本物のいじめ?
「ほのかさんたちがはまってるアニメって、いつやってるのかなぁ?」
教室に帰る途中、ひかるがてんに尋ねる
「ああ、あれ、インディーズのアニメみたい」
「え?」
「作者不明のネットにアップされたアニメらしいよ」
「へー、そうなんだ、だからあんなにフィギアに驚いたんだぁ」
「そうそう、でも、案外、ほのかさんが作者だったりして…」
「え!うそ」
「ま、それは本人しかわからないけどねっ」
「うーん、そっかー、でも、ま、これで休み時間が自由にすごせるし、よかっ
た、よかった…」
(ドスン!)
前を歩いていたてんが急に立ち止まったため、ひかるがてんにぶつかる
てんが校舎の隅を見つめる、そこには、3人の男子が一人の男子を取り囲んでい る、とても普通じゃない、2人がその様子をうかがっていると突然、一人の
男子が取り囲んでいる男子を殴った
(あ!)
殴られた末広だいすけが倒れこむ、ひかるが恐怖のあまり立ちすくむ、声がでな い、足ががくがくふるえる、その時
「こらー、おまえらー、なにやってるー!」
突然、てんが叫ぶ、叫んだあとひかるの後ろにかくれる
(ちょ…ちょっと…)
3人が焦りまくるひかるをにらむように見つめる
「…生徒会長?」
「竹宮?」
「あ…ぼ…暴力は…よくない…ある…よ」
ひかるがうろたえながら発する、恐怖のあまりへんな日本語になる
しばらくだまりこんだ3人、やがて神原がにっこり笑い倒れている末広に
手を貸し立ち上がらせる
「そうだな、暴力はいけないな…悪かったな、末広」
「末広?」
その名前にてんが反応し、ひかるの後ろからひょこっと顔をのぞかせる
「もしかして…末広だいすけクン?」
「え?…あ…はい」
急に名前を呼ばれ不思議そうに土まみれの末広が答える
「やっぱりそうだ、お父さんにはいつもお世話になってまーす」
「え?」
みんながきょとんとてんと末広を交互に見渡し沈黙、やがて神原が話を戻す
「暴力はよくないけどよ、でもこれはこいつのためなんだよ…な」
神原が末広の肩に手を回し
「こいつ、すげぇんだよ、一年だけどよ、将来はレギュラー、いやキャプテンに
なるやつなんだ」
神原が末広を親しそうに見つめる
「だからおれらの指導にもつい熱が入っちゃて手が出ちゃって…さ」
「…ほ、本当なの?末広クン?」
ひかるが尋ねると末広がうつむいたままこくっとうなずいた
「ま・・そういうわけだ…行こうか、ス・エ・ヒ・ロ・くん」
神原が末広の肩を抱いたままほかの2人とてんとひかるのわきを通りぬけて行っ た
「 ひかるさん…あっちのほうがヤバイかも…」
てんがぽつりと心配そうにつぶやいた




