死者とサボりの理由
登録していただきましたレフェル様、LAN武様。ならびにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
「………知ってる天井だ。」
「それは自分が管理する事になってる人馬宮だからな?」
「カウスさん。大丈夫ですか?」
俺の呟きに2人の声が返ってきた。1人は俺をどついて気絶させたアクベンスでもう1人の女性は俺に膝枕して心配そうに見ている。
「大丈夫だ。ありがとう。エレン。」
俺と同じ黄道12柱(双子座もいるが2柱で1柱扱いな為12柱である。)の1柱のエレンだった。
「痛た。一応大丈夫だ。ありがとう。エレン。」
エレンに答えてから立ち上がる。そして、辺りを見回して問いかけた。
「なぁ。この死者達はなんなの?」
何故か人馬宮が死者達が沢山いたのだ。
「あぁ。判決前の死者達だ。冥界では1時期ハーデス様が怠けて仕事を一切しなくなったせいで冥界の待合室と巨蟹宮が死者でいっぱいいっぱいになってな。無人の人馬宮を待合室に利用しようという流れになったんだ。」
「って、勝手に決めるなよ? せめて、一言断り入れろよ?」
俺の問いにアクベンスは呆れたような口調で拒否する。
「あのな。何十年も有給休暇とっといて生意気言える立場か? というか、何で有給休暇とりまくったんだ? 昔は働きすぎだったような?」
「う。嫌な思い出を。」
働き者な俺なんて軽き吐き気を催したぞ?
「何で急に働かなくなったんだ?」
「…働きすぎて滅多に帰らなかったわけなんだが、アテナ様が休暇くださって自宅に戻ったら自宅が荒れ放題のゴ○ブリの巣になっていたんだ。」
溜め息吐きながらの語っていくと、エレンが嫌そうな表情をする。やはり女神もそれ関係は嫌いらしい。
「で、ゴキ○リを退治しながら荒れ放題な自宅を整理していたら、気がついたら7年も経過していたんだ。
7年も休んでいたとなるとなかなか出勤しづらくてどうしようかなと有給を伸ばしていたら、怠け癖が身に付いちゃって。」
おまけにファミ○ンやらコミックなんかの娯楽をやりだしたら止まらなくてサボりに拍車がかかってなぁ。
「で、たまたまアテナ様が薄い本を買いまくっていることを知って有給休暇を伸ばして今に至るというわけだ。」
「…なんというか、自業自得だな?
こまめに掃除していたらそんなことにはならなかったんじゃ?
まあ、いいや。とにかく働け。」
「い~や~だ~。働きたくない~。働くのは負け犬のしごふぅっ!!」
「四の五の言わずにさっさと働け。」
「…あい。」
アクベンスの声に俺は力なく頷いた。