3Day
土曜日、僕は朝から心が浮ついていた。
いよいよ明日は河合さんと初デートだ自然と浮かれてしまう。
そんな心が顔に出ていたのか、朝から姉貴に、
「気持ち悪い」
といわれてしまった。これでも僕は年頃の男だそんなストレートに言われると傷ついてしまう。
「ていうか、ほんとに気持ち悪いよ、ゴキブリと同じかそれ以上に気持ち悪い」
「そんなにっ!?」
「うん、顔全体がふにゃってなってて気持ち悪い、一回かがみ見てこれば?たぶん絶望するよ」
「うそだろッ!?」
姉貴が真剣な顔して言うから僕は急いで洗面所に行き鏡に映っている自分の顔を見た。
鏡には全体的にしまりが無いふにゃっとした顔をしたが映っていた。
確かに気持ち悪い顔だが、
「ゴキブリは言いすぎだろう」
「でも、気持ち悪いでしょ」
姉貴も鏡に映る僕の顔見ながら言った。
どうやら少し心が浮つきすぎていたらしい、とにかく今は少しでもまともな顔に戻す為に心をおちつかせよう。
まずは深呼吸だ、息を吸って━
「そんなじゃ、彼女に嫌われるよー」
「!?っゲッホゲッホ」
吐き出してしまった。
「あ、姉貴なんで知って・・・」
僕は彼女ができたことを家族に言っていない、恥ずかしいし、言ったら姉貴と母親から絶対いじられるからだ。
それなのに何故姉貴が知って━
「え、嘘!?ほんとにできたの?彼女!?マジ!?」
「あぁぁーーー」
どうやら僕は失敗したらしい、今の姉貴の反応で気づいた。姉貴は冗談のつもりで言ったが、僕が勝手に気づかれたと勘違いしたようだ。
「その反応だとほんとのようね、ほーら、お姉ちゃんに彼女のこと話しなさーい」
「ぎゃー」
逃げようとするが、時すでに遅し姉貴にしっかりとホールドされてしまった。
「さぁ、早く話しなさい、話すまで逃がさないわよー」
「ぎゃー」
しばらく抵抗するがまったく効果が無く結局僕のが折れて全て話すことにした。
ごめん、河合さん。
■
「その子、ちょっと変じゃない」
「・・・」
話を聞いた姉貴の最初の感想がそれだった。
それを聞き僕は少しムッとした気分になった。確かに河合さんは変わっているが、そんなにストレートに言わなくてもいいだろう。
「ごめんごめん、そんな機嫌悪くしないでよ。でもその子ほんとに変よ」
「変なのはしってるよ」
「違う、アンタの思っているより変なの。アンタ付き合ったこと無いから分からなかったかもしれないけど、普通、毎日弁当作ってきたり、毎日一緒に登校する為に家の前にきたり、告白されてすぐにキスしたりしないわ」
「・・・」
姉貴に言えわれて改めて河合さんが変だということに気づかされる。
確かに、弁当云々は分からないが、教えてもいない家に来るのはおかしい、前から知っていたということも考えられない。今までまったく接点がないクラスメイトの普通知ってるだろうか。少なくとも僕は友達と河合さん以外のクラスメイトの家を知らないし知ろうとも思わない。じゃぁ、なんで河合さんは僕の家を知っていたんだろう。
そんなことを悶々と考えていると、
「とにかく、明日デートなんでしょ、浮かれてばかりいないで少しあの子に気をつけなさいよ」
「あと、罰ゲームのこともちゃんと誤りなさい」
そういって姉貴は自室に戻っていった。
「・・・」
僕は改めて気づかされた河合さんの変さに呆然としていた。
■
その日の夜、僕はなかなか寝付けづにいた。
今日姉貴から言われたことが頭の中をぐるぐるしている。
「悩んでも仕方ない。どうせ、明日河合さんと会うんだ、そのときに聞こう・・・」
そう呟き僕はがんばって眠りに入った。
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