↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心からネコを信じなさい〜眠る前の優しい物語〜  作者: 地野千塩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/85

ラーメン

 正直、飲み会なんて好きじゃない。


 ハワイ風の居酒屋で鉄板でパンケーキなんかは美味しいが、同僚や上司と飲んでも楽しくないのが本音だった。


 さっそく部長やパートのおばちゃんも悪い酔いしてるし。コロナ中に戻って欲しいとため息つきたくなる。お酒が飲めないのに、何で飲み会なんて参加しちゃったんだろう(パンケーキ目当てです)。


「中野さん、シロップかける?」


 そこに課長が話しかけてきた。課長も寄ってないというか、お酒飲んでない。年齢はアラフォーぐらいだが、仕事ができ、信頼できる人ではある。ただ、プライベートは一切謎。特に昼休憩の時は一切オフィスに近寄らない。指輪はしていないのでおそらく独身だろうが。典型的なフツメン。結婚相談所に行ったらモテそうなタイプ。


「ええ、ありがとうございます。課長はお酒飲まないんですか?」


 鉄板の上のパンケーキは、甘い香りをたて、おいしそうだ。ただ、もうちょっと今は塩気があるのも食べたくなってきた。パンケーキは美味しかったが、何枚か食べて飽きてきた。


「俺、飲まないんだ」

「私もですよ、課長も?」

「実はクリスチャンだからね。別に牧師は飲んでも良いって言ってるのが、聖書を読んでると酒飲まない方が良いかなっていう立場」

「へえ、意外」


 日本でクリスチャンは珍しいが、そんな話を聞きながら、ラーメンが頭に浮かんでいた。


 なぜかわからないが。


「今、ラーメンって思ったでしょ?」

「えー、何でわかったんですか?」

「よく言われるんだよな。アーメン、ラーメン、冷やし素麺……」


 まるでギャグではないか。私は思わず吹き出してしまう。


「アーメンってどういう意味なんすか?」

「そうですっていう同意の意味。だからお祈りの最後に言う言葉だ」

「それなって感じですね」

「今風に言えばそうだね」


 謎な人物だった課長だが、こうして話して見ると案外普通。意外と気さくな人物かもしれない。


「というか、ラーメン食べたくなってきちゃったな。私、美味しいラーメン屋さん知ってるんですよ」

「へえ、どこ?」


 ラーメンの話題で盛り上がってしまう。もう頭はラーメンでいっぱい。この飲み会が終わったら、二人で食べに行く約束もしてしまった。


 酔ってないのに、なぜだろう?


 まあ、たまにはこんな日があっても良いはずだ。


「あと、キリスト教っていうとネコと和解せよってどういう意味なんですか?」

「あれは、ネコじゃなくて〜」


 珍しくムキになって説明している課長の横顔を見ながら、再び笑ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。