深•追憶⑥ 晩鐘
俺は正志の胸ぐらを掴んだ。「信じたくはなかったけどやっぱりお前だったんだな...お前もそっち側か。よーくもお前からしたら心底ムカついただろう話を平然と聞いていたもんだな。もうこうなれば話は別だ。それ相応のことをお前に...」「それをこの状況の中でお前はまだ語れるのか〜?」周りは俺に対しての非難の応酬だった。「なーにが証明するだ!!!結局お前じゃないかよ!!」「ふざけるな!!!」「最低のクソ野郎!!!」「お前なんか消えろ!!!」「なんか言ってみろよ!!!」そう。なんか言うべきだ。しかしこいつが全て改ざんしましたなんて誰が信じるんだ?これをどう説明する?その方法が全く思い浮かばない。とりあえず何か言わなきゃならない。ただ絶対に認めない。ここで認めたら事実になってしまう。それだけは...
「だーかーらー俺じゃねぇよ!言ったはずだ。こんなのする意味が俺に何をもたらすんだよ。お前らはこの写真の真偽すらできねぇのかよ。情報を全て鵜呑みにするのか?あー?自分が騙されてることにも気付かず。それこそ愚かじゃないのか?そんな奴らはこれからの社会生きてけねーぞ。とにかく俺じゃねぇ。俺はやってない!絶対に認めねぇ!!」一瞬黙り込んだ。が、「うるせえよ!!!何偉そうに語ってんだよ!!!全部お前だろ!!!見苦しいんだよ!!!いい加減認めろよ!!!」俺を嫉妬してたやつだろう。「そうだ!!今だって正志に手をかけたじゃねぇかよ!!!それでお前の方こそ嘘をついていることが証明されただろうが!!!」またクラスが非難で騒がしくなる。居場所がなくなるのは写真が出た時点で分かっていた。別にあいつさえ俺を信じてくれれば...
しかしそんなのは無かった。有紗がやってきた。「有紗、お前は信じてくれるよな、なあ?」「嘘つき...」「あ?」「この前言ったよね!?私にお前以外必要ないって!!今までセックスだって何回もしてきたのに!!私は信じていたのに!!!圧倒的に尚からヤラせろって言ってきたでしょ!?責任取ろうともしないで!!裏切り者!!!」こいつも逆だ。場の雰囲気に流されてやがる!!俺はヤル気なんて一切なかったのに!!!全部あいつから強引に迫ってきたのに!!!「おいふざけんなよ!!!何周りに流されてんだよ!!!お前だろよ全部!!!お前が強引に俺に迫ってきたんだろ!!!俺は抵抗しただろうよ!!!」するとこいつは泣き出した。「おい...テメェいい加減に...」「最低!!あんたなんかとっとと消えろ!!!」「消えーろ!消えーろ!消えーろ!」結局誰も俺を信じず、真実を知ることはなかった。
チャイムが鳴った。俺の道はもう存在しない。裏切られた。親友だと思っていた人から、恋人から裏切られた。全て失った。もう存在する意味がない。俺は教室を飛び出した。
お読みいただきありがとうございました。次回、深•追憶編最終回です。ここまで読んでいただけたら、人を信じられなくなった起源がお分かりいただけたと思います。さあ、尚治はどうするのか...また次回!




