08-エピローグ-
何時しか、ヒトと魔族はボクをこう呼ぶ様になった。
"大賢者アイラ"
ヒトと魔族が和解し、手を取り合う事で世界は新たな道を歩んでいく。その世界を生むきっかけであり、様々な栄華を齎した存在。
ヒトと魔族の橋渡しをし、様々な英知を世界中に齎した偉大なる賢者。
でも、ボクは何時までたってもボクのまま。
研究が好きで、知りたがりで、不自由の無いぐーたらな生活が好きな変わり者のサキュバス。
何時しかボクがサキュバスである事を忘れられても、相変わらずボクはフィーナと幸せな家庭で穏やかに暮らし、可愛い子猫ちゃんを集めて楽しく暮らしてる。
「ちゃんとヒトに英知を返せた」
「はい。私もまっさらなアイラさんを見る事が出来ました」
ボクが記して来た物は全てヒトに開放して返す事が出来た。新しい境地に至って、その研究にも関われてる。
宇宙船だってちゃんと完成させた。あの時の仲間も全員宇宙に連れて行けたし、ドラゴン達にも喜んで貰えた。
フィーナだって賢者と称えられるくらい活躍したし、今も一緒に研究を続けてる。
やっとここまでこれた。
やっとこの先に進める。
ボクは底無しの穴から天にも届く塔になり。
フィーナは誰よりも天に近い建物になった。
「ここに来て本当に良かった」
出会いと別れを繰り返し、大きな建物や眩しい街並みも生まれる様になったけど。
トアイライトは今も昔の様な温かさを持った良い場所のまま。
ボクの家の周りも殆ど変わらず。望み通り穏やかに暮らせてるよ
「ふふ。そろそろイキシアの花が咲く季節です」
「だね。見に行こうか」
「はい♪」
ああ、イキシアの季節は何度目だろう。
何度来ても飽きない。何度でも見に行く。
今も続くイキシアの植え替えも毎年参加してるし、すっかりイキシアの花が好きになった。
「そのままナンパでもしてみません?」
「あはは。それも良いね」
最高のハッピーエンド。
ずっとイキシアの町で幸せに暮らそうと思う。
第十三話了




