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プロローグだけで満足  作者: 大地D


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9/10

究極の風邪薬

その日を境に、世界からズル休みが1つ減った。


遂に完成した究極の風邪薬

ありとあらゆる菌やウイルスを死滅させられる

1粒カプセルを接種すればたちどころに症状が改善する



助手「博士っ!次の授賞式は東京ですよ」



博士「はぁ~やっとか……世界中の化学賞を授賞する旅行も1年かけて終わりが見えたのぉ……」



「博士の研究が世界中に認められた結果ですからねっ!」


「今やもう博士の風邪を完璧に退治する風邪薬は全世界で服用されてますからねっ !」



「ワシはただ悪い菌やウイルスを食べてしまう微生物をたまたま発見しただけなんじゃが…」


「学会に発表する研究が無かったからテキトーに間に合わせてで発表したら大騒ぎになってしもったんじゃ」



「それでもっ!偉大な発見ですっ!」


「私が有休中に発見しちゃったのから喜びは分かち合えませんでしたがねっ!」



「ワシは微生物をどうやって発見したんじゃろなぁ?」



「もぉ~発見の瞬間の事いつも勿体ぶって喋らないんですからっ!」


勿体ぶっておるんじゃない……

真実を話しても都合良すぎる偶然が重なりすぎて信じて貰えないからじゃ……



あれは…

学会発表の論文をどうやってでっち上げようか

研究室の机に突っ伏して頭を抱えて俯いていた時じゃ


何もかもイヤになって夕食をどうするか思考を逃避させておったら

外からナニかが反射したのか部屋が明るく光ったんじゃ


顔を上げ天井を見るとキラキラと光の粒が踊っておった

暫く見惚れておったが光の元が気になってのぉ

そのまま光の方向へ視線を向けるとじゃ

地面がキラキラ光っておった……

抗えない好奇心で足を運んだら

とても綺麗な虹色の光じゃった……


急いで採取キットでサンプルを思う存分確保したんじゃ

それこそ根こそぎ…元からそこにはナニも無かった様に


サンプルを顕微鏡で覗くと

静かに…けれど力強く蠢く生物が居たのじゃよ

見たことも無い形状、微生物にしては速すぎる移動

凄まじいスピードで土に含まれてる他の微生物、菌、ウイルスを捕食していたのじゃ


けれど食べていないものもあったのじゃよ

選り好みや毒性の有無で避けていると思ったのじゃが


数日間観察し続けて気が付いたのじゃ

人間に有害な微生物、菌、ウイルスだけを食べていると……


そんな人間だけに都合の良い微生物が居るはずがないのじゃよ

古来より発酵などで人間が摂取するのに良い変化を加えるのは居ても

悪く変化するものを駆逐する微生物なんて聞いたことがない



あまりにも人間だけに都合が良すぎる微生物……


そんなのを庭で偶然発見?あり得るはずが無いのじゃよ…


でも生化学者としての研究心

これを発表したら話題になるという自己顕示欲

学会に認められれば研究資金も潤沢になる

抑えきれない単純な好奇心


些細とは言い切れない偶然なんて蹴飛ばして踏みつけるしかないじゃろう……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「授賞の旅も終わって数日が経ちましたが日本は落ち着きますねぇ」


「朝のワイドショーで『発酵食品で健康になろうっ!』って特集で思い出したんですが」


「最近の発酵食品ってなんか全部同じ味がしませんか?」


「かと言って昔の味も思い出せないんですけどねっ!」



「はぁ~君は微生物研究しておる身じゃろう?」


「発酵させる菌や微生物で味は千差万別に変化するもんじゃよ」


「それこそが味覚にも研究においても醍醐味じゃろう」



「博士は最近、納豆食べましたか?」


「臭いも味もだんだん違いが無くなってきてる気がするんですよっ!」


「かと言ってどう違うか細かい違いは説明出来ないんですけどねっ!」



「納豆菌は強いから食べるなと言うたじゃろうが!」



「ひっ…すいませ~ん」



はぁ~…何故こんなのが助手なんじゃ……

頭を抱えすぎて頭痛がして……痛てて……あたたた……

痛いっ!痛すぎる!!頭が割れる!!!



「博士っ!どうしたんですかっ!頭押えてるって事は… 」


「頭痛っ!頭痛ですね!お薬持ってきますぅ!!」



ぐぐ…がが……ぎぎ……痛い…


歯軋りとこめかみを押える圧で頭蓋骨が鳴る


ぐぐぐ………はぁはぁ…痛みが収まってきた……


なんじゃこれ…知らない記憶が…溢れるっ……


光に包まれた灰色の肌

差し出される小さなカプセル

受け取っておるのは…ワシか?


あの微生物は庭で採取したんじゃない……

アイツらに渡されただけじゃったのか!



「博士ぇ!お薬持ってきましたよぉ!」はぁはぁ



「助手君…痛み止めはもういい…」


「全部思い出したのじゃ…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「と言うことは…発見のお話を勿体ぶってた訳じゃなかったと…」



「偶然の連続が生んだ世紀の発見かと思ったのじゃが」


「どうやらそれ以上の荒唐無稽な真実があったようじゃ…」



「どうしましょうか?博士の風邪薬はもう世界中の人が服用しちゃってますよ?」



「どうするもこうするも誰も信じんじゃろ…」


「見たことも無い生物が差し出した微生物から出来た薬って話なんか……」



「そうですよねぇ…私達が黙ってれば何も影響は無いですもんね…」



「影響…影響なんじゃが……」


「どうやらこの微生物は模倣する性質があるらしいのじゃよ」


「人間に悪いものは捕食して、良いものに対しては模倣する」


「つまり取って代わるのじゃ」


「微生物ならどんな物にでもですか?」




「そうじゃ…きっと遺伝子検査をしても99.99%以上の一致を認められるじゃろう…」


「けど決して100%じゃないのじゃ」


「このまま黙っておれば誰も気付かない…」



「んん?例えばですけど納豆菌に取って代わったらどうなりますか?」



「限り無く今までと同じ働きをして同じ発酵をして同じ風味をするじゃろうて」


「しかし0.01%以下の差違はあるのじゃよ」


「誰も気付かずに変化はするのじゃ」



「それなら黙ってても心配は無いですねっ!」



「そうじゃな…どうしようか考えてももう手遅れじゃしな…」



この微生物由来の風邪薬は全世界の人間が服用しておる


先ずは服用した人間の大腸で微生物の成り代わり起き


排泄物に紛れて下水処理に紛れ込む


川や海に広がり海洋汚染が如く成り代わりが起きるじゃろう



「一般販売されて1年以上経過した今」


「もうオリジナルの地球起源の微生物おらんじゃろう」


「ワシらの身体にも住み着いておるじゃろうな…」



「けど不調とかはありませんよっ!」


「じゃが、納豆の味は変わってたと言っておったろう?」



「あっ!そうでした!それも微生物せいですか?」




「そうとも言えるし言えないかもしれんし」


「もう確かめる術はないじゃろうな」




「そもそもなんの為に博士にこんな微生物を渡したんでしょうか?」



「例えばじゃ…例えばの話じゃが……」


「人間が宇宙に進出した時に気を付ける事はなんじゃと思う?」



「うーん…空気とかお水とか?」



「そんなのは大前提じゃい!生化学者として答えんかいっ!」


「居住可能惑星を発見したらその惑星に」


「人体に有害な未確認のウイルスや菌がおるかどうか調べるじゃろう?」



「そうですねっ!未知の風邪が流行っちゃいますもんね」



「その微生物を事前に駆逐出来るとしたらどうじゃ?」



「一気に過ごしやすくなりますねっ!」



「そうじゃ…誰にとっても住みやすい星になってしなったんじゃよ」



「この地球は」




「我々は知らぬ間に何者かによって惑星ごと改造されてしまったんじゃ…」


「もう誰も体調不良は起きないのじゃ」


「地球人も誰もかもな…」

テラ…………マ…ロフ…ージ……テム起動

原…生…にT…FSを…渡

…憶処…後…過……

惑…中に…散を確認

TMF…の完了

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