アダムの考え
まだ魔物の巣への到着はならないという事で俺達は現在野営の為の陣を張り、そこで軍議を開く事をメイルが主張するが兄アダムはその必要がないと一蹴するが、メイルはアダムの考えに異を唱えた。そこで兄は自分の考えを話し始めた。
「お前達も分かっているとは思うが、俺は次期領主だ、領内の脅威、いずれは外敵とも戦わなくてはならん立場だ」
「はい」
「ならば俺に備わった強大な魔力それを行使し、魔物を討ち果たすのは当然の事ではないか?」
「おっしゃる事は理解できます、しかしいずれアダム様だけでは対処できない敵との戦いもあり得るかと」
自分の責務を果たす為の力の行使と主張するアダムだが、いずれはアダムだけではどうにもできない敵も現れる事を主張するが、それに対してもアダムは返答をする。
「確かにそれはあるだろうし、兵が多く必要な場面を想定して俺もこうやって兵を指揮しているのだ、決してむやみに兵を集めているわけではない」
「実戦は演習ではありません!それに我らを指揮下に入れるならば今回の魔物の情報も少しはいただかなくては困ります」
「安心しろ、今も斥候に探らせて最新の情報を得ているからこのタイミングで現情報を提示しておこう」
「え?斥候に探らせていたのですか?」
兄は斥候に魔物の巣を探らせていた?いや、それ自体は当たり前だが普通は事前に調べてその上で戦場に向かうらしいし、その上で今得た情報を提示しておくだと?兄と斥候は密に連絡を取っていたのか。
「数日にわたり魔物の巣を探らせているが万一うちもらした場合でもお前達くらいの数と質が確保できれば問題はないと判断した」
「うちもらした場合?つまりアダム様はご自身でも討伐しきれなかった場合を想定していたのですか?」
「戦いにはそれだけの段構えが必要だろう、俺が魔法で滅するのもできる限り被害を抑える為だ」
「で、ですが戦いには戦力だけでなく物資や資金も必要で、それらを多く無駄にしているのではないかという声もあがっています」
確かに戦闘には人・物・金が必要だ。いかにアダムが強くてもこれなくして戦い抜く事はできないからな。そのメイルの言葉を聞いて兄の表情がこわばった。
「その話を誰から聞いた?モニカか?それとも父上か?」
「我らは人づてに聞いただけですので」
「そうか、ジュンそれならばお前もさっきメイルが申した話を聞いているのだな」
「はい……」
さすがにモニカから聞いたことは黙っていたほうが良さそうだ、一体兄は俺にも何かを告げるつもりなのか?




