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モニカの才

 久しぶりに姉モニカが勉学を見てくれるという事で、俺はそれをチャンスだと考え、最近屋敷の使用人が噂している兄アダムを後継者候補から外し、モニカを代わりに後継者に据えるという話について聞いてみる事とした。


 モニカに聞くと、噂とは少し違っており、兄アダム、そして姉モニカ、2人の候補者をとりあえず置くという話のようだが、どうもモニカはその事に不満があるようだ。


「お兄様が今のままでまともに当主として率いていけるのは私も不安よ、だけどそれで私を候補者に据えるのは少し違うと思うのよね」

「姉上はラオール家の当主になる気はないと?」

「そもそもそういう風に教育されてこなかったからね、私はもちろん下の兄弟はみんなお兄様の魔力を上回る事はなかったしね」


 兄アダムは強大な魔力を幼き頃から有しており、後継者になるべく教育されてきた。だがモニカや俺はそのアダムの魔力を上回る事はなく、結局候補から外れて兄を支えるような立場につくための教育をされてきたからな。


 それがいきなり本人が死んだわけでもないのに後継者として考えていると言われても困るだろうな。


「私も最初はお断りしようかと思ったわ、だけどお父様は私の内政力があり領地を富ませればお兄様やあなたの武力を存分に活かせるとおっしゃるものだから、とりあえずはそのつもりで臨むことにしたわ」

「そうですか、……姉上、これは兄上には内緒ですが、俺も父上の意見に賛成です」

「ジュン……」

「以前姉上がおっしゃったように領地を富ませる事で軍備も整えられるのはその通りですし、姉上がそうしていただければ俺達が武力で領地を守ります。もしかしたらそれが一番いい形かもと思うんです」


 父上がいきなり候補者を2人にしたのはもしかしたら別の問題を生むかもしれないと思ったがモニカの内政力は俺も正直すごいと思う部分はあったし。どの道、戦闘くらいしか能のない俺やアダムよりはよっぽど領主に向いているはずだ。


「本当にお兄様が聞いたら怒りそうな事ね」

「はは、やっぱりそうですか……」

「あなたがそう思ってくれるのは嬉しいし、お父様もお兄様に問題があるだけでなく私に期待してくださるのもわかるわ。でも武門の家であるラオール家はお兄様がいいと思うの。問題を起こさないように私達がくぎを刺さないとだけどね」


 とはいえラオール家はやはり武を重んじる家だ。そして魔力が重視される。姉上は牽制にはなるかもしれないが、やはり兄上を次期当主と据えたほうがいいのか?

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