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厨二と少女

一瞬だった。

.......それが仮に流れ星だったとしたら、三回どころか夢の一文字すら言えないであろう、

そんな一瞬、そうたった一瞬だけで俺は恋に落ちた。

ピーンポーンと家のチャイムが鳴る。

俺が、ベットに入ったまま居留守を決め込んだせいか、またピーンポーンとチャイムが鳴る。

それは、次第に早くなっていき、さらには連打に発展するレベルであった。

(目覚ましのアラームかよ)と思いつつ、ベットを出て玄関を開ける。

「......おはよ。(ゆき)」俺がそうあいさつをする。

玄関を開けた先には、幼馴染である。水本(みずもと) (ゆき)がいた。

これがもし、漫画や小説だったら負けヒロインだろ!

って言われるぐらいには、髪が青色である。

「.......おはよ。じゃないのよ、翔、今何時かわかってんの!」

「朝の7時40分」「学校の一時間目の呼び鈴は?」

「朝の8時30分」「今日は?」

「入学式」「入学式の日は、何時に行けばいいの?」

「8時」「学校までは?」

「三十分」「7時40分から三十分後は何時何分?」

物分かりの悪い俺にだんだんと苛立ちが隠しきれていない。

「8時10分」「つ・ま・り?」

「遅刻...遅刻ぅ!」俺が慌てふためきながら、「どうしよう」、と雪に聞く。

「早く着替えなさい。新入生が入ってくるのに、先輩が遅刻してたら忙し(滅相)ないわよ。」

「ちょ、先行ってて」「言われなくても...と言っても私は一度すでに登校してるから大丈夫なんだけどね。ってか本当にアレで行くの学校」

「はい。アレで行きます」「私は止めたからね。」

(そんなに止めてなくね。ってか確認だけじゃね)と思って口に出そうとしたが

"何、文句でもあんの"というオーラが周りに溢れ出ていたのでやめにした。

ーーーーーーーーーーーーーーー

俺が通っている学校……三条さんじょうがおか高校。

この高校に進学したのには、大きな理由がある。

家から近いってのもあるが、何より、好きな子がいるのだ。

小学校の頃から、一目惚れであった。だから、当然中高一貫校に行った、と聞いた時は驚いた。

しかし、俺の執念はこんなものではない。中二の春から猛勉強をして、なんとか入ることができた...

のだが、一年生ではめちゃくちゃクラスが離れていた。

そんな一年生が終わり、春休み中に配られた進級名簿に載っている名前を見た瞬間、

俺は舞い上がった。...やっと同じクラスになれたのだから。

だが、ここで一つ問題がある。(......話すきっかけ無ぇ)という問題だ。

仮に、俺が陽のオーラを持っていたなら、容易に話しかけることができたのだが、

(......生憎、生まれて16年間一度も所持()っていたことは無い。)

ならば、どうするか。答えは....

ーーーーーーーーーーーーーーー

二年三組と書かれている表札を確認して、ドアをガラッと開ける。

「我が名は......」と、見てくださいと言わんばかりの左手に巻かれた包帯と、

厨二病チックな上着の着方で教室のドアを開ける。

(IQ92(自称)の俺が導き出した答えは、そう注目されることだ。

......その観点で見れば、他にも候補があったがやはり、アニメ好きの自分としては、

厨二病の方が良いと思ってしまったのだ。)

(black)(river)......」そこで、言葉が止まってしまう。

......なぜなら、視界に本来なら入り込んで来ないはずの物が入り込んでしまったからだ。

「あっちには、執事。あっちには、金髪少女......」確認のために小さく呟く。

 確認以前に脳の処理を追いつかせるためにもあるだろう。

 その他諸々、とにかく変な奴らのバーゲンセール。……いや、俺が言えたことではないのだが....

「お前ら、キャラ濃すぎだろ!〜〜〜〜〜〜〜」とついツッコんでしまうのであった。

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