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番外編④





クリスマスの一件以来、私たちは頻繁に会うようになった。



心結も冬休みに入り、時間を作ってくれるようになり

今は、私の家で私の帰りを待ってくれている。



12月31日。


今日で一年が終わる。




「ただいまー。」



「愛奈。おかえり。」



もう夜の10時半ということで、くたくただ。


「一年間仕事お疲れさま。」


「うん。ありがとう!」


ふと目を移すと

テーブルの上には年越しそば。




「作ってくれたの!?」


私が目を輝かせてそう尋ねると、心結は照れ臭そうに答える。



「うん。お腹すいてるだろうなーって思ってたから。」



「ありがとう!!すっごく嬉しい!!」



二人で食べた年越しそばは、今まで食べた中で一番美味しかった!(大袈裟かな?)





「愛奈。」


ふいに名前を呼ばれ、振り返る。



「どうしたの?」



「…こっち来て?」



心結に呼ばれて、隣に座るとグイッと腕を引っ張られ後ろから抱き締められた。

そのまま、あぐらをかいた心結の上に座る形になる。



「へ!?ちょ、ど、どうしたの!?」



「ねえ?覚えてる?出会った時のこと。」


突然耳元で囁かれ、私の体はビクッと震える。




「覚えてる?」



「そ、それは…覚えてるよ。フラれたんだもん。」



「…俺もね、愛奈のことは印象的だった。


それから、どんどん心を奪われていってさ…気付けば俺の方が愛奈に溺れてた。」





何でそんな話をするんだろう?と少し不安になる。




「愛奈が好きにしてみせるって言ってくれて、本当に好きになった。

最初はさ、波奈と重ね合わせてたんだ。

本当にそっくりだったから。


でも、愛奈と関わっていく内に、愛奈自身を好きになっていったんだ。


俺の過去を知ろうとしてくれて、受け止めてくれて、たくさんの愛情を注いでくれて。

愛奈には、感謝してもしきれないな。」





「…心結?」





不安になって思わず名前を呼んでしまう。

















「───愛奈。結婚しよう。」






私は自分の耳を疑う。




うそ…。


今、何って言った…?



心結の言葉を確かめようと私は尋ねる。






「ね、ねえ…もう一度言って…?」






「ハハハッ!…あと一回しか言わないよ?愛奈…





───結婚しよう。」





私は心結の手を振り払うと、体の向きをグルッと変える。



心結の顔を見ると、ニコニコと笑っている。




「…今すぐにとは言わない。


俺はまだ学生だし、ちゃんとした収入も見込めない。

今は、愛奈の方がお金も稼いでるしね。


だから、俺がきちんと愛奈を養えるようになったら

その時は───」




「──私っ!私、抜けてるし、涙もろいし、ワガママだし…。

すごく大変だよ。


…でも、…でもっ!!


心結を想う気持ちだけは誰にも負けない!!


心結の事、一生愛し抜く自信がある!!



こんな私でよければ…結婚してください!!」




久しぶりに、これだけの想いを正面から伝えた気がする。


手はプルプルと震えているが、心結が優しく握ってくれる。





「愛奈こそ、こんな俺で良いの?」



クスッと笑う心結。



「俺で良いの?

じゃなくて、俺が良い!!



心結が良いの!!!」



そう言った瞬間、ギュッと抱き締められた。



私もそれに応えるように、背中に手を回す。





テレビからは、カウントダウンが聞こえてくる。






『───3、2、1…ハッピーニューイヤー!!!!』




「あけましておめでとう。愛奈。」



「あけましておめでとう!!今年もよろしくお願いします!」



「こちらこそ。今年はもちろん、これからもよろしくね♪」


心結の腕の中で迎えた新年は、本当に幸せなものだった。








あなたと出会って



恋をして



たくさん泣いて



それ以上に笑って



こんなにも幸せなことは無いよ?





これからも一緒に



素敵な日々を過ごせるかな?






「愛してるよ!!心結!」




「俺も愛してるよ。愛奈。」



 




あなたとならきっと───。
















8年後…。






「──結愛(ユア)。ほら、フーッてしてごらん?」



「フーッ!!!!」



「上手上手!!じゃあ、ケーキ食べちゃおっか!」




三人で机を囲む。



目の前には嬉しそうに微笑む心結。



隣には愛娘の結愛。




「はーい、じゃあ結愛!6歳の誕生日おめでとう!!」



「おめでとう!!」



「エヘヘ~♪」



照れ臭そうに笑うその姿は、心結そっくりだ。








「あ、そういえばね!学校でね、勉強したんだけどね!!」


ケーキを食べ終えると、結愛が話し始める。




「結愛は何で結愛って名前なの?」



結愛にそう尋ねられ、私と心結は目を合わせて笑う。



「結愛の名前はね、お父さんとお母さんの文字を1つずつ取ってつけてるんだ。」


「そうなんだ!!」


「そうよ。それとね、結愛はね、皆の愛が結ばれて生まれてきたのよ。」



私の言葉に娘はニコニコと笑顔を浮かべる。



「お父さんも、お母さんも、皆たくさんの愛情をもらって育ってきたの。

だからね、結愛もお父さんとお母さんでたくさんの愛情を注ぐからね。」



私の言葉に、心結もうんうんと頷く。


「そっかー!!結愛には皆の愛が詰まってるんだね!」



目をキラキラと輝かせながら、そう話す結愛。



「結愛ね、お父さんとお母さんの子どもで良かったなー!!」



その言葉に目を丸くする私たち。






「お父さんもお母さんも、結愛が生まれてきてくれて幸せよ?」
















「「結愛。生まれてきてくれてありがとう。」」













                     おわり




番外編も含めてこれで完結です。

ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます!!


年内に完結させたかったので、何とか間に合って良かったです( ̄▽ ̄;)


もし、感想や意見がありましたらよろしくお願いします!



本当に拙い文章でしたが、読んでくださってありがとうございました!


                        瑠音


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