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『5階にトラック突撃!?ポンコツ女神の使役権と地球通販を得た医学生、辺境の村でワスプ薙刀と現代医療を駆使し最強防衛ライフを始める』  作者: 月神世一


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EP 10

勝利の宴! ルナキン特製ロボ肉(?)パーティー

ドゴォォォォォォォォォォォンッ!!!

聖獣機神ガオガオンの放った『聖獣剣ゴッドブレード』によって十字に切り裂かれた魔人ギアンと巨大蟲キメラは、ポポロ村の夜空に特大の爆炎(お約束)を咲かせて完全に消滅した。

やがて爆煙が晴れ、東の空から白み始めた朝の光が、平和を取り戻した村を優しく照らし出す。

『――【聖獣合体】解除』

光と共に全高50メートルの巨神は分離し、元のメカライオン(ガオン)と四神の姿へと戻って、広場に降り立った。

「ふぅ……。オペ、無事に全行程終了だ」

ガオンのコックピットから降り立った優太は、大きく伸びをして肩を回した。一晩中の激闘で胃痛は限界だが、無事に村人を救えた達成感が胸を満たしている。

「ひゃはーーーーッ!! キャルル! ルナ! 見なさいよこれェェッ!!」

感動の余韻をぶち壊すような奇声が、広場の端から響き渡った。

見れば、アイドルにして貧乏神のリーザが、血走った目で死蟲軍の残骸(鉄屑)をかき集めている。

「魔人ギアンがキメラになるためにかき集めたこの残骸、装甲の強度が異常だと思ったら……超高純度の『魔導チタン』と『ミスリル合金』が使われてるじゃないのォッ! これ全部売り払ったら、一生遊んで暮らせるわよォォッ!!」

「ちょっとリーザちゃん、よだれ出てるわよ! 村長として、村の復興資金に半分はもらうからね!」

「私ももらうわ♡ 世界樹の森の庭石にするから」

欲にまみれたヒロインたちが、キャッツアイばりの手際で高級金属ゴミをアイテムボックスに詰め込んでいく。

「……たく。どいつもこいつも逞しいことだ。――まあいい、今日は村の防衛と、ガオンたちの慰労を兼ねて、パーッと大宴会といくか」

優太は呆れながらも微笑み、背負っていたリュックからスマホ(電子ボード)を取り出した。

「(今日までコツコツ貯めた『善行ポイント』……魔人討伐と村人救出の特別ボーナスも入って、カンストしてるな。なら、遠慮なく使わせてもらう!)」

優太が【地球ショッピング】の検索窓に入力したのは、武器でも薬でもなく――『A5ランク 松阪牛ブロック』『極上タラバガニ』『特選BBQセット』であった。

   ***

数時間後。

異世界ファミレス『ルナキン』の店先には、巨大なBBQグリルがいくつも並べられ、食欲を暴力的に刺激する凄まじい匂いが立ち込めていた。

「さァ、どんどん焼くぞ! 四神たちも遠慮なく食ってくれ! 特製の焼肉のタレをたっぷり絡めてあるからな!」

エプロン姿の優太が、神業のようなトングさばきで、分厚い霜降り肉を次々と焼き上げていく。網の上でジュワァァァッ! と弾ける肉汁。

「おおぉぉっ! この『タレ』という黒い液体、甘辛くて信じられんほど肉に合うな!」

「登別の温泉も最高だったが、この『カニ』という海の蟲(?)はいくらでも食えるぜ!」

白虎や青龍たち四神が、メカの体を器用に動かして(※魔法の機構で味覚と消化器がある)大喜びで地球の最高級食材を平らげていく。

「やっほー! 特定班のみんな〜、今日は勝利のBBQ配信だよぉ★ 霜降り肉、画面越しに匂い届いてるー?」

キュララがドローンを飛ばして飯テロ配信を行い、赤スパチャが滝のように流れる。

その横で、ボロボロになったメカライオン・ガオンが、腕組み(前脚組み)をして不満げに鼻を鳴らしていた。

「へっ……俺様は世界の調停者だぜ? 温泉帰りの四神はともかく、ナマモノ(人間)の食い物なんて、俺様の高尚な味覚センサーが満足するわけ……」

「ほら、お前も一番いいところ(サーロイン)を食ってみろ。WD-40のお礼だ」

優太が、滴るほど肉汁が溢れる焼きたての肉を、ガオンの口元に放り込んだ。

「んむっ。……だからこんな脂っこいだけの肉なんて――」

カッ……!!

その瞬間。ガオンの赤いセンサーアイが、限界を超えた輝きを放った。

「な、なんだこれはァァァッ!!? 口の中で、肉が……溶けやがった!? アミノ酸の旨味成分と、絶妙な塩分タレのバランスが、俺様の味覚(舌)のデータ処理上限を完全に突破してやがるッ!!」

ガオンは全身の関節からプスプスとショートを吹き出しながら、ガタッと立ち上がった。

「え、エラーだ! この味はシステムのバグに違いねえ! 優太ァ! もう三枚……いや、十枚焼いて検証させろォォォッ!!」

「はいはい、わかったから並べ。ほら、リーザたちも焦げる前に食えよ」

「んっふふ〜♡ やっぱりタダ飯(A5和牛)は最高ねェ!」

「ルナ、私の人参勝手に焼かないでよ!」

「あら、焦げ目がついて美味しいわよ?」

賑やかなヒロインたちの声と、四神たちの笑い声が交差する。

ふと見れば、店の端に置かれたコタツの中では、芋ジャージ姿の女神ルチアナが、缶ビールを片手に肉を頬張り、そのままスヤスヤと幸せそうに寝落ちしていた。

「……たく。手のかかる神様たちだ」

優太は、最高に美味そうな肉が焼ける音と、仲間たちの騒がしい笑い声を聞きながら、そっと胃薬を飲み込んだ。

色々とメチャクチャな戦いだったが、この笑顔と美味い飯の匂いがあれば、まあ悪くない休日(オペ終わり)である。

不器用な医学生の作る地球の飯が、今日も異世界とメカの胃袋を平和に満たしていくのであった。

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