大人の話!?
更新が遅くなり申し訳ありません。
続きです。
「どうしたの?」
兄貴が見かねて聞いてきた。
「あんた誰?」
今度は直接本人に聞いてる。
「君こそ妹と、どういう関係かな?」
「!?」
――そんな時。なにやら名前を呼ぶ声が……。
「王司、由紀!」
二人はハッとした。
数人がこちらに近づいてくる。どうやら同級生のようだ。
その中の1人が
「王司も由紀も遅い。……て、あれ?聖女の……。」
「?」
「ああー!雅をふった女だ!」
一気に私に視線が傾く。
な、なんなのよ。いったい!?
「…………。」
うっ、視線が痛い……。
「いつも妹がお世話になってます。さあ、時間だから行こうか。」
場を察したのか、突然、兄貴がそう言い、私の手を掴んで歩きだした。
「行くよ。」
「うん。」
そんな私たちを、後ろからじっと見つめる王司の視線を感じた――。
* * * *
「兄貴、ありがとう。あの場から脱出できて助かりました。」
私たちはスプラッシュマウンテンの近くのカフェでひと休み。二人でコーラを飲む。
「まあ、話の内容から大体の事はわかったからな。」
「……。」
「もてるね。妹。兄としては鼻が高い。」
「からかわないでください。」
「彼、王司君だったかな?名前もピッタリだが、かなりのイケ男だ。どうしてふったの?」
「あのイケ男に、いきなり好きだと言われても……。信用できないじゃないですか。同じ学校でもないし、私の事分からないはずだし。私だって彼の事、知らないもの。」
クスッと兄貴が笑う。
「かわいいなあ。美波は。」
――ドキッとした。呼捨てにされた。
「だから付き合うんだよ。」
「え?」
「カッコいい。いいな。とか好きの始まり?になったら付き合ってもいいと俺は思う。まあ、初めは友達としてでもいいさ。女子高だし。つきあって、お互いの事をよく知って恋人になるんだよ。……まあ、王司君の場合は、好きの始まりと言うよりは、けっこう美波の事本気だと思うよ。」
また、ドキッとした。大人の意見を聞いて。
「じゃあ、兄貴もそうなんですね。」
「もちろん。だから美波の事もいいなって思ったのは事実。今は妹としてだけど。」
「じゃあ、前の彼女も……。」
あっ、しまった!!口がすべった。
「………そうだね。初めは好みのタイプだな。と思ってつきあい始めたけど、…大事な彼女だったよ。」
「…………カッコいいですね。」
「?」
「そんな風に言える兄貴はカッコいい。彼女、幸せ者なのに。どうして……。」
「大人にはいろいろあるんだよ。」
そう言って兄貴は、クシュッと私の頭をなでた。
「まじめで良い子の妹で、兄は嬉しいよ。」
「よし!時間だ。スプラッシュに行くぞ!」
――ドキドキした。大人の話を聞いて……。
私は、前彼女の事を大事だったと言う兄貴の事を、とてもカッコいいと思った。そして前彼女の事が少し羨ましくも思った。
いつか私もそんな恋愛がしたいなあ――。
――――To be continued
読んでいただきありがとうございます。
仕事の都合で、少し更新が不定期になると思います。
今後ともよろしくおねがいします!