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淫魔さんの人間暮らし  作者: 仲田悠
第十三話「淫魔さん、明るい未来」
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02-美味しい食べ物は最強の武器-

 植物学者達が戻り始めた。

 中庭を借り、王様も同席させて持ち込まれた鉢植えや葉っぱ付きの木の枝を見てく。

「うわーい。やっぱ滅茶苦茶恵まれてる」

「本当ですか!?」

「「おおおっ!」」

 結果、農業国家としてやっていけるレベルと判明。取り寄せた植物の材料記録の膨大さに驚かせつつ、照らし合わさせながら確認だ。

「これ香辛料。これ香草。これ薬草。これは染色に使えるな。んー、これは蜂蜜が美味しい花だ」

「なんと…っ!」

「アイラ様の英知は本当に素晴らしい…っ!」

 とにかく出てくる出てくる。

 しかもまた見付けられたよ。

「これ桑の木だ。この葉っぱを餌にしてる白い蛾を見つけたら確保して。絹の材料」

「「おおおおおおおおっ!!」」

 鉄鉱山を挟んでトアイライトの反対側にある地域で桑の木を発見。

 素材記録から絹に関する情報を全て書き写させ、アッサムに紹介状を書いて実際の加工風景を見せてから植林させる。

 カイコガが見つかったら展開って事で。

「ボクはサキュバスで角や翼が媚薬の最高品質材料になるんだ。で、魔族の親友にこう言われた。お前は脳みそも体も金の成る木だなって」

「「ぶふっ!」」

 ほんとそれ。自覚する。

 ここまでくると幾らでも稼げる。

 って、うあー。揃っちゃったよ。

「こいつまであるのか。これも香辛料だよ。国内の香辛料を全部集めれば美味しい料理が出来る。カリーって言うスープなんだけど」

「「おおおおおっ!!」」

 カリーに必要な香辛料が全部揃った。

 ちと伝令を送って少し集めて貰うか。

 どの香辛料もかなり自生してたらしいし、王様と学者の分を作れるだけ収穫して貰おう。

 ついでに町長さん達にも伝えて今の段階から流通ルートを作ってしまえ。


 そんな訳で、集まりましたよ香辛料。

 魔法を活用して全部加工。

「香辛料だ…っ!」

「本当に香辛料…っ!」

「初めて味わう物しか無い…っ!」

「カリーは主軸となる香辛料に、他の色んな香辛料や食材を好みの分量で混ぜて調整するスープでね。カリー用のパンに付けて食べると美味しいんだよ。王様、ちと厨房に行って料理長に仕込みながら作ってくる。学者達にも振る舞いたいから食卓の準備をお願い」

「解りました!宜しくお願いします!」

 結構な量になったし、これなら十分足りる。

 フィーナも連れて厨房に入ろう。

「お、御身自ら宜しいのですか!?」

「あまり得意じゃないんだけど、この料理は結構作ってる。作り手次第で味が変わるから基本を教えるよ」

「おおおお!ありがとうございます!」

 じゃあ始めよう。

 主軸となる香辛料を教え、これの分量でも味が変わると説明してから色々と混ぜる。

 野菜何かも入れていこう。

「おおお…。なんと香ばしい…」

「お腹が空く香りだよねー。国によってはパン以外の物にかけて食べたりする。あ、豆とかあるかな。豆を蒸かした物にかけて食べるのも美味しいんだ」

「御座います!おい、豆を全て出せ!」

「「はい!」」

 食欲をそそる香りにワクワクしながら準備。

 良い豆が有ったんで沢山蒸かして貰おう。

 後は野菜が煮えるのを待つだけって段階まで来たら、スープ作りが上手い料理人に面倒を見て貰ってカリー用のパンを作る。

「普通のパンよりぱさっとするんだけどね。スープを吸いやすいから逆にその方が良い。で、焼く時はここにベタッとつけて直火。これで良い渇き具合になる。ナン、ってパンだ」

「おお…っ!」

 ナンもパン担当の料理人に。

 ボクが焼いたナンは試食用にする。

 スープを野菜抜きで掬いとり、ナンを千切ってフィーナと料理人も一緒にぱくっと。

「美味しいですううううっ♪」

「美味い!おおおおっ!美味いぞ皆!」

「「おおおおおおっ!!」」

 美味しいでしょー。

 辛さも丁度良い感じ。良い出来だ。

 ナンを三枚くらい焼いて、少しずつ千切って他の料理人にも試食させよう。

「美味い!本当に美味い!」

「アイラ様!国産の香辛料だけで作れるのですよね!?」

「そそ。他の国から別の香辛料を取り寄せて味を整える事だって出来る」

「「おおおおおおっ!!」」

 皆揃って大喜び。

 これなら王様も喜ぶと太鼓判を押してくれた。

「これも売れるんだよ。店ごとに味が違うから観光客を飽きさせないし」

「間違い有りませんよ!これは凄い!」

 香辛料の産地じゃないと食べられない。

 香辛料ってのは大抵高いから産地以外では高級料理だ。ここで食べられるなんて最高。

 ナンが揃うまで結構掛かるし、もうちょっと料理を用意しようか。食料庫を見せて貰おう。

「流石は城の食料庫。カリーに合う飲み物を用意しよう。牛乳と…」

 空いてる料理人に手伝って貰って材料確保。

 作り方を教えて果汁牛乳を作る。

 牛乳が多かったからフィーナにプリンを教えさせよう。

 アイスの為にこっそりバニラオイルも取り寄せてあるのだ。

「あ、フィーナ。プリンにカラメルソースを掛けて、生クリームや果物でトッピングして。プリンアラモードってデザートだ」

「うわ、美味しそうですね!」

 ちょっと豪華にもしてみたり。

 食べ物は美味しい方が良いのだよ。


「「おおおおおおおおおっ!」」

 王様やいつも王様と一緒に食べてるヒト達、そして学者達から大絶賛。

「これ程美味な料理が世界にあったとは!」

「これがこれからのマルクスの料理!」

「これなら大勢を喜ばせられます!」

「店ごとに味を整えられるのも大きいよ。香辛料の生産量を上げたくなるでしょ」

「「うんうんうん!」」

 元から香辛料は交易品として有力な物だし、それを見越して畑の広さを決めてた様だけどね。

 カリーを食べるともっと広げたいと思える。

「飲み物も美味い!」

「スープに良く合う!」

「出来ればヨーグルトって言う牛乳を使った食材も欲しかったんだけどね。まだアッサムでしか作られて無いから、酪農が盛んな場所で広めるか」

 ヨーグルト欲しかったわー。

 カリーに入れても美味い。

 あ、フィーナが幸せそうに黙々と食べてる。何この可愛い嫁。最高。

 ナンが無くなり、豆や野菜で最後までカリーを楽しんだらプリンアラモード。

「「おおおおおおおおおっ!」」

「黄色いのはプリンってデザート。トアイライトの定食屋で大人気。作り方も難しくないから材料を買って家で作るヒトも多いよ。しかも結構安い。高くて二百マル」

「「おおおおおおおおおっ!」」

 植物探し大きかったでしょ?

 食材探し大事だから。料理の研究も大事だから。ほんとほんと。

「公正な司法と安定した暮らし。民心を掴むなら最優先はこの二つ。これ普通に定食屋で食えるだけでも喜ぶって。毎日の活力になるって」

「「うんうんうん!」」

 だから展開頑張って。

 料理は定食屋を集めるし、産業はボクが回って立ち上げるから、とにかく畑を広げてくれ。

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