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兄の反抗

 巣の長であるヘルバウンドを倒して、どうにか魔物討伐の任務を終えた俺達は休憩して帰還しようと考えるが、突如伝令兵が俺達の元に現れて姉モニカからの伝言を伝えに来たのだ。その内容に俺達は驚きを隠せないでいた。


「本当に、本当に兄上が屋敷を占拠して父上を拘束したというのか⁉」

「はい、間違いありません」

「一体どうして?まさか姉上と後継者序列が同列になって強行したのか?」

「理由は定かではありませんが、現在身柄を拘束されているのはゴリオン様とその側近の方々でそれ以外の親族の方は無事が確認されています」


 父と側近を優先的に拘束したからか、姉上達は無事のようだな、それは良かったがしかし、現在の動向が気になるな。


「姉上達は今どこだ?一刻も早く屋敷を取り戻して父上を助け出したいが、まずは詳しい情報が必要だ」

「モニカ様やクレア様、幼君らも現在はヴィスタ家に逃れております」

「ヴィスタ家、マリーの実家ですねジュン様」

「ですが、いずれヴィスタ家にもモニカ様らの拘束の為に兵を差し向ける事は十分考えられるかもしれません」


 とりあえず今は屋敷の完全制圧が目的だろうけど、いずれは姉上達の身柄も抑えられるかもしれない急いで手を打たないと。


「ジュン様、これは明らかにアダム様のラオール家に対する反逆です、このような形では正当な後継者になれるはずもないのに」

「ああ、俺から見ても逆恨みにしか見えないな」

「ですがあのアダム様が考えもなしにこういう事をしますか?この先どんな手に出るか分かりませんよ」

「そうだな、ラオール家に害を加えたとなると王国の軍だって動くはずだ、まったくその策を考えてないとも思えないな」


 これは現在のラオール家に対する反抗である以上、兄はある意味では自分が望んでいた後継者の座を捨てた事になるのだ、しかしその一方で何かしらの考えがあってこのような行動に及んだのではと考えてもいる。


「ジュン様、今にして思えば我らにだけ魔物討伐を命じたのも屋敷の占拠をたやすくするための策だったかと」

「そしてパリアが自分の兵を屋敷の守りと称して屋敷を占拠しやすくしたのか、くっそ!上手くやられたな」

「……パリアは他国にも人脈のある人間、それを買われ重宝されてきましたが、もしかしたら……」

「他国に通じているかもしれない、あのくそオヤジ、このままじゃあ許しておかねえぞ!」


 パリアが他国に人脈があった事、そしてその人脈を通じて他国に通じたとなれば……。

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