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虚無の地平線  作者: 白雪銀髪
序章-地平線の彼方から-教師編
9/16

6-2 物語を進める鍵は、転生

~あらすじ~

ルカの正体は転生者、精神干渉魔法という強力な魔術で

転生者のストーリーを聞き出すことにした

>>>

俺 プロフィール

三十路童貞無職非モテ非リアヒキニートオタクチキンポークの一言に尽きる

一言じゃない?これを一言で【俺】と言うんだよ


俺には親が居ない

母親は俺を生んですぐに他界し

父親は当時10歳になった俺を祖母の家へ預けて蒸発した

その祖母も俺が一人立ち出来た頃に、死んでしまった

俺が一番好きだったのは、最後まで優しくしてくれた祖母なのだろう


だが、死んでしまえば、俺には何も残ってない

全部、嫌いなものしか残っていなかった


上司に媚び売り責任を全部押し付けられる仕事が、嫌いだ

努力すれば救われると妄言を吐き才能のある者を優遇する社会が、嫌いだ

下に落ちれば馬鹿にされ、上に昇れば嫉妬され、嫌悪される人生が、嫌いだ

開始地点が違うだけで、一度失敗するだけで、全てを否定される理不尽な世界が、大嫌いだ

死にたかった、でも苦しむのも嫌いだ

どうすることも出来なかった俺に残されたのは

祖母の残した財産と、ネトゲと、ラノベだ

ラノベは、いい現実逃避になった

文字を読むのが苦手だった俺は、ラノベで繰り広げられる異世界の物語に興味が湧いて、文字に集中する事になった

そのおかげで、周りの世界を一時の間忘れる事が出来る、異世界に没入出来た

だが悲しきかな...

実際にそんな世界が存在する事もなく、俺はただ現実逃避をしていただけなのだ...

その時は、そう思っていた

>>>

「...イベントもこれで終わりか...次のイベントは一週間後かぁ...」


天気は雨、俺の心も雨

人気オンラインゲームのイベントが一つの通知音と共に終了を告げた

当然、無職の俺は何もする事がなかった、暇だった


『オッスオス、鳥豚さんお早うございまーすw』

『イベント連日徹夜お疲れ様、鳥豚さんd』

『ポリバケツ何個消費したらそこまで出来るんw』

『流石ですね、尊敬します!』


ネットの専用掲示板で様々な労いの言葉と共にイベントの反省会が開かれる

その労いの言葉の大半は、イベント開始から終了まで無睡を達成したイベントランキング一位の鳥豚

もとい俺へかけられた言葉である


ちなみに鳥豚はチキンポークといい臆病な豚という自虐的イメージで考えたハンドルネームだ


労いの言葉は虚しくも、俺には届かない

何故ならもうそれが俺のやるべき当然の事だったからな


俺は更新されゆく掲示板を見てふと気付く


「あぁ...ラノベの新巻が出るんだったな...見に行かなきゃ」


俺は掲示板で俺を崇め奉る(?)鳥豚ファン共に一つ、出掛ける、と残し

傘を持って駅前の本屋へ行くことにした

>>>

目的の新巻を買い、自宅へ帰宅する事にした

合計14冊

読書は一週間後までこの暇を耐え抜くための唯一の手段だ

1日2冊のペース読もう...

どれから読もう...

新しく発売されたシリーズはあとで読もう...

そんな事を雨の中、傘を片手に歩きながら考えていた


ふと、前を見る

トラックが車道を走ってきた

後に通るであろう道筋には、水溜まりがあった


俺は水飛沫が買ったラノベに飛ばないよう、車道とは反対側の手にラノベをもちかえた

大げさだろうか、半身で守るようにもした

ラノベは俺の人生だからな...

トラックはそのまま水溜まりを通り過ぎ...


急に方向転換して、俺のほうに、迫ってきた


「...は?」


一瞬だった


水溜まりでスリップしたトラックは


俺の事をゴミの様に吹き飛ばしそのまま引き潰した


ブレーキの一つかけろよ...


痛い

痛い痛い

でも、すぐ痛みは無くなった

何も無くなった

死んだ、と

認識した


俺は、朦朧とする意識の中で、空中に飛び交うラノベを見た

走馬灯?見たくもないんでスキップさせて貰った

俺は雨に晒された地面に落ちていくラノベを見て、


「...ラノベ主人公みたいに、なりたかったなぁ...」


場違いな遺言残し

ビチャっと言う音を最後に

俺の目の前全てが、消えた

>>>

...

...

...


「...」


...痛いなぁ...


俺は、再び覚醒した意識の中


「何で...生きてるんだよ...」


嬉しいような恐怖を持って

異世界の貴族の子供に、転生した事を知った

>>>

-現在-

「それが、お前という人物か?」


シルヴァが確認する


「はい...そうです」


俺は頷く


この瞬間から、俺や、シルヴァ等の視点が、一気に変わった


「はぁ...」


「...」


時間が、長く感じる

一気に変わった雰囲気に、俺は追い付けなかった

だが、シルヴァは違った


「...そう言う事なら、いい」


「え?」


つい、目を見開いてしまった


「お前は、お前だ」


そして、納得した

それを加味した上で、一つ問う


「...転生者の事、バラすんですか?」


その問いにシルヴァは


「...お前はお前だ」


もう一度同じ言葉を繰り返す


「お前は、ただの魔力量が多い、ルカ·ハイリッヒだ、お前は、ルカだ、俺が態度を変えることは一切無い...もう驚き飽きたからな、当分は何も驚けないだろうな」


そう言ってシルヴァは立ち上がり

部屋を出ていった


「...念のためだが、お前のその【才能】は秘密にしておくべきだ、分かるな?」


そう言い残して


「...はい」


俺は呆気に取られたまま

時計は日の変更を告げる鐘を鳴らす

>>>

先生に転生者とバレて、1ヶ月たった


呆気ないほど何も無かった


変わったと言えば、俺が1ヶ月で2等級魔術をマスターした事くらいだ


通常、無属性から基本属性へ、基本属性を組み合わせ混合属性を錬成する技術には、熟練度が必要な物だ

早く的確にスムーズにあらゆる状況に応じて、必要な属性を錬成する技量が、魔術師に求められてくる


だが、俺には虚無魔法【自動錬成】がある

必要な基本属性さえあれば、割合と目的の属性を念じてイメージすれば

錬成という工程をすっ飛ばして、混合属性が生成出来るのだ


そのため俺は一週間で基本属性魔術を覚え

そこから基本混合属性魔術を覚えた

物覚えは良い方らしかった


ただ、俺には圧倒的な欠点があった


...不器用なのである


運動神経も鈍く、マナーも礼儀もままならない状態だった

なので

先生は改善案を出してきた


「ルカ...お前を道場に入れようと思うんだが、いいな?」


「...は?」


このまま、何もない日が続くと、

思っていた時期の俺にはありました


「すまん、突飛過ぎたな、体力面を補うために、お前を私の武術の師匠に紹介することにした、親には話は着けてある、師匠の所有する家にも滞在させて貰う」


...あれ、これって


「...いいな?」


パワ○ロで良くある...


「...はい」


合宿イベントの始まりですか...?

ルカ·ハイリッヒ 男 5歳 


身長:105cm 体重17.5kg

特徴:白髪(灰に近い) 見た目は年頃の女の子と大差ない ハイリッヒ家の長男である

父親:ベルモンド·ハイリッヒ

母親:マリア·ハイリッヒ

魔術:得意 【自動錬成】【2属性生成】魔力総量【大】

武術:苦手 体力【そこそこ】筋力【皆無】不器用

礼儀作法:覚えようと努力している まだあいさつや日常会話程度しか出来ない

得意属性:水 風 (氷魔術)

総合階級:暫定 三等級魔術師


追記:転生者である事が、6月25日現在判明した

  まだ発展途上にある子供であるため

  今後の成長が期待出来る

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