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淫魔さんの人間暮らし  作者: 仲田悠
第十二話「淫魔さん、立ち上がる」
82/92

03-宴会、かーらーのー-

 一気に和やかになったところで宴会。

 流石に王宮ともなれば豪華な食事が並ぶ。

「色んな酒の造り方も広めているとバランから聞きました。どれだけの酒をご存知なのです?」

「色んな事が知りたくて何度も世界を回ってるから、世界各地で飲まれてる酒の殆どで基本とされる酒造法は知ってると思う。トアイライトでも地方内で作られる材料だけを使って十種類以上教えてるね」

「「おおぉ…」」

 それでもやっぱりトアイライトよりはって思っちゃう。特に酒。葡萄酒のみ。

 あ、でも果物の山にマスカットが有るな。

 料理長に聞いてみようか。

「このマスカットは国産?」

「左様に御座います。本日の料理は全て国産の物を使ってご用意させて頂きました」

「マスカットも葡萄酒になる。マスカットだと白ワインって呼ばれるね。透き通ったワインだ」

「「おおおっ!?」」

 フィルがフレキと食材探しに出た時に買って来てくれてるんで、アイリスでも白ワイン作りが始まってるよ。

 あ、蜂蜜も出してくれてる。葡萄酒を飲み干して蜂蜜を入れて水で薄めよう。

 後は魔法でちょちょいのちょい。

「はい。蜂蜜酒、ハニーワインの出来上がり」

「「おおおおおおおっ!?」」

 王様のグラスにも入れてやろう。

 あ、フィーナにも入れなきゃ。

「酒だ!本当に酒だ!酒になった!」

「「おおおおおおおっ!!」」

「葡萄酒と並んで世界最古の酒って言われてた。魔法で促進したからすぐだったけど、実際にはパンに使う酵母を少し足して一ヶ月くらい熟成って感じかな。蜂蜜と水の比率次第で甘くて飲みやすくなるから甘さ別にしたり蜂蜜を選んだりすると楽しみが増えるよ」

 お酒は友達。大親友。知識は偉大。

 王様特権で料理人に造らせれば毎日飲める。

 蜂蜜は体に良いし、お酒にしてもそれが残るから適度に飲むと良い。香草を一緒に漬け込むのも味わいが変わるね。

「これ見る限りでもレパートリーが思い切り増えるなー。思ってたより肥沃だ。上手く広められれば観光客増えるかも」

「おおおおっ!」

「流石だ。陛下、アイラさんがそうと見込めば本当にそうなります。勿論民の頑張りも必要となりますが、某がお世話になっている町ではアイラさんのおかげで収益が料理だけで五倍になりました」

「「五倍!?」」

 ああ、アッサムは五倍いけたか。

 女性産業も含めると十倍とか楽に狙えるな。

 染め物も絹も大きすぎる。

「アイラ殿。視察団を送らせて頂けませんか」

「構わないよ。あー、でも、仰々しいとマルクスの宮廷に感付かれるかな。こことは逆で地方からの理解は得られてても宮廷にはまだ気付かれてないんだ。気付くのを遅らせてもいる」

「解りました。料理人と共に旅の者として送り出しましょう」

 視察団も悪くないな。

 べスタリアと懇意にしてるってのはマルクス宮廷への武器になるし。

「アーティファクトの販売も始めてるから、宮廷お抱えの魔法使いか錬金術師も少し寄越して。マルクスの王様と話がつくくらいには習得してるだろうし、べスタリアで展開する態勢が整う頃にはマルクスの周辺国も抱き込んでるだろうし」

「何とありがたい…。そちらも急ぎ人選を。しかし、アーティファクトの販売ですか」

「陛下。一番腕の良い魔法使いか錬金術師を。トアイライトでは生活の役に立つアーティファクトが一つ数万から十数万で販売されています」

「「おおおおおおっ!?」」

「そんなに安いのか!?本当ですか!?」

「うん。水を生むアーティファクトと沢山物が入る鞄が大人気。その辺りは高くて五万」

 ボクを受け入れて良かったでしょー?

 ちょっと噛むだけで繁栄まっしぐらだ。

【ご主人様!大変です!】

 おおお!?

 今のはアイル!アッサムに何が有った!

【領主軍が接近中!王国軍に加勢を要請する為、伝令も出した模様!】

 ちいっ!

 領主軍を忘れてた!

「王様、ごめん。折角の宴会だけど抜けさせて貰う。バラン!支度しろ!アッサムに領主軍!王都にも伝令を送った!」

「「うおおおおおおおおおっ!?」」

「解った!陛下、失礼させて頂きます!」

「ああ!アイラ殿、どうかご武運を!」

「悪いね!フィーナ、住所を書いて渡して!城門前で待ってる!」

「はい!」

 くそ、子爵の様子を見に来たか何かで気付いたか。早まった真似しやがって。

「アイラ殿!どうしました!?」

「緊急事態でしょうか!」

「マルクスの事だから安心して!国交問題になるから手出し無用!あ、でも大きな袋を一つ頼みたい!城門前にお願い!」

「「はっ!」」

 こうなるとペガサスじゃ遅い。

 アイル!距離は!

【明朝には到着!伝令は明日の昼に王都へ!】

 やっぱペガサスじゃ駄目だ!

「アイラさん!待たせた!」

「アニーを呼ぶ!袋を頼んだからマジックポケットにするぞ!」

「解った!」

 フィーナも来たな。

 バランには周囲に軽く説明して貰おう。

「アイラ殿!お待たせ致しました!」

「これで大丈夫でしょうか!」

「十分だ!ありがとう!」

 袋が来た!

 何かに使えるかもと備えておいた蜘蛛弦を口に縫いつけ、マジックポケットにしてから二人に入って貰う。

 周囲が驚くのを無視してアニーを召喚。

【主人!出番!】

「出番だ!アニーの足に捕まるからトアイライトまで飛んでくれ!」

【了解!足!】

「じゃあ、皆!何時かまた会おう!元気で!」

「「わああああああああああああああっ!!」」

 また来て欲しい。武運を祈る。助けてくれてありがとう。そんな歓声を貰いながら上空へ。

 衝撃波が城に及ばない高さまで飛んだら色んな魔法で自分を守りつつ方角や距離を指定して移動開始だ。

【主人!注意!アニー!飛ぶ!】

「心配無用だ!頼む!」

【行く!】

――ヒュゴッ!

 うひいいいっ!?

 自重緩和魔法も使って大正解!凄え速い!

【到着!】

 早あっ!?

「そのままアッサム!アッサムが狙われてる!」

【了解!アッサム!守る!】

 短距離なんでゆっくり。いや、あくまでアニーのゆっくり。とんでもない速さ。

「アイラさん!どうしたんだい!?」

「アニーと来るなんて何かあったのか!?」

「領主軍が来る!全力で守るから落ち着いてイキシア方面に避難して!町長さんとギルドにも伝えて!焦らず行動してよ!」

「わ、解ったわ!私町長さんに知らせてくる!」

「俺はギルドに行く!アイラさん、無茶だけはしないでくれよ!」

 いきなりで申し訳ないけど、まずは落ち着いて避難して貰おう。

 マジックポケットからフィーナとバランを出してフィーナとバランにも避難誘導を頼む。

 ボクはボクでイルルとシャルルにも声を掛けてイキシアとアイリスも準備させよう。

 アイリスは住民をイキシア方面に避難させる。

 イキシアは拠点として両方の町の支援態勢。

 更にケロス達ケルベロスとレン達レイスを大量に呼び、大通りを開けて貰ってアイリス側に向かって貰う。

【想定より早かったな】

「領主も軍を抱えてるのが抜けてた」

【成る程。まあ、それはそれで早く片を付けられると言うもの。ここのヒト達には随分と世話になったし、全力で守るぞ】

【右に同じく。わたくしもここが大変気に入りました。ヒトも果汁も素晴らしい】

【同感!同感!アニー!守る!】

 皆も気合十分。

 あ、ミシルガ町長さんだ。

「アイラさん!領主軍と言うのは本当か!?」

「巡回中のアイルが発見しました。明朝には到着するとの事。今は王都に送られた伝令を追っています。ここはボク達が死守し、アイリス方面にも使い魔を送ったので、町長さんは皆のところへ。落ち着いて避難する様に促して下さい」

「解った!無理はしないでくれ!」

「ボクを殺せるのはフィルだけですよ。皆をお願いします」

「ああ!」

 さて、防衛戦と行こう。

 インビジブルエアも大量に呼び、地方周辺を汲まなく調査させる。情報こそ戦争の肝。

【主殿。エアリーグルも呼んでくれ。アニーが吹き飛ばした後、敵軍の武器を奪うんだ】

「採用」

 実に名案だ。エアリーグル召喚。

 後方に待機して貰って、吹き飛んだ兵から武器を奪い取る様に指示。透明なままで良い。

 弓優先で狙って貰おう。奪ったら下がって落とし、いけそうならまた奪いに行く。無理は駄目。

「アイラさん!旦那から聞いた!」

「食い物の確保も準備が整ってる!」

「ありがとう!今のところここにしか向かってないから、町のヒトを守ってあげて!」

「「おう!」」

 よし、これで準備万端。

 軍が到着するまで、ここで睨みを利かせよう。


 ここでもフィーナは引き下がらなかった。

「絶対にアイラさんの側から離れません。回復魔法の出番も有るはずですし」

 確かにそうなんで居て貰う。

 王国軍がここまで来るのに恐らく四日から五日掛かるから、領主軍は王国軍を待たずに攻め込んでくるだろう。

 纏めて薙ぎ払った方が楽なんだけどね。軍隊二つになると一つ目が邪魔になるし。

【間もなく領主軍が到着!規模は五百!】

 来たか。戦闘が始まったら戻って。

 アニーの衝撃波に巻き込まれる。

【御意!】

 あー、ほんとだ。

 見えてきた見えてきた。

「五百だってさ。随分と舐められたもんだ。並のサキュバスでも皆殺しに出来る」

【ムスペルから離れているから仕方ないが、王国軍を待つくらいはするべきだろうに】

【大方、功に焦ったと言うところでしょう】

 領内のごたごたは自分で、と考えたにしても魔族を舐めすぎ。五百は犬死に。

 向こうもこっちに気付いたな。あー、そう言や斥候は出したんだろうか。馬鹿正直に向かってきた事からして出してなさそうだけど。

【私が見つけてからは斥候を出した素振りは見せていません。合流もしていませんね】

 はぁ…。平和だなぁ…。

「斥候無しだってさ」

【はあ?冗談だろう?】

【それで五百ですか?ご主人様、むしろ先遣隊の間違いでは?】

 先遣隊なら先遣隊でもう少し数が違うだろ。

 部隊構成を聞くか。

 …平和だなぁ。

「五百でボクを打ち取るつもりらしい」

【肩慣らしにもならん】

【同感です】

 普通に部隊編成してるよ。

 しかも騎兵少な目。逃げるだの後続に伝えるだのって気が丸で無い。論外。

 うーあ、止まったよ。草原の向こう側で。

【逆に後続の邪魔だな】

「なー。って、何あれ。一人来たし」

 おいおいおい。

 一人だけのこのここっちに向かって来たぞ。

「貴様がこの辺りのヒト達を拐かした魔族か!」

「失敬な。何をどう考えればそうなるのか解らんが、この一体の繁栄を見ての事ならむしろ感謝するべきだろうに。納税額が跳ね上がる程の繁栄をボクは齎してるんだぞ」

「だからどうした!我が領に魔族を住まわせる訳にはいかん!」

 面倒くさいなー。

 そう言う事なら解らんでも無いけど、いきなり軍を差し向けるとかどうなのよ。

 って言うか、わざわさ確認の為に出て来たとか馬鹿じゃねえの?流石に若者だけど。

「レン」

【御意!】

「うわっ!?魔物め!ぐあっ!?」

 そこで麻痺して倒れてろ。

 領主軍が動き出したけど無視だ。

「アニー。吹き飛ばして」

【了解!】

――ドオオオオンッ!

「「っ!!!」」

 うへぇ…。

 至近距離だと物凄い音だな。

 耐風障壁張ったけど、アニーと契約した時よりずっと凄い音だよ。あーあ、吹き飛び方も凄い。

「エアリーグル部隊!奪え!」

【【御意!!】】

 後はもう好き勝手し放題。

 吹き飛び方が凄すぎて気絶者多数なんで、どんどん武器がこっちに来る。

【アニーは凄いな。最大の功労者だぞ】

【感謝!アニー!役立つ!歓喜!】

 ほんと功労者。

 ケロス達も目を丸くしてる。

【主上!武器を全て押収しました!】

「うあ。お疲れ様。全部奪えたのか」

【御意!…と言うより、全員が気絶しておりまして】

「【あー…】」

 レン達が出るまでも無かったか。

【果汁が…】

「ちゃんと用意するから安心して。ケロス、レン達と組んで全員を向こう側に纏めてよ。ケロス達で囲んで、レン達と一緒に監視だ」

【有り難う御座います!ケロス殿、行きましょう!】

【おう。これはこれで厄介だな。王国軍が来るまで養わねばならん】

 なー。でも殺せない。

 こいつ等の食費は後で領主に請求しよう。


 領主軍を端っこに纏めたら、レンを遣いに寄越して冒険者達に声を掛けた。

 で、やっぱり冒険者達も驚く。

「なあ、アイラさん。領主軍ってこれだけか?」

「これだけ。しかも斥候無し」

「「はああ?」」

 規模はまあ魔族を知らなきゃ仕方ないと譲歩してやる。でも斥候無しは論外。

 更には魔法使いも神官も無し。人材不足なら王国軍を待てと本気で思う。

「俺達でもそこまで馬鹿な編成しねえ」

「な。居ねえなら居ねえで王国軍待つし」

「ねー。ボクが相手じゃなかったら犬死に確定だぜー?」

「「だよな」」

 とにかく食料運搬を頼もう。

 これから長く監視させる事になるし、監視だけってのも疲れる。

「すぐ持ってくる」

「んあ。フィーナさん何やってんだ?」

「連中の治療。アニーの衝撃波と轟音で軒並み鼓膜が破けたらしい」

「「うへぇ」」

 しかも治療までして貰ってる。

 これで手を引かないとか冗談じゃないぞ。

「俺も手伝うから回復魔法持ちも呼んでくれ。フィーナさんだけであの人数は無理だ」

「解った。すぐ戻る」

「悪いねえ。魔力的には問題無いんだけど、フィーナの無駄遣いとしか思えなくてさ」

「「だよな」」

 フィーナの優しさが勿体無さ過ぎる。

 悪いけど頼むよー。


 夕方頃に公爵がペガサスに乗って来た。

 家で待っててと伝えたんだけど、どうしてもって言うんだもん。

「お手数をお掛けして申し訳有りません」

「「うおっ!?」」

 しかも領主軍の前で頭まで下げちゃって。

「どうかお気になさらず。想定内ですから。本番は数日後の様ですしね。まあ、前哨戦でこの程度と言うのは別の意味で困りましたが」

「ぬう。軽く見ただけでも嘆かわしい。まさかとは思いますが、これで全員ですか?」

「全員なんですよ。魔法職どころか斥候すら無しの犬死に編成です」

「嘆かわしい…。何の為の領主軍だ…」

 そりゃ嘆きたくもなる。論外だろ。

 流石に領主軍の面倒までは見ないからな。

「それはそうと、バラン殿は無事に?」

「ええ。べスタリア国王とも仲良くなれましてね。良いのだか悪いのだか解らないんですが、知り合いのレッドドラゴンが顔を出してしまって。話し合いで帰って貰ったら大英雄扱いです」

「いやいやいやいや!それは大英雄とも呼ばれますよ!レッドドラゴンにもお知り合いが!?」

「この近辺のドラゴンの生息地は顔馴染みなんですよね。それや無能っぷりを突き付けたり軍の無能どもを叩き潰したら一目置かれました。べスタリアとは良い付き合いが出来そうです」

 英雄になったのは自覚してるけど。

 そんなの別にどうでも良いって言うか。

「あ、公爵。王様は騎士団をここに寄越すと思います?」

「いえ、それは無いでしょう。騎士団の管轄は王都周辺で、陛下直轄の領土のみなのです。他の国では別なのですが、何分我が国はマスカーニ騎士団しか保有しておらず」

「成る程。取り敢えずアルフには静観する様に言っておきます。先程領主の伝令が王都に到着したそうで。部隊構成も確認する様に言っておきました。公爵なら魔族の討伐にどれだけの規模を送りますか?」

「我が国の王国軍が保有するミスリル武器が五百なので、まずミスリル武器の精鋭三百。歩兵千の弓兵五百。騎兵五百。重装兵二百。魔法使い三百と神官二百でしょうか」

「妥当なところですね。さて、魔法使い三百か。どう拘束したものか」

 無力化は簡単。アニーで一発。

 問題はその後だ。

「ミスリル武器より魔法使いですか?」

「ええ。白兵武器は問題ありません。没収すれば良いだけですから。でも魔法使いは違う。ボクが王都に行っている間に魔法使いを養う事になるでしょうから、口を開くだけで町に被害が及びます。それと神官ですね。怪我人の治療をさせたいですが、レイスが殺されます」

「成る程、戦闘より戦闘後ですか」

 領主軍との戦闘やアニーの事を説明しよう。

 アニーが居ればどんな相手でも吹き飛ばせる。例えそれが魔族であってもだ。アニーの相手は障壁が大前提だし、不意打ちになるから初撃は必ず効果が有る。

「ならば、私が出て説得しましょう」

「お気持ちだけ頂きます。戦闘前に領主軍からボクがトアイライトのヒト達を拐かしているなどと言ってきまして。公爵も拐かされていると思われるのがオチですよ」

「ぐぬぅ…っ!何と愚かな…っ!」

「仕方有りません。魔族と一括りにして考えれば自業自得です」

 だから何とかして封じないと。

 …ふむ。

「王国軍が枷を持ってきてくれると良いんですけどね。以前お話しした封魔の枷を作れますから。五百人分の枷となると厳しいでしょうか」

「そんな物まで。ううむ。拐かされていると考えられているなら、協力的な者を投獄する為に用意するかもしれません。アイラ殿が想定していた様に錬金術師の強制連行も有り得ますし」

 それに期待しよう。アイルにそれの確認もお願いする。

「公爵は国王軍の進軍速度でここまで何日掛かると思います?」

「三千なら四日。今から枷を用意する事も出来なくは有りませんが…」

「用意したくないですねえ。ここの皆に枷を作って貰うのは悪すぎる」

「私もそう思います」

 こっちで用意するのは無し。

 ここで枷なんて作らせたくないし、作りたくない。

「ふむ。アイラ殿。アルフに枷を用意させると言うのはどうでしょう」

「あ。頼んでみましょう。魔法使いの人数分を優先して、可能なら神官用も。最悪レン達は下げれば良い。怪しまれない様に集めて貰います」

 その手が有った。

 エアリーグルにマジックポケットを持たせて王都へ向かわせよう。公爵のインビジブルエアが前に国内を探索してるから道案内を頼む。

 枷ならどこの枷でも良い。とにかく頑丈で外れなければ問題無い。

 よし、承諾を得た。編成もそろそろ終わるらしい。そっちも報告が来た。

「公爵が想定した部隊編成でした。枷の件も頼む事が出来ましたよ。良い案をありがとうございます」

「いえ、お礼を言わねばならないのは私の方です。兵達へのご恩情、心から感謝致します」

 これで問題は解決。

 ファリスに声を掛けて貰って、枷が届き次第量産して貰おう。

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