129話 もう一人の……
というか、この米俵も神様的なアイテムなわけで、あとタケル君が持っているのは収納袋に武器のハンマー。
つまり、タケル君に力を与えてくれた神様って……。
「まあ、もういいよ。おっさんには隠さない方が良さそうだ。俺の神様は……大黒天だよ」
おお、渋いねぇ。
大黒天といえば、有名なのは七福神の一人としての姿。
ハンマーは打出の小槌の変形なわけか。
サンタクロースのような袋を持って、米俵に乗っている姿が一般的。
日本神話での大国主命とも合わさっているので、かなりの大物でもある。
……あれ?
「ねえ、タケル君。タケル君がこの間支払ってくれた金貨だけど……」
タケル君はバツの悪い顔をする、とハンマーを振る。
チャリン。
金貨が出てきて床に落ちた。
いや、打出の小槌って確かにそういうものだけど、これって通貨偽造にならないのかなぁ……?
むしろ、どちらかと言うと……窃盗?
まあ、あまり使わない方がいいよ、とは忠告しておく。
困ったときはしょうがないけどね。
でもね、タケル君。
君はまだ本当の神通力というものを知らないな。
「タケル君、知ってる? 打出の小槌ってね、小判以外も出せるんだよ?」
「は? マジ?」
「うん。そもそも、金貨って小判じゃないよね」
「そりゃ、そうだけど……」
「ご馳走なんかも出せるんだよ? それ」
昔話だとそうなんだよね。
タケル君は少し考え込み……。
「カレー」
と言って打出の小槌を振った。
って、カレーかよ
ぽすっ。
出てきたな。
これは……レトルトカレー!?
「なぜ、ここでまたカレー?」
「いいだろ、別に」
というか、レトルトって、これ日本のメーカーのやつじゃん。黒い無免許の医者が大好きなやつ。
まあ、食べ物を粗末にしてはならないわけで、美味しく頂いたわけですが。
そんなことをしている間にも時間は過ぎ、空気穴にノックがきた。
「ヨシツグさん、今なら大丈夫ですよー」
「おっけー」
よし、行くか。
一応、俺とタケル君の両方にアースコスプレを施す。
アースハイドを解除して、地上へ。
そこにはアイリスとカエデ。そしてもう一人。
……また美人の女の子が増えてるよ。
背格好はアイリスやカエデと同じくらい。三人並ぶとワンセットのように見える。
桃色の癖のある髪に、白いゆったりとした服。
「はじめまして。ボクは、此処スカイプレインで助祭を務めております、ヒースクリフと申します」
ボクっ娘きたぁー。
って、あれ?
「ヒースは教皇様の息子さんですけど、ちゃんと助祭の資格を取っているエリートなんですよ」
というのがアイリスの説明。
男の娘だったー。




