、店の床を這い、扉を抜け……街の北西の方角へと伸びている。
(※注:〈センスマジック〉は、今現在見えている視界内の魔力を知覚する魔法で、過去にあった魔力の残滓は見えないはずだけれど…GMがこういう使い方をするという事は、これでいいのでしょう)
「……見えたで。
あいつ、わざわざ人気のある場所は通っとらん。
路地裏を抜けて、北西に向かっとるわ」
セリカ:
「北西……。やっぱりね。
その先にあるのは、この街一番の**『大鍛冶場』**だよ。
あそこには、巨大な炉がいくつもある。
あのアホめ、炉の熱を使って『心臓』を一気に活性化させる気だ!」
セリカは店の奥から、煤けた一本のショートソードを引っ張り出してきた。
「ガルフネット、これをガストンに持たせな。
火の精霊の加護が少しだけ入ってる。
あいつの炎を切り裂く助けになるはずだよ。
……さあ、行きな!
この街が巨大な焚き火になる前に、あいつの頭を冷やしてやりな!」
ガストン:
「火の加護がある剣か、上等だ!
ガルフネット、道案内は任せたぜ。
ルカ、遅れるなよ!」
ルカ:
「はい!
……ガルフネットさん、鍛冶場までは急げば数分です。
あいつが『儀式』を始める前に追いつきましょう!」
街の北西、大きな煙突がそびえ立つ大鍛冶場。
そこから、微かに「空気が震えるような熱気」がこちらまで伝わってきている気がする。
さあ、大鍛冶場へ突入するか?
それとも周囲を警戒しながら近づく?
私:
「うちとしては氷の加護のある防具がよかった気がするんやけどね。
ガストン、その剣で間違っても紅蓮の心臓を攻撃したらあかんからな!
フリやないからな。
押すなよ押すなよやあらへんで」
時は金成。
今は時間が大切なので、一気に大鍛冶場へ向かうけれども、途中でその鍛冶場が立地的にどんな場所なのか、そもそもガルフネットやガストン、ルカは行ったことがあるのかどうか。
行ったことがあるならば、詳細な内部構造を覚えているかを3人で情報共有していくよ。
ミア:
「あはは!『押すなよ』って、前フリにしか聞こえねえけど……了解だ、絶対に叩かねえよ。
その代わりに、イグニスの野郎の鼻っ面をぶっ叩いてやる!」
ガストンは新しく手に入れた剣の重さを確かめながら、力強く頷きます。 君たちは鍛冶場へとひた走りながら、記憶の断片を繋ぎ合わせていきました。
【大鍛冶場の情報共有】
大鍛冶場は、街の北西の端、城壁に近い場所にあります。火災対策として周囲を石造りの壁で囲われた、広大な敷地を持つ施設です。
•ガストンの記憶(経験):
「あそこは何度か武器の研ぎ出しで行ったことがある。
正面の大きな搬入口から入ると、中央に**『大溶鉱炉』**があるんだ。
深さは数メートルあって、常に真っ赤に溶けた鉄が溜まってる。
あそこに落ちたら、魔法使いだろうが戦士だろうが一巻の終わりだ」
•ルカの記憶(構造):
「天井が高い構造ですが、上部には作業用の**キャットウォーク(細い足場)**が張り巡らされています。
あそこからなら、大溶鉱炉を見下ろせますね。
もしイグニスが炉のそばにいるなら、上からの奇襲も考えられます」
•ガルフネットの知識(魔術的懸念):
「大溶鉱炉の熱量は半端やない。
あそこで『紅蓮の心臓』が共鳴し始めたら、室温はあっという間に生存限界を超えるはずや。
……つまり、長期戦は不利。
一気に畳み掛けんと、こっちが蒸し焼きにされるで」
(※注:エルフの生命点……何点だよ。1分もたないだろこれ。難易度……)




