3-10 石盤のこと知ってた人~?
「はぁ、で、防衛隊はこういうときはどうするんだ?」
今居るところの敵は全員とっつかまえてウィーディーは大人しく立っている。
敵は体に鳥の刺青をしている。
ヴァロルシアスと同じやつだ。
ヴァロルシアスの姿はないが、これが彼の言っていた盗賊団だろう。
「はい、全員防衛隊の宿舎にある牢屋で監視、状況が分かり次第処罰されます」
「んじゃ、こいつらを引っ張っていったら良いのか」
入り口の方もだいぶかたがついたようで、静かになった。
俺は力とかないんで、一番軽そうなやつ一人を引きずろうとした。
「ふふふはっはっはっは」
ん、壊れたか?こいつ。
「防衛隊もこんなもんか。
くはははは・・・・・。
こっちが囮とも知らずに一生懸命頑張ってくれて、ありがたいねぇ」
他の4人が駆けてくる。
「どういうことだ?」
この4人が防衛隊なのかさっきまで信じられなかったが、かなり洗練されている動きと言葉でそんな疑いはどっか行かざるを得ない。
「くふふふふ・・・・狙いは、城だ」
「城には王も王女も居ないはずだが」
「そんな事は知っている。
四大大国会議に行ったのだろう。
そのせいで、守りがほとんどない事も分かってるぜぇ~」
「なぜそれを知っている。狙いは何だ!」
アンナは剣を突きつけながら言った。
「狙いは・・・・石盤だ」
男はそれだけ言うと、いつの間にか開けた縄の隙間から手を出し、アンナの剣を自分の喉に突き刺した。
赤い血が飛び、男は動かなくなった。
石盤って、あの割れたやつか。
俺が投げた後、誰かが踏んで割れたやつだな。
たぶんそうだ。
名探偵の俺が言うんだから間違えはない。
んて事は王女様の部屋か。
「石盤とは何だ・・・」
一人つぶやくアンナ。
とりあえず教えておくか。
「サフィーの部屋にあったよ」
アンナは驚いた目をこっちに向け、
「ベル、キャンド、デグリア、城に向かうぞ!」
「「「了解」」」
「んで、昨日の夜はここにあった」
昨日石盤があったところには、石盤を立てていたと思われる鉄の器具がポツンと残されている。
まあ、ドアがぶっ壊れてるあたりで予想していたけど。
「昨日の夜は、か・・・・・んな、貴様、昨晩姫様に何を!!」(アンナ)
「あら~。ずいぶん、早いこと行動に出たもんだ」(キャンド)
「じゃあ、私たちの今日の仕事はいりませんでしたね」(デグリア)
「説明を」(ベル)
おい、止めろ。
アンナは剣を降ろせ、危ない、って近づいてくるな。
それ以上は俺ゾーンだぞ。
入ってきたやつは聖なる力で消えてしまうんだぞ。
「いや、違うから。
全く、全然、全て、まるっきし違うから」
「だから今日の姫様は悲しい顔を・・・なんてひどい」
俺の必死の抵抗も、彼女たちには届かない。
「だからちがう!
それよりも、石盤はどうするんだ。
なんか、国の防壁から離れるように、平原を走っている馬車的なもんが見えるんだが」
っと、俺は外を指差した。
その先にはデカイ馬が小さめの馬車を猛スピードで駆け抜ける姿が。
「間に合わないな」(ベル)
えっと、はい、今、臨時防衛隊会議たるものが開かれております。
場所は俺と王が始めて合って、俺が王女様を救っちゃったところです。
人数は・・・ひー、ふー、みー、やー・・・15人です。
王様が姫様の護衛のために200人ほど持ってきました。
・・・いや、どんだけだよ。
城の中のほとんどじゃないか。
んで、俺が中心になってるこの状況。
「・・・じゃあ、何で馬車が出て行ったんだ?」
「それが・・・・」
目の前に居るのは、さっきから冷や汗をかきまくり、顔色まで悪くなってる、門番の防衛隊。
「はい?それが?」
「実は、カルフ様に賭博場に連れて行かれて」
「んで、カルフって、あの爺さんの子供の?」
「はい、よくあるんです。
勝手に防衛隊を自分のために動かしたり」
「なんでそんなやつが国のお偉いさんやってんだ?」
「それが、あの人51歳ですでに王国の最大の貿易会社を実質支配していて」
「51歳!?」
いや、どう見ても20過ぎが限界ではないのか?あの顔からして?
「はい。
なので、簡単には逆らえないんです」
あっそ。
「んで、あの石盤って重要なの?」
「それが、その石盤の存在は知らなかったもので」
「あ、そうなの。
は~い、知ってた人は手を挙げて~」
はい。
ん?
あれ?
手を挙げているのが俺一人?
何で俺しか知らないんだ?
「サフィーの部屋に入ったことがある人!」
と聞いても誰も手を挙げない。
「あの、姫様の身の回りの世話をしていない、私たち防衛隊は・・・・」
あ、そっか。
「んじゃ、姫様の部屋に入ったことがあるもの、呼んできて」
『ずいぶんと偉そうじゃな』
ソウ、まだ焼きもちやいてんのか。
まあ、今は眠すぎていらいらしてるんだ。
第一こっちの時間には体が合わん。
睡眠時間が5時間で、またすぐに夜が来る。
でも眠くなくて眠れん。
んですぐに朝が来て、眠気が最頂点に達するのは昼間。
我慢して夜になってもすぐに朝。
新たな種類の時差ぼけか?
さらに今、夜だし。
んで、待つことナナレンジャーの1,5話分ぐらい。
ナナレンジャーCMやたら少なかったけど、スポンサーが付かなかったのかな?
まあ、あの時間に誰が見るんだ、って事だけど。
よくやって行けたな。
ん?聞きたくないの?そうか、しかたないな。
待つこと30分ぐらい、メイド服のおばさん、おねえさん、少女、などなど。
「ええっと、サフィーの部屋にあった石版のこと知ってる人?」
一人が前に出てきた。
「はい、脱獄犯がでた次の朝に姫様の部屋にありました。
最初から割れていました。
いえ、この城の牢が危険なわけではありません。
ただ、あのときの脱獄犯は黒髪に黒い目、見たこともない服装で、悪魔の類じゃないかと噂されている・・」
「あ・く・まじゃない!俺は人間だ!
罪もないのに牢屋に入れるこの国が、悪魔だ!」
「説明を」(ベル)
「少し前に脱獄したのは俺だ!」
そう言ってバンダナをはずした。
黒い髪がもしゃもしゃと・・髪、伸びたかな?
その瞬間、周りの人の目が恐怖や怒りや驚きで染まる。
「あ、あなた、何なの。」(アンナ)
「説明を」(いつも冷静なベル)
ん、こういう場合、別の世界から来たって言ってもいいのか?
それは極秘にして置いて、時期が来たときに、正体を明かしたほうがかっこいいのか?
まあ、いっか。
「俺は、青葉高校2年C組み、出席番号16番、楽しさを追い求める永久の遊び人ジョーカーだ!
気がついたら、日本ってとっから、ここに連れてこられていた。
サフィーの魔法の失敗だとかなんとか!」
いきなり静まり返る部屋。
「俺はもう寝る」
気まずくて死にそうだったので、俺は部屋を出た。
あれ、俺の部屋どこ?
「はぁ、大変な事になったわね」(アンナ)
「ほんとに他の世界から来たのかね~」(キャンド)
「黒い髪なんて始めて見た」(デグリア)
「ここに来た理由がおかしい」(ベル)
王女専属防衛隊の4人は、防衛隊の宿舎で集まっていた。
「ほんと、王族が魔法を失敗する事なんてないでしょ」(アンナ)
「黒髪は、この世界にはいない」(ベル)
「いや、もしかすると、人里はなれた黒髪の集落があったり~」(キャンド)
「聞いたことある」(デグリア)
「「「へ?」」」
「あ、いや、王族が魔法を失敗したってはなし。
誰にも言わないでよ。
実は、姫様のおばあ様」
「アルメルナさんが?」(アンナ)
「うん、呼び寄せの魔法に失敗したって」
「そんな簡単な魔法を?」(ベル)
「うん、聞いた話では」
「そりゃないでしょ~。
だって、子供の頃から魔法が上手くて、魔王戦でも活躍したって話じゃな~い」(キャンド)
「そうだよね」
「それよりも、ジョーカーさんって何で姫様の事呼び捨てなんだろうね」(キャンド)
「やっぱり何かしら・・・・・」(アンナ)
その時、城の中で迷っていた俺はくしゃみを炸裂させていた。
なんか、ネタばれしそうだから、深く考えないで下さい。
(まず、こんな話を深く考える人がいるのか疑問?)
質:あの4人の事を教えてくださーい。
応:王女専属防衛隊。
王様が娘を守るためと、必死になって育て上げた4人組み。
その外見から、暗殺や情報収集などもやったりしている。
アンナは活発で明るい。剣を使う。
ベルは静かで冷静。氷系統の魔法を使う。サフィーと同じ水系統も使えるので、教えてたりする。
キャンドはのんびりやの様で情報通。言葉が伸びる。
デグリアは4人の中で最年少。妹のように扱われている。思ったことをそのまま言う。
はい、こんな感じにしときましょうかね、はい。
ところどころ使えそうだな。
もしかしたら書くかもしれません、ベルと姫様とか、4人で買い物とか、4人の過去でも書いてもいいかもしれない。
はっ!長々とすいません。