【 ★ 『第七話』 】からつながる第八話
タイトル通りの、【True End】編の『第七話』から続く【Happy end】。
所詮、没ネタです。
どんとこーい!
な、心の広い方はどうぞ……。
ちなみに、国の名前とかは没ネタじゃないです(笑)
さて。
敵も降伏してくれるそうですから、ミリーの様子を――――
そう思って槍に問うと、槍は信じられないものを私に見せました。
「っ……?!」
あまりにもショックで、涙が頬を伝い。
思わず槍から手を離して口元を覆ってしまい、私の手を離れた槍はカランと音を立て。
それを見たマリアとメイサが不思議そうに問うてきたけれど、私はそれどころではなかった。
私に動揺を与え、さらに感情を支配したモノ。
それはとても。
とても、激しい怒り。
でもそれは私の中で急激に冷え。
固く。
固く固まって、視界がまだらに染まり。
黒とも赤とも、緑とも言えない色に塗りつぶされた。
私はそれからを、覚えていない……。
* * *
――――ゴゴゴゴゴオオォォォ
地響きのような音と共に、大地が揺れた。
これに、俺らがわざと道を開けて通している使者の馬が激しく嘶く。
「私は、あなた方の降伏を受け入れない」
酷く鋭く冷たい声音。
それは本来であれば聞こえぬはずの声で、普段と違う声音だった。
って。
アレ?!
ちょ、ちょっと待てっ!!
慌てて確認すると、間違いない。
ひ、姫さんっ?!
なんで?!
なんでここに居んの?!
つかあんたソレ本体じゃねッ?!
え?
俺の見間違い?
嗚呼。
それ無ぇわ……。
だって長と執事が飛んできやがった……。
「姫さん!!」
「お嬢様!!」
二人の顔には『何故ここに』って書いてあるみてぇだ……。
まぁ、思うよな……。
てかさ。
マリアとメイサ、アイツら何してんだ?
姫さんをこんなに前にだして――――
「お嬢様ぁぁぁあああ!」
「姫様!!」
ドドドドッと砂煙を上げてかけてくるのは……間違いないねぇな……。
マリアとメイサだ。
…………つーぅかさぁ……姫さん。
あんた、『後方に居ろ』って執事に言われてたろ?
あれ?
俺の勘違い?
まぁ、それは置いといて。
疾走してる馬の前に立ちふさがるとか、馬鹿なの?
馬鹿なんでやんしょ?
てか。
疾走してなかったとしても、棹立ちになった馬の前に立つなんて馬鹿?!
ねぇ。
馬鹿なの?
バカナンデスカ?
つか、長と執事が怖ぇえええ!!
ちょ、ちょっと勘弁してくれよっ!!!!
「マリア(どういうことだ)……?」
超低音を吐いた執事。
おまけに副音声付き……。。
「ひっ……! す、すみ――ご、ごめ、ごめんなさい! ごめんなさいっ!!」
「メイサ(なにをしていた)……?」
「っ……もうしわけ、ございませっ…………!」
マリアとメイサが顔を真っ青にして、目をそらした。
そうだよな。
俺でもそうなるわぁ……。
なんて思ってたら、執事が無言で『早くソレ連れて下がれ』と二人に圧力を掛けた。
もちろん、一層二人の顔色は悪くなったさ……。
顔色しか変わってねぇのがすげぇな……。
俺なんて頬が引きつって、手が震えてんだが…………。
……まぁ。
俺の顔色は二人以上に真っ青だろうよ……。
なんて内心で自虐していると執事と長。
おっかない代表にダブルで睨みつけられて、盛大に圧力を掛けられた。
…………理不尽すぎる……。




