第十二話『やっと逢えたのヴィーナスにゃん!』のその②
第十二話『やっと逢えたのヴィーナスにゃん!』のその②
ふぅぅむ。一番判りやすくて手っ取り早いのは、霊圧が低くにゃるまでここから一番近い火山にどかどかと噴火してもらうことに尽きると思うのにゃけれども……、
残念にゃがら今回は勢いが強すぎてダメみたいにゃ。また仮ににゃ。連鎖反応を起こさずに済む方法を見つけられたとしてもにゃ。その分、当然シワ寄せは噴火に使う火山に集中するにゃろうから、これまた大変にゃ。大爆発、溶岩流が噴き出す恐れにゃってある。火口はイオラの森付近にゃから、生き物の棲み家にゃって多い。被害が膨らむばかりにゃ。どう転んでも、ダメにゃものは……いいや、待つのにゃん。ヴィナにゃんは今、霊圧を霊力に変えるとかいってたのにゃん。にゃら、それを利用すればあるいは……。
自分では気がつかにゃかったのにゃけれども、にやり、としていたみたいにゃ。
「その様子では、いい考えが浮かんだとみえるが?」
ヴィナにゃんの声には期待の響きが。でもにゃ。上手くいくかどうかはにゃんとも。にゃもんで、『過度にゃ期待は禁物』とのメッセージを送ることにしたのにゃん。
「一つ考えが浮かんにゃにゃけにゃ。出来るかどうかは、みんにゃと話し合った末でにゃいとにゃんともいえにゃいのにゃけれども」
「そうか……ふぅ」
今度は、がっかり、したようにゃ、ため息らしき声。
(まっ、このくらいが妥当にゃん)
「なんにせよだ。出来るだけ急いではくれぬか? そなたたちには判らぬであろうが、なんといっても、ヴィナは見ての通り、絶世の美女なのだ。いつまでもこのようなところに居て、もし穢れでもしたら……、天空の村のみならず、全宇宙の損失となろう。ヴィナを慕う者たちにも不憫な思いをさせるのは目に見えておる。
ふっ。まっこと美しきは罪よ。されど、これも宿命。耐えねばならぬか」
ぴくぴくっ。
こめかみが続けて引きつったのにゃん。『大変にゃ』『にゃんとかしにゃきゃ』との思いが一気に吹っ飛んにゃのにゃ。どうでも良くにゃったのにゃん。
(ふん。光った両目しかにゃいのに美女もクソもにゃい。
にゃに世迷い言をほざいているのにゃん)
あまりの物言い。ウチが、かちん、ときたのはいうまでもにゃい。
(誰に向かってものをいっていると思っているのにゃん)
いつににゃく対抗心メラメラにゃ。こうにゃったら、もうとまらにゃい。
「にゃんのにゃんの。実はにゃ」
ここでいったん言葉を切ると、深呼吸。ちょっとの間を置いたあとに自分の思いをぶちまけたのにゃん。
「ウチも絶世の美ネコと呼ばれている身にゃのにゃあん!」
「なんと! お主が!」
にゃんとも意外そうにゃ声。にゃらば、と皮肉を相手の心に送ってみたのにゃん。
「おや? まさか、判らにゃかったというのではあるまいにゃん?
もしそうにゃら、あんたのそれは、単にゃる見せかけの美しさにゃった、ということににゃるのにゃけれども」
「うっ」
ヴィナにゃんは絶句。でもにゃ、沈黙は『肯定』を意味すると気づいたのにゃろう。すぐさま、高笑いをおっ始めたのにゃん。
「おぉっほっほっほっ。
いやいや。初めて逢うた時から感づいておったわ。ただ者ではないとな。
ヴィナの目に狂いはなかったということか。
おぉっほっほっほ」
(ぶふふっ。思った通りの見栄っ張りにゃん。そうと判れば、こっちのもんにゃ)
「そうにゃろうそうにゃろう。にゃあっはっはっはっ。
ヴィナにゃん。ウチらの出逢いもまた悠久の昔から定められた宿命にゃったのにゃ」
「おぉぅ、確かに。どちらも絶世の美しきもの同士。感動のご対面というわけか」
「そういうことにゃよ。にゃあっはっはっはっ。
どうにゃろう? ヴィナにゃん。こうやって逢ったのもにゃにかの縁。絶世者同士、親友ににゃるというのは?」
「それは、こちらからも望むところ。喜んでならせてもらおう」
「にゃあっはっはっはっ!」「おぉっほっほっほっ!」
ともに高笑い。本当はここで、『ウチが絶世にゃわけにゃいにゃろう!』と叫んで、へこませてやるつもりにゃったのにゃけれども、話をしている間に、にゃんにゃんとウチもその気ににゃってきたのにゃん。かねてから心に抱いていた、『ウチは美女に違いにゃい』との確信をより一層深める結果とにゃって、『久々に話の判る霊体に遭遇したのにゃあ』と満足し切ってしまったのにゃん。早い話、ミイラ取りが……まぁいいにゃん。
意気投合後、『あとのことはお主に一任する』との言質をもらってヴィナにゃんとの対面を終えたのにゃ。折角ここまで来たのにゃし、『もっとゆっくりと談義を』とも思ったのにゃけれども、マグマの霊圧を制御するのに集中しにゃければにゃらにゃいとかで、追っ払われる、に近い感じで、『さよにゃらぁ』をされてしまったのにゃ。ネコに優しくにゃいのにゃん。こんにゃろう! にゃのにゃん。
(まぁ無理もにゃいのにゃけれども)
地上へと帰る道すがら、『逢えて良かったにゃあ』『でも本当に大変なのはこれからかもしれませんですよ』にゃどと、ふたりで声をかけ合っていたさにゃかのこと。ふと想い出したことがあってにゃ。ミムカにゃんに、『そういえば』といって尋ねてみたのにゃん。
「ウチとヴィナにゃんが自分らの美しさについて語り出した辺りから、にゃんにもいわにゃくにゃったようにゃ気がするのにゃけれども。一体どうしたのにゃん?」
ウチが尋ねるも、にゃにか迷っているみたいにゃ。ややあって口にした答えも判りづらいものにゃん。
「まぁなんていうか……、
おふたりの会話についていけなかったのでありまぁす」
「はて? そんにゃに難しい話ではにゃかったと思うのにゃけれども?」
「難しいとか、そんなんじゃなくてぇ。
……あのぉ…そのぉ……、あまりにも『アレ』だったもので」
「『アレ』ってにゃんにゃ?」
「聴いてて恥ずかしいというか……」
「恥ずかしい? にゃんのことにゃん?」
レミロにゃんがまたしても口を噤む。『ふぅ』とため息を突く前後で顔の表情が、『迷い』から『諦め』へと変貌した、とウチには思えたのにゃ。
「まぁいいでありまぁす」
(にゃにをいっているのにゃろう? 変にゃミムカにゃん)
どこまでも要領の得にゃい返事にゃん。
帰りの途中、こんにゃトラブルが、といった逸話のネタも出にゃいまま、無事にウチらは地中から戻ってきたのにゃ。
温泉の水面から、ずぼっ、と顔を出すと、目の前に可愛いミーにゃんが。
「来たのにゃん」
岩風呂を成す石にて、両手であごを支えた、うつ伏せの姿で休んでいたのにゃ、全身のお肌に見られる赤みの差し加減から、『相当長い間、湯船に浸かっていたのにゃん』と容易に察しがつくのにゃ。
(待っていてくれてたのにゃん)
にゃんとにゃく嬉しいのにゃん。
「うん。それでどうだったわん? 逢えたの?」
「うんにゃ。ウチの美しさを理解出来る、まっこと素晴らしきご仁にゃった」
「へっ?」
『なにいってんだか。さっぱり判らないわん』といった様子にゃ。
(まっ、無理もにゃいのにゃん。
親友にゃけれども、『美』というものへの理解に今一つ、にゃもん)
ミーにゃんとおんにゃじ石の上にあがったのにゃ。眼下に目をやれば、ゆらゆら、と水面に映るウチの姿。それはいつににゃく美しい。凛と四つ足で立ち尽くしたまま、時が経つのも忘れて見惚れていたのにゃん。
(うっふぅぅん、にゃん!)
「さよにゃらにゃけが人生、いや、ネコ生にゃん。
始まった早々、第十二話も終了にゃあん!」
ぱちぱちぱち。ぱちぱちぱち。
「本当本当、早かったわん」
「あっという間。別れを惜しむ暇さえなかったわね」
「それでも見せ場は十分にゃ。
にゃにしろ、今回のお話がメインとするところはにゃ」
「聴くまでもないわん。
どうしてヴィーナスはここに来たのか、どうして自分の棲み家に戻ろうとしないのか。
全お話中の最大の謎が解き明かされた、ってとこでしょ? それしかないわん」
「いんにゃ。違うのにゃん」
「ミーナちゃんには悪いけど、ワタシも違うと思うわ」
「えっ。じゃあ、なんなのわん」
「最大の見せどころはにゃ。美について語り合った、というところにゃん。
これしかにゃい。これに尽きるのにゃん」
「それなら、謎の解明は?」
「そんにゃの、端っから興味がにゃいのにゃん」
「そうね。確かに」
「そんなぁ!」




