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彼女との出会い
9月に入り、私は29歳になった。
日が沈むのが早くなった9月下旬、彼女と出会った。
彼女の仕事が終わってからの18時、河口のそばのおじさん宅が出会いの場だった。
おじさん宅の西側には小高い丘があり、太陽は沈みそうになっていた。
おじさんの家の隣にある駐車場に車を止めた。
やや緊張しながら、おじさん宅へお邪魔し、言われる通り下座の席に座った。
やがて、玄関のチャイムが鳴り、彼女が来た。
彼女が、上座の席に座った。
落ち着いた雰囲気の彼女、ドキドキしながら顔を見た。
写真も可愛かったが、本人はそれ以上であった。
おじさん夫婦の援護射撃もあり、何とか話はスムーズに進んだ。
私は、少しずつ彼女の方を向き、顔を見つめた。
(何だろう、この感じは)
私は、彼女のつぶらな瞳に心を奪われていた。
吸い込まれそうな感覚だった。
写真では得られない気持ちだった。
小一時間経ったところで、おじさん宅を後にすることになった。
おじさん夫婦にお礼を言って、外に出た。
隣の駐車場に止めてあるパールホワイトのマイカーが街灯に照らされて光っていた。
外は、すっかり暗くなっていた。




