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名門貴族の変嬢  作者: 双葉小鳥
第三章 伯爵家末娘となった変嬢
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第十四話 一体

 隣国の『宝』と称される変態はその日を境にたびたびやってくるようになりました。

 ……え?


 『『その日』じゃなくて、『その前』から』?


 ……………………。

  …………そんな細かいことは気にしません。

 で。

 私が何を言いたいかと言いますと。



 『早急にお引き取りいただいて、出来ることならばもう二度と来ないでいただきたい』



 それだけですわ。

 えぇ。

 それだけですとも。

 酷いとお思いでしょう?

 でもね。

 考えて下さいませ。

 

「おぉ。僕はなんと美しいのだろう……。あぁ。これでは国中の女性たちが僕に見惚れ。僕は同性に白い目で見られてしまう……。それもすべて。僕が罪作りなほどに美しいから!」

 

 庭のテラスで紅茶片手に、穏やかな気分で空を見上げていた時。

 突如として隣に表れ。

 持参してきた大きな姿見を前に芝居がかった大げさな動きをしたのち。

 その場に崩れ落ちる変態なのですよ?


「あぁ。僕の美しさが人々を魅了してしまう……。だが、そうなってしまってはエズリーがかすんでしまう…………。それもすべて、僕が美しすぎるから」


 ハラハラと涙をこぼしています。

 その姿は絵画のように美しく、見惚れてしまう程。

 だだし。

 『口を開かなければ』

 ですけれど。


「く、くくく。ククク、ふはははははは! さぁ! 僕の美しさにひれ伏せ!!」

 

 あぁ。

 座り込んだ自己陶酔症ナルシの変態が壊れましたわ……。

 …………はぁ……。

 誰かコレ。

 回収してくれないかしら?

 ……………………まぁ、ムリよね……。

 分かっているわ……。

 だた。

 コレの救いは、二体じゃないってことだけね。

 だって。

 こんな頭のおかしな変態プラス一なんて、地獄だわ……。

 …………あぁ。

 寒気と鳥肌が……。

 ……やめましょう。

 この変態のことなどを考えるなんてこと…………。

 


 ――――こうして私は今日も。

 ミリーやお姉様たちがやってくるのを心待ちにするのだった……


 ……ボッチとかじゃなんだからね?!

 みんな、皆。

 忙しいだけで私に構ってられないだけよ!

 …………ただ、四号はたまにお話に来てくれるのよ?

 ……四号、一号に叱られていないと良いのだけれど…………。

 心配だわ……。


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