第3話 担任と書いてゴッツイ男と読む
よろしくお願いしま〜す
入学式が終わり、会場の全員が希望に満ち溢れた目をしながら自分のクラスを確認しに言っているのに対し、誠だけが絶望に満ち溢れた目をしていた。
「もう逃げ場がないのか……
あぁーーーーーーー!もう最悪だ!」
とは言いながらも、自分の状況を少し理解した誠は、自分のクラスを確認しに行った。
「俺のクラスは……1年3組か。全部で3クラスしかないのは、正直ビックリだなー。
てか、誰か教えてくれないかな。引きこもりが学校生活を普通に送る方法を!」
だがそんな嘆く誠に向けられる視線は、少々引き気味の視線だった。
気がつけば周りの人たちは、だいぶ教室に移動した様で、誠も渋々教室に移動した。
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何なの?この空気、孤独感、劣等感、この場違いさ。これだから引きこもりが生まれるんだよ!
教室に入った誠を待ち受けていた光景に、思わず心の中で叫んだ。
その光景とは、
・既に作られているグループ
・目立とうとするお調子者
・賑やかな空気
・そして、その中で誰にも話しかけてもらえない自分(恐らく入学式の時に、一度帰ろうとしてみんなから距離を置かれている)
ある程度想像していたが、こりゃなんじゃ!
よくアニメとかで学校でハーレム状態になる。とかあるけど、マジでなれたやつに方法聞きたいよ!
席に座ってからも嘆く誠をよそに、教室の空気はどんどん賑やかになっていく。
そんなこの教室が、一瞬にして静まった。あの男の一言で。
「おいお前ら!少しは黙らんか!入学初日だからって興奮する気持ちを全面的に態度に出すな!」
そう。あの男だ。俺をこの学園に先導したあの男教師だ。
教室が静かになったところで、その男教師が、喋り始めた。
「改めて、入学おめでとう諸君。俺はこの1年3組の担任となる、十文字 達也だ。これから宜しくな」
何で!何で俺の密かな最後の望み、女教師との地味にいい関係という望みまで壊すんだ、この学園は!
俺はゴッツイ教師じゃなくて可愛い教師が良かったんだぞ、おい!
誠は、またしても希望を潰されたのであった。
そんなアッパーを食らった俺に対して、まだ十文字先生は喋る。
「先ほど聞いたと思うがこの学校は主に異能を勉強する。だが、それは午後だ。
午前は、この世界出身の者は自由時間。異世界出身者は、この世界の歴史、成り立ち、習わし、地形などを勉強してもらう」
おい!!!!十文字先生は何度俺を絶望させればいいんだ!
異能を勉強するって言われたら、誰もこの世界についても勉強するなんて思わねぇだろ!
誠は、アッパーの次にストレートを食らった。
俺はもうKO寸前だ
だがそんな俺を十文字は一言で、体力全回復させた。
「じゃあついにお待ちかねの……異能鑑定を行う!!!!!」
「オォーーーー!」
「待ってましたーーーーーー!」
「早くーーーーーー!」
各地から、いきなり喜びの叫び声が聞こえた。
「あぁ。やっとここで異世界最初の楽しいビックイベントが訪れた…」
ここにきて誠の顔に、初めて笑顔がこぼれた。
「それじゃ、みんな保健室に行くぞ!整列!」
「はい!!!!!!!」
誠は、こんなに素早く綺麗な整列を、人生で初めて見た。
☆☆☆☆☆☆☆
「はい皆さん、こんにちわ。
今から異能鑑定を行いますが、その前に異能について少し説明します」
70歳くらいのおばぁちゃんが、保健の先生?
保健の先生は、20代っていうのが常識だろ!
異世界の常識はおろか、学校の常識すら通用しないこの世界に、誠は諦めすら感じていた。
そんな誠をよそに、その保健の先生は喋る。
「まず異能には、4つの種類があって、その4つの種類には大まかな強さの順番があります。
因みに異能の数は確認されている限り10000種類。みなさんがかぶる事はまずないと思ってください。
まず1位。それは…発動系統。火や水などを発動できる種類です。
次に2位。それは…召喚系統。ドラゴンやペガサスなどを一体召喚できる種類です。
次に3位。それは…強化系統。身体能力をありえないほどに高める種類です。
最後は順位はありません。それは、魔王系統だからです。
これは、全部で今の所5つ確認されていますが、どうやったのかは知りませんが、魔王が作ったとされる異能です。そのうち3つは強大な力ですが、後の二つは2位と3位の間くらいの強さです。
以上が異能についてです。
検診したら、私がその人の異能について教えます。そしたら、きっと手を動かす様に異能が使える様になります。
それでは検診開始です。出席番号順に私のもとに来てください」
ところで伊達という名字は、出席番号18番か。クラスが30人だから、俺はちょうど真ん中くらいか。
この学園の出席番号は特殊で、男女合わせて、苗字のあいうえお順で出席番号は決まる。
その中で半分以上という事は、[あ〜だ]までの間に、半分以上の人がいるのか。なんか人数バランスがおかしくないか?
と、考えていた誠の耳に、いきなり歓喜の声や嘆きの声が聞こえてきた。
「おっしゃー。俺の異能は、火を発動できるだって。超カッケーじゃん!」
「あぁーあ。私の異能は、常人の10倍のダッシュができる、か。残念だなー」
「それでは次……伊達 誠くんどうぞ」
「はい!」
遂に俺のビックイベントが幕を開けた。
次もお楽しみに〜




