EP 8
咆哮! 聖獣機神ガオガオン合体!
『♪ ガオッ! ガオッ! ガオッ! ガオガオオオオン!!』
ポポロ村の上空、コタツにみかん、片手にビールという完全なくつろぎスタイルで浮遊する女神ルチアナの神力によって、彼女自らが作詞作曲したテーマソング『降臨!聖獣機神ガオガオン』が大音量で世界に響き渡った。
「な、何だこの悍ましい(素晴らしい)歌は……ッ!? 予の精神がゴリゴリ削られる(高揚する)……ッ!!」
魔王城跡地で絶望していたはずの魔王(貧乏神属性)が、謎のBGMに頭を抱えてのたうち回る。
「ガハハハッ!! 待たせたな相棒! これぞ温泉の恵み、聖獣石の力だぜッ!!」
ガオンのコックピット内、中央のコンソールに現れた五つの聖獣石ソケット。優太は胃痛に耐えながら、操縦桿をその中心へと力強く差し込んだ。
「……もう何でもいい! このカオスな状況、まとめてオペ(処置)してやるッ!! ――ガオン! 合体だァァッ!!」
『――【聖獣合体シークエンス】、開始!!』
優太が操縦桿のトリガーを引いた瞬間、ガオンと四神が眩い黄金の光に包まれた。
『♪ 【1番】眠れる獅子の瞳に宿る 紅蓮に燃え上がるソウル』
「おーぅ! 温泉饅頭のパワー、見せてやるぜぇッ!!」
白銀のメカタイガー(白虎)が、頭の湯桶を投げ捨て、咆哮と共に巨大な『右腕』へと変形。顎が砕けぬ鉄拳となり、その奥から白虎ドリルがギュリギュリと回転を始める。
『♪ 錆びついた世界を その手で塗り替えろ』
「手拭いは、ここに置いておくわね♡」
青緑のメカドラゴン(青龍)が、首の手拭いを優雅にパージし、身をくねらせて『左腕』へと変形。龍の口が紅蓮のレーザー砲口となる。
「リスナーのみんなぁ★ 温泉土産の提灯(朱雀)は、キュララのアイテムボックスに収納だよぉ! 朱雀さん、合体よろしくねっ!」
助手席のキュララが配信ドローンを操作しながら叫ぶ。朱色のメカバード(朱雀)が、黄金の翼を広げ、ガオンの背中へと飛行ユニットとして合体。
『♪ 「起動せよ、ガオン!」 勝利へのカウントダウン』
「アー、地酒がこぼれる……ッ! キャルルちゃん、しっかり支えててね!」
甲羅の上に地酒を並べていた黒いメカクレーン(玄武)が、酒瓶を大事そうに回収し(ルナの魔法で保護)、巨大な『下半身』へと変形。玄武シールドを膝装甲として、どっしりと大地を踏みしめた。
「任せなさいッ! 月兎族の脚力、玄武の重力とリンクさせて、絶対に倒れない基盤を作ってあげるわァッ!!」
ペダル(脚部制御)を担当するキャルルが、闘気を玄武システムに流し込む。
「魔力炉、出力全開♡ 世界樹のマナ、全部持ってきなさいッ!!」
ルナがジェネレーターに杖を突き立て、無限の魔力を注ぎ込む。
そして、コックピットのメインシートに座る優太を中心に、4つの聖獣機が黄金のマナで一つに繋がった。
『♪ 五つの願いが 一つに重なる時 奇跡の合体が 闇を切り裂くぜ!』
「(叫べ!)」
優太、ガオン、ヒロインズ(ルチアナ含む)の声が一つに重なる。
「「「「「「聖獣合体! ガオガオンッッッ!!!(ガオオオオオン!!)」」」」」」
ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!
ポポロ村の広場に、眩い黄金の光柱が立ち昇り、土煙と共に全高50メートルの黄金の巨神が降臨した。
胸部には雄叫びを上げるライオン(ガオン)の顔。
右腕には白虎の顎とドリル。
左腕には青龍のレーザー。
背中には朱雀の黄金の翼。
下半身は玄武の重厚な装甲。
これぞ、創世記の伝説、邪神をも討ち果たした最強の調停者――【聖獣機神ガオガオン】である。
『♪ 咆哮! 今だ一刀両断! 聖獣剣ゴッドブレード!』
ルチアナの歌がサビに突入すると同時に、ガオガオンは背中の黄金の翼を広げ、空を舞う鉄屑(死蜂機の残骸)を弾き飛ばしながら、地に伏せる魔王(貧乏神)を見下ろした。
「バ、バカな……ッ!! 予の資産が……予の更地(国)が……全高50メートルの黄金の巨神に物理的に踏み潰されようとしているぅぅぅッ!!?」
魔王の悲鳴が、BGMの重低音にかき消される。
「……たく。最後はやっぱり、巨大ロボット無双(俺TUEEE)かよ」
優太は胃痛(HP)が限界に近いことを感じながらも、操縦桿を握り直し、モニターに映る魔王をロックオンした。
温泉饅頭の箱から出た勝利の鍵、そして駄女神のキャラソン。
全てのカオスを黄金の輝きで塗りつぶし、聖獣機神ガオガオンは、今ここに、その圧倒的な力(暴力)を解き放とうとしていた。




