13話 旅立ち 6
エピローグ
桜の花が舞い散る中の卒業式なんてテレビやマンガの中だけの話だ。
代わりに舞っている名残雪を頭と肩から払いのけ、大きなカートを引きながら、わたしは高畠駅太陽館の待合室へと入った。
あれから4年後、わたしは念願の東京の大学へと合格し進学することになった。
東京での一人暮らしを心配していたお父さんも千代ちんと同じ学校でルームシェアして暮らす事でしぶしぶ東京行きを認めてくれた。
今日で高畠町ともしばらくお別れだ。
あれからわたしたちの前にシンハが現れることは無かった。
何度か文殊様にソーセージをお供えに行って怒られたりもした。
あの戦いでボロボロになってしまった高畠町。
見切りをつけてこの町を離れる人もいた。
そんななか、わたしたち中学生になにができるか?
瓦礫撤去ボランティアやメンタルケアの声掛け運動などの声が上がる中、全校集会でわたしが提案したのは、復興のシンボルとして、なくなってしまった駅のオブジェ「赤おにと青おにの張りぼて」を再度作ることだった。
ボランティア活動に比べ、はじめは冷ややかな目で見られていたものの、完成目前には皆競うように製作にかかわろうとしてくれた。
「ドコマデモ キミノトモダチ」
別れた親友が、たとえどんな境遇、どんな立場になっても友達であり続けたい。廣介はそんな思いを込めて青おにの別れの手紙に『ドコマデモ』という言葉を選んだという。
わたしはできあがったその張りぼてを見あげながら、あの二人のことを、いや、あの騒がしい一年間のことを、そして岩井戸の事をも思い返す。
新幹線がホームへと入ってきた。
「行ってきます……」
そう赤おににあいさつして、わたしはつばさへと乗り込んだ。
たいくつなこのいなか町から旅立つ。
でもいろいろ勉強して、いつかこの町に帰ってくるんだ……
新しいこの町を作り上げるために……
-おわり-
と、言うわけで まほろば天女ラクシュミー
これにて完結です。
短い間でしたがお付き合いいただきまことにありがとうございました。
転載でしたから2〜3週間で終わりましたが、実際は書き上げるまで2011年から約5年かかってます。
地元とはいえお仕事や町団体の役職の合間の取材が大変でしたので。
いなか町とはいえ掘り下げてみると色んなネタの宝物が眠っていました。
よその町はある意味異世界みたいなモノですのでネタに詰まったら郷土史などを紐解いてみるのも面白いかもしれません。自分もそれほど有名じゃないよその町を舞台にしたトンデモストーリー読んでみたいですしね。
郷土史と言っても難しく考えることはないです。地元の昔ばなしでいいんです。
地元の昔ばなしを色々ミックスしてプリキュアのテンプレに放り込んだのがコレですから。まァミラクルライト演出は出来ませんでしたし、恋愛絡ませたので方向性はセーラームーンに近かったかもしれませんが。
Gotoキャンペーンをしていると言ってもコロナで観光に二の足を踏む昨今、このお話で観光気分を味わっていただけたらば幸せですし、いつか訪れてみたいと思っていただければ何より嬉しいことです。
高畠駅太陽館にはいつでも赤木が皆様が遊びに来るのをお待ちしています。




