第2話 「恋の始まりと悲しき過去」
入学式の日、相沢結愛は同じ高校に通う先輩、蓮と言う青年と出会う
別れ際に彼からもらった飴玉はどこか懐かしい味がした
そしてこの胸の高鳴りがすぐに結愛自身もなんなのかわかっていくのであった
蓮「それじゃあね、結愛ちゃん」
彼は、彼女の頭を優しく撫でるとそのまま体育館の中へ入って行った
結愛はその場で佇んでいた
結愛「(やばい…まだどきどきしてる…会ったばっかりなのに…)…ひゃ!」
結愛がその場で考えていると後ろから誰かに抱きしめられた
渚「結~愛っ!もう~どこ行ってたのよ?茜と2人で探したんだからね?ってかさっきの人だれ?」
結愛「渚ちゃん…びっくりさせないでよ…って、2人とも見てたの?」
茜「うん、なんか雰囲気良かったけど…あの人、結愛の知り合い?」
結愛「ううん、今日初めて会ったの…蓮先輩って言うの」
茜「へぇ~あれが…」
結愛「茜ちゃん?先輩のこと知ってるの?」
茜「いや~ここに来るまでに何回その名前聞こえたことかって思ってさ、なんかあの先輩、凄い人気らしいよ?ねっ?渚?」
渚「うん、なんか噂だと遊びでも付き合ってって言った子も居るとか、色々聞こえたよ?」
結愛「へぇ…そうなんだ…先輩カッコいいもんね」
そう言って顔が赤くなる結愛を見て茜は、ふと思った
茜「結愛?もしかして先輩の事好きになったの?」
結愛「えっ…?」
渚「まさかっ!今まで男から告白されても逃げてた、恥ずかしがり屋のあの結愛がっ!…ってあれ…?」
茜に質問され、その場で結愛は真っ赤になりながら考え込んでいた
結愛「(そうなの?でも確かに…先輩の名前が出るたびに…ドキドキする…私、先輩の事好きなのかな…///)」
渚「お~い?結愛?…結愛?」
渚が結愛に声をかけても結愛は考えることに集中している為、返事がなかった
茜「お~い結愛?私が悪かったから…だから帰ってこ~い」
しばらくして結愛は思考の世界から戻ってきた
結愛「ううう…これからどうすれば///」
渚「とりあえずっ!先輩と色々、話してみてみれば?」
結愛「えっ…話って?…たとえばどんな事、話せばいいの?」
渚「それはまず自分で考えなさい!そう言うのは自分で考えるのが1番なんだから」
結愛「うん…わかった…」
茜「とりあえず体育館入ろう?もうそろそろ始まるよ?」
それから3人はちゃんと入学式に出席した、そして翌日になるまで結愛はずっと1人で考え込んでいたらしい
そして翌日、3人で登校中…
結愛「結局一晩中考えたけど、思いつかなかったよ~…う~…」
そう言ってうなだれる結愛を見て、渚は1つ提案をする
渚「じゃあ!いっその事、先輩に聞いてみればいいじゃない?」
結愛「えっ…何を…?」
渚「だから、先輩に彼女いるのか?とか好きな子いるのか?とかさ」
結愛「えええ~~~!!!////……そっ…そんなの無理だよ…///」
茜「でも早くしないと先輩ほかの人に取られちゃうかもよ?…結愛はそれでいいの?」
結愛「それは…良くないけど…」
渚「じゃあ聞こうよ!結愛ならいけるって!可愛いんだから!」
茜「渚…あんた楽しんでない?」
渚「当たり前でしょ!これは大スクープよ!楽しくないわけないじゃない!」
茜はテンションの高い渚に向かってため息をつき、結愛に話しかける
茜「とりあえず昼休みくらいに頑張って聞いてみれば?私たちも応援してるからさ」
結愛「うん…頑張ってみる…」
そして昼休み、結愛は蓮の居る教室へ向かった
結愛「(先輩…居るかな…)」
内心ドキドキしながらも蓮の教室をそっと覗く…しかし蓮の姿が教室には見当たらなかった
結愛「(あれ?先輩いないのかな?)」
結愛が教室をもう1度見ようとした時、後ろから聞いたことのある声が聞こえてきた
蓮「結愛ちゃん?何してんの?こんなとこで?」
結愛「ひゃあ!!!しぇ!しぇんぱい!!あのっ!その!しぇんぱい!おくじょうにっ!」
結愛は突然の事で緊張しすぎて自分で何を言ってるのか分からなくなっていた
蓮「結愛ちゃん!?とりあえず落ち着いてっ!?ほらっ深呼吸、深呼吸」
その場で深呼吸してどうにか落ち着く結愛
結愛「そっその…聞きたい事があって…放課後…その…よかったら…屋上に来てくれませんか…?」
蓮「うん、いいよ?」
結愛「あっ…そ…それじゃあ…///その…また放課後に…///」
そう言って結愛は足早に、蓮の教室から去って行った
ーそして時は放課後ー
蓮「ごめん…まった?」
結愛「あっ…いえ私も今、来たばっかりですから…」
少しばかりの沈黙の後、蓮が話を切り出した
蓮「それで?聞きたいことって何?」
結愛「あっ…はい…あの!…せ…先輩って…その…好きな人とか…居るんですか?」
結愛からのいきなりの質問に驚き、考え込むとしばらくして答えが返ってきた
蓮「ん~…いるよ?」
結愛「あっ…そ…そうですか…」
それを聞いた結愛は少し落ち込んだ表情をする
結愛「(そうだよね…先輩みたいにかっこいい人が好きな人いないはずないよね)」
蓮「でも…俺、その子の事、何も知らないんだ」
結愛「えっ?…どうしてですか…?」
蓮「兄貴から聞いただけで、その子の事まだまだ知らないんだ」
結愛「そう…なんですか…その子は、どんな子なんですか?」
蓮「兄貴が言うには、最初、暗い女の子だったけど兄貴があることをしたらその子、笑ってくれたんだってさ」
結愛「あること?」
蓮「それは俺も知らない…俺だけの秘密だって言って教えてくんなかった」
結愛「そうなんですか…その…お兄さんは今、何をしているんですか?」
その質問をされた瞬間、蓮の顔が少し悲しそうな顔になった
蓮「……死んだよ」
結愛「……えっ…」
蓮「小さい頃、俺と一緒に買い物中、交通事故にあって…」
そう言って蓮は結愛に悲しそうな笑顔を向ける
結愛「……す…すいません…」
蓮「ふふ…なんで謝るの?別に気にしてないよ」
結愛「だって…いきなり先輩の事、呼び出して…変なこと聞いちゃって」
蓮「良いよ別に…それに兄貴は死んでない…俺の中で生きてるんだから…」
そういって蓮は悲しそうな眼をして自分の胸に手を当てる、Yシャツの隙間から見えた胸には大きな傷が痛々しく残っていた
その傷を見て結愛は、勇気を振り絞って言った
結愛「私…なにか……先輩にお詫びがしたいです…」
蓮「良いよ別に?気にしてないから」
結愛「でも…それでも…何か…お詫びがしたいです…すいません勝手で…」
結愛は何か謝罪がしたかったのだろう…蓮の心を傷つけた事を後悔し、どうにか彼を元気にさせてあげたいと思った
蓮「ん~じゃあ…俺のお願い1つ聞いてくれる?」
結愛「えっ…あっ…はい…」
この時結愛は、たとえどんな事でも言う事を聞くつもりであった…しかし返答は意外なものであった
蓮「来週の月曜にある学校行事、マラソン大会で俺と一緒に居る事」
結愛「………えっ…………そんな事でいいんですか?」
蓮「うん…それだけだよ?結愛ちゃんは何を想像してたの?」
結愛「あっ///いや…///その…///し…しつれいしますっ!!」
結愛は顔を真っ赤にしながら屋上を去って行った
結愛が去った直後、蓮は笑いながら1人呟いた
蓮「ふふ……面白い奴」
そして数日後、マラソン大会の日がやってくるのであった




