表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世界  作者: 北極星11
30/39

■第29話 〜闇にとらわれたシンジ〜

(もう、学校へ行けない…。)

「シンジ、開けなさい。どうしたの?」

「来ないでくれ…。」

「ねえ、どうしちゃったの。何がおきたっていうの?」

「母さんには関係ないだろ。もうかまわないでくれよ。」

(なんでこんなことになった?サトミが自殺をしてからか?いや、俺があいつに告白してからか?関係ないやつまで偉そうに言いやがる。「あなたがサトミを振ったから、サトミは自殺したんでしょ。」だと、冗談じゃない。こっちは振られた上に、濡れ衣まで着せられたんじゃ、やってられないぜ。クラスの奴らはきっと今頃俺のことを話して笑ってるんだろう。)

「う…」

 口に手を当てて急いでトイレへと駆け込むシンジ。

「うえええ。」

(気持ち悪い。胸が苦しい。誰か助けてくれ。)トイレの床にひざをつき、かがみこんだ状態で嘔吐おうとを繰り返すシンジ。

「シンジ、大丈夫?学校には欠席の連絡を入れておいてあげるから。後でいいからどうして何も話してくれないのか聞かせてね。」

 シンジの目の下にはくまができ、ここ2、3日で別人のような雰囲気をかもし出していた。


「シンジ、開けなさい。学校を欠席までしたんだから、理由くらい聞かせなさい。母さんだってパートがあるんだから。」

(くっ。こんなに苦しい思いをしてるのに、なんであんたの都合にあわせて俺が言わなきゃならないんだ。)

「うるさいっ。」

「シンジ、親に向かってその言い方は無いでしょ。あなたそれでも高校生なの?自分のことくらい、自分で説明できなきゃだめでしょう。もう行くからね。どうなっても知らないから。」

(うるさいな。…母親でさえ、自分の心配なんかしていないか…。)

「静かに、してくれよ…。」

シンジの目から涙があふれていた。

(チクショー。なんでこんなに嫌なことばっかり考えるんだ。くそっ、くそっ。)握り締めたこぶしを思い切り壁にたたきつけた。ドンッという音に異常を感じたのか、シンジの母親は慌ててドアをせわしなくノックする。

「どうしたの?どうしたの?シンジ?シンジ?」

「うるさいっ。はやくパートに行けよ。」(本当はどうでもいいくせに。)

「これ以上私に心配を掛けないで。」

(…ほら、結局は自分のことしか考えてないんだろう。)

 シンジは引き出しの中にあった果物ナイフおもむろにを取り出し、きつく握りしめた。



またまたシリアル場面です。

極端かもしれませんが、苦しいときや、辛いときって、気持ち悪くなったり、

どうしようもなく感じたりするときってありますよね。


★筆者コーナー★

ホーリーランドという漫画おすすめです。

まあ、けっこうバイオレンス系ですが。

主人公の悩みとか、強くなる姿とか、見ててスカッとするときもあり、なんたらかんたらです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ