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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第2章:無限の減速

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第12話 召喚騎士

 その日の晩は、ソウジの夢を見た。

 普通に稽古をしているときの夢で。


 師範がサンドバックを殴ってて。


 突きの極意を教えるという話でさ。

 師範は素人の殴り方と、拳法家の殴り方を実演して見せて。

 拳法家の殴り方をしたとき、サンドバックが全然揺れないのが俺たちの目にも分かって。


「これが突き刺す突きだ。突き刺す突きはサンドバックをくの字に曲げる」


 師範は力の伝達時間がポイントだと口で説明してて。

 当時俺は意味が分からなかったけど。


 ソウジはすぐに理解して、同じことをすぐできるようになっていたんだよな。

 俺はだいぶかかったのに。



「マサヤ様、起きてください」



 リスリーの声で目覚めた。

 目覚めて、自分が夢を見ていたことに気づき。


 寂しさを感じた。


 ……そして怒りも湧き上がる。

 けれど


 昨日よりはマシになってる。

 俺は薄情なんだろうか?


 そう思い、罪悪感を感じた。


「……おはよう」


 挨拶をする俺に、リスリーは生真面目に一礼して


「ええ、おはようございます」


 そう一言。


 リスリーが用意してくれた朝食は乾パンみたいなものだった。

 カロリーメイツにも似てる気がする。


 ただ、固さが鉄みたいだった。


 齧ろうとしたが、全く歯が立たない。


(カタ)


 なのでそう洩らすと


「ああ、それはそのまま食べるものではありません。水に浸して戻して食べるのです」


 慌てた感じでリスリーが教えてくれた。

 ……なんとなくだけど、これ軍用の食事だろ。


 言われた通り水に浸してふやかして、何とか完食。

 味はしょっぱいだけで良くなかったけど、しょうがないよな。


 絶対これ軍用の食糧だろうし。


 食事が終わったら即出発。

 歩かないといつまで経ってもリスリーの実家に着かない。


 歩きながら、俺たちは会話した。




「なぁ、スキルって親から子供に遺伝するの?」


 聞きたかったことを訊く。

 リスリーは俺の言葉にこう返す。


「遺伝ですか……確かに子供に受け継がれる可能性はありますね。確実ではないのですが。……何故そんなことを?」


 答えを返しながら。

 突然の俺の質問に、何故そんなことを訊きたがるのかを訊ねて来た。


 俺は


「キミさ、アイツが『召喚騎士を大幅に増やす』って言い出したって言ってたろ。ということは、最初からいくらかいないとおかしいだろ。そこが気になった」


「……なるほど」


 俺の言葉にリスリーは感心したような響きで返す。

 その声が少し気分良かった。


 リスリーは教えてくれる。


「召喚騎士は貴族ですが、家の当主がスキルを失えばその代で終わりです。ワタクシの家も出自はそうでした」


 彼女の先祖も召喚騎士らしい。

 何代前がそうなのかは知らないけど。


 彼女の家ではリスリーの父親がスキルを持っていたらしい。

 だけど、リスリーにはスキルが遺伝しなかった。


 なので、本来彼女はスキル持ちの他の召喚騎士の家から、婿取りするしか貴族の地位を守る方法が無かったそうだ。


 ……なんというか。


 騎士、ってわりに。

 やってることが武士に似てる気がした。


 多分、当主以外のスキル持ちは他所の家への嫁入りとか婿入りの話が無ければ、一生家で独身を貫くようなことを強いられてるんだろうなと思う。


「大変だな」


 思わずそう口にすると彼女は


「別に辛いと思ったことはありませんよマサヤ様」


 淡々とそう言い切る。

 現代日本人とは感覚が違うのか……


 彼女の返しには悲壮感は全く無くて


 そのまま何か言いかけたんだけど。


 道の向こうに、建物が見えて来たのに気づき。

 リスリーは立ち止まって指差して


「着きました。……あの村です」


 こうして。

 俺は目的地である彼女の実家のある村に辿り着いたのだった。

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