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3.孤独な駅舎

(前書きというより前回のこと)血迷って家出した。光に感動した。

 私はついに町を出ることにした。この町とは長い付き合いだったとはいえ、この町にいてはいつかは死んでしまうと思われたので、出ることにした。

 20:32発の鉄道に乗ることにした。辺りは闇に包まれていて、ただ鈴虫などの声が聞こえるだけである。昼は暖かかったのに、今は非常に涼しい。(あたりが少しぼやけて)列車が来た。ひとまず乗ることにしようと思った。

 その列車の車内は、外よりもさらに涼しかった。なぜだろうか。いや、そんな筈はない。外よりも涼しいなんてことがある筈がない。

 兎にも角にも、ひとまず座席に座ることにした。そして辺りを見渡してみた。人の影しか見えない。確かにそこにあるものが見えない。これは、車内灯が明るすぎる所為なのか? いやそんな筈がない。そんなことがあってはいけないのだ。まず、この車内の車内灯は蝋燭のような火なのだ。そのような小さい小さい今にも消えそうな命であるものが、わざわざ自らを自らで殺すような行為はするわけがないからだ。

 ではこれはなんなのだろうと、その影に近づいてみた。急に鼓動が高まってきた。なぜだろう。きっと、人などいなかったからだろう。それなら、何をみているのだろうか。幻か。妄想か。いや、そんな筈がない。.........のか? いや、あるかもしれないが.......もしそうだとすれば......こんなに酷い夢は見ないだろう。

 私はふと、疑問に思ったことがある。私はどこにいるのだろうか? いや、どこにもいないのかもしれない。

 兎にも角にも、本能的に、この車内から抜け出さねばと思った。ドアが急に閉まり出し、動き出した。監禁されたのだ。ただ、星の光が何よりも綺麗に映っていた。また、どんどん遠ざかってゆく駅舎は寂しげであったが、言葉で表せないほど美しかったのだ。

 太鼓の音が私の耳に聞こえてきた。兎にも角にも、早くここを抜け出さねばならない。とりあえず、車掌室に向かうことにした。この列車は四両編成で、車掌室は四両目にある。そして、今いる場所が二両目であるから比較的早く行ける。だが行くことができない。走っても走ってもそこには辿り着けない。まるで、私の実力だけでは遂行できないと告げるように。

 今度は私の耳に踏切の音と人の話し声が聞こえる。その声は人の声には聞こえない。だが、そんな声でも驚いているような声であることは分かった。踏切の音は、この国のものではなかった。いや、まずこの世界のものではない音がしていた。これはまるで蓄音機をおそく回した時の音に近い。もっと言うと音が錆びている。

 何者だ。今確かに何かが動いた。風より速く。光よりは遅く。まるで、影だ。感心してはいけない。兎にも角にも走らなければ。止まっては確実に死ぬ。というか殺される。本能的にそう思った。

 兎にも角にも走った。だが、走っても風は感じられず。光はどこかに消える。影に奪われた。どこまで走ったのだろうか。いや、そもそも走ったのだろうか? そんなことは今更どうでもいい。ただ今は、ここから抜け出したいだけなのだ。

 光が見えた。私を助けろ。とただ願うことしかできない。だが、直ぐに消える。

 しかし、今回は違ったのだ。ドアの光だったのだ。

今回は後味が悪い終わり方でした。すみません。

宣言します。次回と次回の次回で大きく内容が動きます。(多分)なので、どうか待ってやってください。(客観的)

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